解説&分析

武雄記念で連覇なるか
藤木裕(京都・89期・S1・登録番号14030)
すでに初のタイトルを狙えるまでに成長した藤木。今年2月の全日本選抜でも準決勝を3着で突破して2度目となるGI決勝の舞台に立った。その後も、3月の京王閣FI決勝を逃げ切りで優勝すると、日本選手権では落車があったとはいえ、特選予選を逃げ切りで1着通過した。惜しくも準決勝5着で決勝進出は逃したが、仕掛け所を逸しない、そして粘り強い藤木の走りはますます洗練されてきた印象だ。4月は地元地区での開催(福井)となる共同通信社杯が注目されるが、狙ってみたいのはその前の武雄記念。昨年はこの武雄で記念初優勝を飾って自信を深めただけに、連覇のチャンスも。GIでは1着で高配当演出が目立っているが、記念では近畿ワンツーを連発しているところも見逃せないところだ。

※4月4日現在直近4カ月集計データ
勝率 36.3%
連対率 45.4%
3連対率 59.0%
バック本数 8本
平均競走得点 114.71
出走予定
武雄GIII 4月13日~16日
共同通信社杯(福井) 4月26日~29日
西武園FI 5月7日~9日
全プロ競輪 5月18日~19日
富山FI 5月28日~30日
見逃せない決勝の勝負強さ
田中晴基(千葉・90期・S1・登録番号14081)
田中の成長度も見逃せない。現在の競輪界において一つのトレンドにもなってきている中村浩士が率いる中村道場で汗を流し、その猛トレーニングが見事に開花。昨年は4度の優勝を果たし、今年から戦うステージもワンランクアップ。今年も3月の奈良FIで優勝を決めると、2月の全日本選抜でGI初出場、3月には日本選手権にも初参戦している。日本選手権では一次予選で敗退はしたものの、一般戦で逃げ切りGI初勝利もおさめた。決まり手を見ると逃げ62%、捲り38%で、力を出し切るレースを主軸に置きながらも、器用な面も持ち合わせており、状況に応じた攻めも可能。見逃せないのが決勝での勝負強さで、2011年以降FIでは16走して1着6回、2着2回と安定、1着時の2車単平均配当も5000円台と好配当も見込める狙い所だ。

※4月4日現在直近4カ月集計データ
勝率 22.2%
連対率 44.4%
3連対率 50.0%
バック本数 14本
平均競走得点 110.11
出走予定
武雄GIII 4月13日~16日
共同通信社杯(福井) 4月26日~29日
千葉FI 5月15日~17日
宇都宮GIII 5月25日~28日
FI戦では決勝常連に成長
佐藤和也(青森・95期・S2・登録番号14427)
今年FIは6場所を走って、5度の決勝進出を決めている。コンスタントに結果を残してはいるものの、意外なことに直近4カ月の勝率を見るとわずか9%。今年ここまでも2勝のみだが、広島の準決勝で海老根恵太を捲ったり、いわき平の準決勝で逃げ切ったりと、ともに好内容。勝率は低いものの、しっかりと連絡みを果たしており、連対率は50%、3連対率は68%と車券貢献度はかなりのもの。決勝進出は増えてきただけに、次に欲しいのはS級初優勝で、今年だけで1月の向日町、2月の豊橋、川崎と3度も準優勝に終わっており、あと一歩。いわき平や広島での2連対をはじめ、川崎での準決勝、決勝でも紺野哲也とワンツーを決めたとおりラインで決着が多いのも狙いやすい。

