月刊競輪 5月号 長塚智広

長塚智広Photo1アテネを目指せ

99年『第1回チャレンジ・ザ・オリンピック』でその才能を見出され、急遽ナショナルチーム入りを果たした長塚智広。その3カ月後には、シドニーオリンピックに出場を果たした。
あれから4年。驚異的なダッシュ力を持つ“シンデレラボーイ”は今、シドニーの雪辱をバネに世界へ羽ばたこうとしている。

アテネ出場、そして北京でもメダル獲得が最終目標

3月ワールドカップ第2戦メキシコ大会のチームスプリント(長塚智広、伏見俊昭、井上昌己)銀メダル獲得おめでとうございます。
「ありがとうございます。三走の井上君がよくがんばってくれましたね。銀メダルですが、いいタイム(1分00秒213)が出たし、まずまずだと思います」

これまでは第二走の選手が長塚選手のダッシュに離れてしまうこともありましたが、今回の伏見選手はピッタリ追走されました。
「合宿とかでも離れることはなかったんで、結構安心して行けましたね。走路がガタガタだったんで、後ろの方の人は行きづらかったと思うんですけど。ここ最近の中で、一番まとまってスタートできたんじゃないかな」

さらなる記録向上とオリンピックでのメダル獲得のために、必要なことは何だと思いますか?
「チームでどれだけまとまれるかってところでしょうね。みんなで練習する機会がもっとあればいいんですけどね・・・・・・。僕はスタートの選手として、最初に出て行くタイミングを図るわけで、後ろの人たちにもそのタイミングとかスタートの速さが要求されるわけじゃないですか。そういうところをうまくメンバー同士で指示し合わなきゃいけないし、後ろの人に僕のスピードに慣れてもらうためにも、合宿とかで一緒に練習してやっていくことは大事だと思うんです。現状では競輪の競走もあるんで、合宿は一カ月に3日ぐらいしかないできないんですよ。そんなに甘くないと思うんですけどね・・・・・・」

なるほど。では、環境が改善されればますますの飛躍が期待できますね。さて、いよいよアテネオリンピックが目前に迫ってきましたが、いかがですか。
「シドニーから4年間、あっという間でしたねえ。前回は準備期間が3カ月間しかなかったんですけど、今回は4年ありましたからね。まだ準備は100%じゃないですけど、出場してメダルを取れたらいいなと思ってます」 

”ロケットスタート”で世界に挑む

長塚選手の“ロケットスタート”は各国の脅威となるでしょうね。
長塚智広Photo2
03年9月
『第4回チャレンジ・ザ・オリンピック』
長塚は250mTTで、17秒783のタイムを記録
「いや、そのタイムは自分ではたまたま出たぐらいにしか思ってないです。それ以外の感想はないですね。バンクもちがうし、気候条件もちがいますから。僕はあんまりプレッシャーに追われるのは好きじゃないので、そんなに重く考えないでやろうかなと思ってるんですけどね」

ところで、以前『スプリントでもメダルを狙いたい』と発言していましたね。
「はい。チームスプリントもいいんですけど、チームの調子にこだわらず、自分の力だけでやっていけるスプリントっていう種目に挑戦したいという気持ちはあるんです。なかなか出場させてもらえないんですけど(笑)。でも、もちろんアテネでも出場できたらいいんですけど、スプリントは次の北京オリンピックで一番やりたい種目であって、その手始めの準備として今から少しずつやっていきたいと考えているんです。まだ全然通用するレベルではないんですが、なんとなくコツもわかってきましたし。あとはそれをこれからの4年間かけて、引き上げていけたらなと思っています」

世界屈指のダッシュ力を考えれば、スプリントでの活躍も可能に思えますが?
長塚智広Photo3
03年7月
シュットガルト世界選
チームスプリント
「まあそう言ってくださる人はいっぱいいるんですが、乳酸の溜まっていない全くのゼロからのスタートというのと、乳酸が溜まった状態からのダッシュ力というのはまた別な話ですから。スピードをあげて動から動のダッシュに持ち込むというところが、今後の大きな課題ですね」

その他に課題はありますか?
「僕個人としては、ゼロからのスピードは、鍛えればもっと上がっていくと思うんですけど、それよりも後半あげていく練習を考えた方がチームスプリントとしてはいいかなと思っています。それに加えてインターバル系の練習を入れていけば、競輪での踏み直しにも効くんじゃないかなと思うんですけどね。とりあえず乳酸系のトレーニングは冬に大分やったんで、今はまた瞬発力系の練習をやってます。練習に関しては、一昨年の世界選選手権後ぐらいからいろいろ自分で考えるようになりましたね。その頃、世界選V10の、世界の(笑)中野浩一さんと2時間ぐらいお話する機会があったんです。その時に練習に関することから何から、アドバイスをいただいて。そこから自分は変わったかなって思ってます」

自転車競技のトレーニングは、競輪にも共通するものがありますか?
「そうですね、僕の場合は自転車競技の練習を中心に考えていった方が、結果的に競輪にもすごいプラスになってるんで。僕は体質が極端にスプリントタイプなんで、一日一回走る競輪用のトレーニングだと強くなれないんですよね。だから、競技中心に考えてやって、他にも本とか読んだり他のスポーツ選手にいろいろ聞いたりして。そうした結果、今はだいぶ競輪でも踏めるようになってきたかなという手応えはありますね」

昨年は9月オールスターで初のGI決勝戦進出を果たしましたし、今後は競輪での活躍も期待されますね!
「そうですね。競輪って特殊な競技で、他のスポーツとちがってデータとかで見えにくい部分が多いんですよね。でも僕はアナログよりデジタル派なんで、昔の根性論みたいなトレーニングと現代の科学的なトレーニング、両方のいいところを取り入れて競輪でも強くなれたらいい
なと思ってます」