シューティング・スター・プレス vol.10
充実した練習が自信の源!追い込み型として輪界の頂点を目指す
追い込み型として輪界の頂点を目指す次世代の銀輪の追い込み型として近年急速に力をつけてきたのが、兵藤一也だ。近況はタテ脚の鋭さに加えて、捌きの技術にも磨きがかかり、今後のビッグ戦線で大活躍が期待できる。 兵藤一也 群馬・82期
オヤジの誘導が好調の秘訣

   昨年一年間の勝率30.5%、連対率52.7%、3連対率66.6%。S級シリーズの優勝2回。GI5大会に出場し、そのうち3大会で準決勝まで進出するなど好走し、年間通して高いレベルで好成績を残した兵藤。しかし、本人は全く納得していないと言う。

「点数的には結構、いい点数を取れたんですけど、目立った成績がないんでね。自分の中では別に、たいしたことはないなと思ってるんですけど」

 昨年10月には共同通信社杯で、01年ふるさとダービー富山以来のビッグ優出を果たしたが「それはGIIですからねぇ」と全く鼻に掛ける様子もない。
  「やっぱりGIで決勝に乗らないと、なんか話にならない感じですよね。とにかくGIで決勝に乗る、まずはそっからですよね。今年は1月の立川、競輪祭と走って、アクシデントもなかったし、順調にきてます。きつい練習でもできてるんで(苦笑)、調子的にも問題ないですよ。今はもうダービーに向けてって感じの練習なんですけど、ダービーは特選スタートなんでがんばりたいですね」

  練習は師匠でもある父・信雄(32期・引退)に頼るところが多いと言う。

  「練習はオヤジと二人ですね。朝やって、午前中やって、午後はローラー乗ったり、体のケアをしたり。練習の内容は、オヤジに誘導してもらうのが95%ですね。自分は選手になろうと思った時から、選手になってからもこれまでずっとオヤジの誘導でやってきたんです。それで、この練習をすればこの程度の脚ができるっていうのが、最近になってやっと自分で掴めてきて。調子が悪い時はこうすればいいとか、自分で練習方法がわかってきたっていうのも、成績が安定してきた理由なのかもしれないですね。でも、まだまだレースに対する調整方法っていうのは全然わかんないですけど(苦笑)」   Photo
番手を回って恥ずかしくないレースをしたい
 今年最初のGIである競輪祭では二次予選5着に敗れたが、3日目特選・4日目特別優秀共に武田豊樹との連係でワンツーを決め、人気に応えた。

「武田さんが出てきて、関東はグッと勢力が増しましたよね。若い先行選手も増えて、群馬で言えば矢口(啓一郎)だとか、埼玉にも結構たくさん出てきてるんで。これからお世話になるのが楽しみですね(笑)。やっぱり自分が番手回らせてもらった時は、しっかり仕事して、恥ずかしくないレースをしたいなって思います。
逆に目標がない時は、競らなきゃいけない時は競りますけど、競る必要がない先行選手だったら、3番手ぐらいだったら追い込める自信があるんで。その先行選手と自分との力具合で決めますね。まあでも、自信があるとは言え、あんまりタテに頼ってもね、周りの評価もあるし。自分としてもタテだけで追い込みっていうのは好きじゃないんで……。だからしっかりヨコもできて、自分がついた先行選手が、自分が番手でよかったなって思ってもらえるような選手になりたいですね」
 1月立川記念準決勝Aでは、武田豊樹(茨城)の番手を主張し、地元の佐久間仙行(東京)と激しく競り合いを演じた兵藤。追い込み型のプライドを持つ以上、武田の番手は譲れない位置だったと振り返る。

「話し合いで折り合っちゃったりすることって、よくあると思うんですけど、そこでお互い納得しなかったら競るしかないでしょう。勝負事なんで、自分が回りたい位置は話し合いじゃなくて、やっぱりバンクの上で戦って自分の力で掴んだ方がいいんじゃないかって思うんですよね。ファンの人も見てるわけですから」
 ここ数年、関東地区は慢性的な先行選手不足に悩まされてきたが、武田豊樹の出現が、先行・追い込みの双方の選手にとっても起爆剤となり、一気に勢力を盛り返してきた。また、昨年9月には神山雄一郎がオールスター制覇、そして今年1月には後閑信一が競輪祭優勝するなどベテラン勢も奮起しており、関東勢の勢いは止まりそうにない。

 その流れに乗って、次世代の追い込み型として名乗りを上げた兵藤にも、GI戦線で大暴れが期待できそうだ。「これからもお客さんに好かれるようなレースをする選手でいたいと思うんで。自分のレース見に来て下さい!」

Photo PROFILE
兵藤一也(ひょうどうかずや)
昭和53年4月27日生。B型。
佐野日本大学高等学校卒業。
師匠は父/兵藤信雄(引退)。競輪学校在校順位は38勝で7位。
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