※4月4日現在直近4カ月集計データ
勝率 9.0%
連対率 50.0%
3連対率 68.1%
バック本数 9本
平均競走得点 107.50
出走予定
青森FI 4月20日~22日
平塚GIII 5月3日~5日
函館FI 5月22日~24日
初日予選の連勝伸ばす
柴田洋輔(東京・92期・S2・登録番号14232)
オールラウンダーとして定着した感のある柴田。直近4カ月の成績も勝率44%、連対率67%と安定した活躍を見せている。その中でも特に目を見張るのが初日予選の成績だろう。12月の伊東GIIIから4月の京王閣FIまで、7場所を消化して初日はオール1着と見事なまでの数字を残している。ちなみにFI予選の1着時の平均配当は1732円と、初日は圧倒的本命に推されることが多い柴田にしては高めの数字で、連係が崩れて別線の自力型が2着に入っての波乱決着がこの数字を生み出している。3月の小田原、玉野FIはともに連勝で決勝に進出するも、どちらも9着大敗。さらに4月の京王閣では最終日に欠場と不安材料もあるが、鉄板と言える予選の連勝がどこまで伸びるか、好配当も期待できる準決勝の走りとともに要注目だろう。

※4月4日現在直近4カ月集計データ
勝率 46.6%
連対率 66.6%
3連対率 66.6%
バック本数 1本
平均競走得点 107.86
出走予定
奈良FI 4月10日~12日
和歌山FI 4月22日~24日
平塚GIII 5月3日~5日
前橋FI 5月13日~15日
まだまだ続く、快進撃!
矢田晋(福岡・94期・A1・登録番号14416)
今期のA級1・2班戦での勝率ナンバーワンをひた走っているのが、福岡の矢田晋だ。逃げて良し、捲って良し、パワフルな走りがここに来て完全覚醒した印象で、直近4カ月の成績は驚く無かれ勝率74%、とにかく出走履歴には「1」の数字がズラッと並んでいる。惜しかったのは3月大垣FIで、ミッドナイトを間に挟んで8連勝と猛進して特別昇級にリーチをかけたが、決勝では8着に敗れて2度目の特昇チャンスを大魚を逃がしてしまった。それでも「一戦一戦を大切に力を出し切る」という矢田のポリシーは今後も変わらないし、もう一度S級に昇格して前回以上の結果を出したいという意気込みがある以上、矢田の快進撃はまだまだ続きそうだ。逃げたときはしっかりとワンツーで、3月の向日町の準決勝では2車単150円という超ド本命にもしっかり応えた。逆に捲りになったときは別線決着が多く、典型的な「ヒモ荒れ」で意外な好配当になることも。

※4月4日現在直近4カ月集計データ
勝率 73.9%
連対率 78.2%
3連対率 82.6%
バック本数 11本
平均競走得点 97.30
出走予定
和歌山FII 4月13日~15日
武雄FII 4月22日~24日
豊橋FI 4月30日~5月2日
小倉FII 5月20日~22日
どこまで強くなるか楽しみなホープ
吉澤純平(茨城・101期・A2・登録番号14860)
今、最もA級で勢いを感じさせるホープが吉澤純平だろう。粒ぞろいの101期の中で在校4位、昨年7月に松戸競輪場でデビューを果たすと、11月にはレインボーカップを待たずして9連勝・3場所連続完全Vでチャレンジを卒業しA級2班に特別昇班。昇班初戦の取手でいきなり1・2班戦初優勝を遂げると、その後も2月京王閣、3月小田原をともに完全優勝でその強さを見せつけた。まだまだ強力な同型との対戦時など組み立て面での甘さは成長段階ではあるが、バンクーバーオリンピックの出場歴(ショートトラック)がある通り潜在能力は確かなものがあり、さらに師匠は武田豊樹と、厳しくも抜群の環境下にあるのだから将来性はかなりの高さであろう。もちろんバック取得率も84%と高く、1着時の平均配当は963円と人気に応えている。

※4月4日現在直近4カ月集計データ
勝率 66.6%
連対率 76.1%
3連対率 85.7%
バック本数 17本
平均競走得点 94.76
出走予定
青森FI 4月20日~22日
前橋FI 5月13日~15日
立川FII 5月22日~24日