解説&分析

好調キープで、上位戦でも大駆けあり!
池田勇人(埼玉・90期・S1)
近況は、積極的なレースはもちろんのこと、レースの流れを見極めた柔軟な攻めで安定度が大幅にプラス。グレードレース参戦が増えている中でも、連対率50%と車券貢献度は高い水準をキープしている。今年は1月の立川FIを優勝すると、そこから一気呵成に2月の豊橋FIを完全優勝、さらに大垣FIも逃げ切りで制して3場所連続優勝を成し遂げた。FIだけに留まらず、4月の武雄GIIIでも準決勝で深谷知広を相手に捲りで1着奪取し決勝進出を果たすと、続く共同通信社杯でも4着2着で準決勝までの勝ち上がりを見せた。その準決勝は「一瞬、夢を見ました」とビッグレース初の決勝進出まであと僅かの4着惜敗だったが、戦える手応えは十分得られたと見ていいだろう。5月の別府GIIIでも2勝を挙げ、好調をキープ。その割に1着時の2車単平均(11年7月~現在まで)は3999円と好配当を提供し続けていることも魅力の一つだ。池田から的中倍増を狙いたい。

※5月16日現在直近4カ月集計データ
勝率 42.8%
連対率 50.0%
3連対率 53.5%
バック本数 5本
平均競走得点 112.17
出走予定
函館FI 5月22日~24日
静岡FI 6月3日~5日
高松宮記念杯 6月13日~16日
共同通信社杯でビッグレース初勝利!
原田研太朗(徳島・98期・S2)
身長164㎝と小柄な体格ながら、そこに秘められたパワーと闘志は、今後のグレード戦線での活躍を大いに期待させる。2月の高松GIIIでは一次予選、二次予選を逃げ切りで連勝。準決勝でも上位陣に真っ向勝負を挑み、2着入線で記念決勝の舞台に駒を進めた。決勝では深谷知広に破れて3着に終わるも、上位陣との戦いを肌で感じることができたことは大きかった。4月には奈良FIで堂々の逃げ切り優勝、完全優勝のおまけ付きだった。その勢いも手伝って迎えた初のビッグレース、共同通信社杯では一次予選で魅せた。「9番手になって焦った」と言いながらも、捲りで中部ラインを捕らえてビッグ初勝利を初戦でモノにした。その共同通信社杯後は、大垣FIで準決勝敗退とまだまだ粗削りな面もあり、さらに同型との兼ね合いもあるが、経験を重ねてブラッシュアップされていくはず。グレード戦線のあっせんが続く6月も、要注目だ。

※5月16日現在直近4カ月集計データ
勝率 47.6%
連対率 57.1%
3連対率 66.6%
バック本数 11本
平均競走得点 109.47
出走予定
函館GIII 5月31日~6月3日
高松宮記念杯 6月13日~16日
松山で圧巻のバンクレコード更新!
フランソワ・ペルビス(フランス・S2)
今回で3度目の短期登録制度での競輪参戦だが、その度に強さを増していっている印象が強い。一昨年は平塚での完全Vのみだったが、それが昨年は10月奈良の優勝を皮切りにして、奈良、松山、豊橋と4場所連続優勝の離れ業を演じて見せた。今年は5月の京王閣FIから始動。予選、準決勝は難なく捲りで連勝した。決勝は8着に終わったものの、参戦した外国勢の中で、今回初戦から決勝に駒を進めたのはペルビスとパーキンスだけで、その高い適応力も大きな魅力となっている。また、圧巻だったのが次場所の松山だ。こちらも予選、準決勝を捲りで連勝。決勝は後方に置かれる展開になるも、大外を豪快に捲って前団を一飲み。2着に6車身差をつける圧勝だった。さらに、このときの上がりタイムは驚異の10秒5をマーク。松山競輪場のバンクレコードを更新する次元の違うパフォーマンスを見せた。次走は6月19日からの和歌山で、今回の来日も、その走りから目が離せない。

※5月16日現在直近4カ月集計データ
勝率 83.3%
連対率 83.3%
3連対率 83.3%
バック本数 1本
平均競走得点 110.00
出走予定
和歌山FI 6月19日~21日
小倉FI 6月29日~7月1日
そろそろS級初優勝も狙いたい
稲毛健太(和歌山・97期・S2)
近況は上位戦線でも頭角を現しており、今から注目しておきたい選手の一人だ。3月の日本選手権は二次予選で敗退、3着9着9着5着と成績的には振るわなかったが、そこからは持ち前のスピードをいかんなく発揮して、勝率もグングン上げて来ている。4月岸和田FIでは初日予選、準決勝を連勝して決勝に進出(3着)、西武園GIIIでも敗者戦ながら2勝をマークした。5月の別府GIIIでは準決勝で最終主導権を握るとゴール前の接戦を制して3着入線して、昨年の小松島GIII以来となる2度目の記念決勝の舞台に進んだ。決まり手は86%が「逃げ」と積極果敢なレースが持ち味だが、今年は抑え先行だけでなく、先行のバリエーションを増やすモデルチェンジにも着手しており、そこも1着量産に繋がっている。まだまだ組み立ての甘さを課題にしているが、経験値を上昇させてレベルアップを図りたい。まだS級優勝が無いだけに、そろそろ初優勝もほしいところだ。

※5月16日現在直近4カ月集計データ
勝率 31.5%
連対率 36.8%
3連対率 57.8%
バック本数 14本
平均競走得点 108.57
出走予定
富山FI 5月28日~30日
弥彦FI 6月10日~12日
大垣FI 6月17日~19日
宇都宮FI 6月25日~27日
A級陥落も近況6場所で5Vと優勝ラッシュ!
柴田竜史(静岡・96期・A1)
2011年の年末に若手の登竜門とも呼ばれるヤンググランプリを優勝して、一躍その名を全国に轟かせたが、その後のレースで落車し、その影響により不振が続いたため、今期からはA級に陥落してしまった。もちろん苦しい期間ではあったと思うが、ひたすら前を向き、コツコツと努力精進してきたことで、ようやくの復調気配を見せている。2月までは決勝であと一歩の競走が続いていたが、3月の小田原で久しぶりの優勝を飾ると、一気に成績も上昇。小田原を含めて、6場所走り5度の優勝を決めるなど、いままでのうっぷんを晴らすかのような優勝ラッシュに突入した。3月大宮、5月前橋の決勝では、両レースとも飛ぶ鳥を落とす勢いで出世街道を驀進する吉澤純平(茨城・101期)の前に立ちはだかり貫禄Vを果たした。この勢いなら9連勝での特別昇級も十分可能性はあるし、精神的にも強くなって帰ってきた柴田の復活劇は、まだ始まったばかりだ。

※5月16日現在直近4カ月集計データ
勝率 66.6%
連対率 75.0%
3連対率 79.1%
バック本数 8本
平均競走得点 96.95
出走予定
千葉FII 5月25日~27日
静岡FI 6月3日~5日
青森FII 6月17日~19日
今年すでに6度の優勝、チャレンジ鉄板!
山崎翼(大分・95期・A3)
2009年1月に別府競輪場でデビュー。初優勝は昨年3月に高松で達成し、今年に入ると、エンジン全開中。3月熊本、4月名古屋では連続で完全優勝を達成して、特別昇班に王手をかけた。勝負所の岸和田では連勝で決勝進出を果たして8連勝まで勝ち星を伸ばすも、決勝で3着に敗れて惜しくも特別昇班は逃したが、その後も5月一宮で優勝して、今期だけで6度目の優勝と爆勝モード。直近4カ月の成績も勝率62.9%、連対率77.7%、3連対率に至っては88.8%と圧倒的な安定感を見せている。決まり手も捲りが62%と、スピード感溢れる捲りが好調キープの根幹にあり、チャレンジでは一般的な狙い方にはなってしまうが、山崎の捲りが決まって、相手には別線の自力型が入線しての決着が多いので、車券推理の際は一考したい。特別昇班を決めない限り、次期級班もA3だが、その翼で大きく羽ばたく日も近く、しっかりと狙っておきたい。

※5月16日現在直近4カ月集計データ
勝率 62.9%
連対率 77.7%
3連対率 88.8%
バック本数 7本
平均競走得点 77.03
出走予定
広島FII 5月22日~24日
佐世保FII 6月3日~5日
豊橋FII 6月10日~12日