解説&分析

4年連続7度目のグランプリ出場を目指す
佐藤友和(岩手・88期・SS)
 10月16日現在、賞金ランキングを10位までアップして、グランプリ出場権争いに加わってきた。今年はここまでのGIは異なった選手が優勝しており、残された出場枠は競輪祭の優勝者と賞金枠の3つ。そしてその賞金枠は2位の深谷知広と、4位の新田祐大がほぼ確定、残り1枠の争いを巡って、7位の長塚智広、9位の浅井康太、そして佐藤と争いは激化している。今年の佐藤の成績を振り返ると、GIでは3月の日本選手権(9着)と6月の高松宮記念杯(5着)と2度決勝進出、8月のサマーナイトフェスティバルでは池田勇人の先行を捲って優勝も遂げている。9月の青森記念は決勝4着、10月の防府記念では決勝3着と優勝には届かなかったが、ともにシリーズ2勝ずつ挙げ、目の醒めるようなスピード捲りを連発していた。4年連続7度目のグランプリ出場に向けて、今まで以上に見逃せない存在となりそうだ。

※10月17日現在直近4カ月集計データ
勝率 43.3%
連対率 46.6%
3連対率 53.3%
バック本数 3本
平均競走得点 114.27
出走予定
松阪GIII 11月15日~18日
小倉競輪祭 11月28日~12月1日
今年2度のGI決勝進出とブレイク中
稲川翔(大阪・90期・S1)
 今年もっともブレイクした一人といっていいだろう。6月に地元・岸和田で行われた高松宮記念杯では1着こそないものの2着2着3着でGI初の決勝に勝ち上がった(決勝は6着)。また9月のオールスターでも安定感ある走りを披露して2着1着2着で再度決勝まで駒を進めた。決勝は4着に終わったが、大舞台の経験値を上昇させたことで、より一層、走りに磨きがかかっていきそうだ。直近4カ月の決まり手を見ると、逃げ20%、捲り35%、差し35%、マーク10%となっており、どんな展開になってもしっかりと対応できている自力自在の走りが、安定感につながってきている。記念でもコンスタントに決勝進出しており、当面の目標としては記念初優勝は決めたいところ。近況も10月武雄FIを優勝と好調キープで、賞金ランキングも10月16日現在で自身最高の13位までアップ。上位陣を撃破する波乱演出も多く、今後ますます目が離せないだろう。

※10月17日現在直近4カ月集計データ
勝率 28.5%
連対率 57.1%
3連対率 62.8%
バック本数 9本
平均競走得点 113.82
出走予定
前橋FI 11月2日~4日
小倉競輪祭 11月28日~12月1日
再びの戴冠へ、エンジン全開!
村上博幸(京都・86期・S1)
 いよいよエンジン全開だ。7月の寬仁親王牌では失格を喫したものの、その後は、8月の福井、9月の立川、そして10月の平塚とFI戦ながら3度の優勝。9月のオールスターでは、昨年の寬仁親王牌以来となるGI決勝戦に駒を進めた。また次場所の地元・京都向日町記念では、結果は4着に終わったものの、地元勢からただ一人決勝戦に進出した。直近4か月の3連対率は74%までアップしてきているのも、その好ムードの証明だろう。前半戦の悪い流れから「しっかりリセットできたし、これからが楽しみ」と本人も語っているように、ようやく歯車がかみ合ってきて、本来の村上らしい走りが戻ってきた印象だ。もちろんグランプリを制したタイトルホルダーだけに、求められるものは大きいが、強力な若手自力型が次々に登場する今の近畿勢の流れにも乗って、再びの戴冠を目指している。今後はより一層、軽視できない存在だ。

※10月17日現在直近4カ月集計データ
勝率 39.1%
連対率 60.8%
3連対率 73.9%
バック本数 0本
平均競走得点 116.13
出走予定
防府FI 10月22日~24日
大垣GIII 11月2日~5日
富山FI 11月19日~21日
小倉競輪祭 11月28日~12月1日
A級から特昇&S級初優勝と倍返し成功!
宮越孝治(富山・82期・S2)
 7月にA級へ降級してしまったが、そこから破竹の快進撃がスタートした。7月の岸和田を完全優勝、続く松阪は1着1着2着にまとめると、7月小松島から富山、そして大垣まで無傷の9連勝、3場所連続完全優勝。S級2班へ特別昇級を果たし、わずか2カ月でS級戦線に舞い戻ってきた。まさに「倍返し」成功だが、これだけに終わらない。昇級初戦の小松島でも3連勝を決めて、S級初優勝も手にしてみせた。特筆すべきは、その内容だろう。特昇した9連勝の内訳は、捲り6回で逃げ切りが3回。また小松島でも初日予選で逃げ切りを決めているように、間髪入れない積極果敢な攻めで1着量産態勢に入っている。10月は高松の準決勝で微差及ばず4着で決勝進出を逃し、岸和田は初日で9着大敗を喫してしまうが、岸和田の敗者戦は捲り、逃げでしっかりと連勝を決めた。11月には大垣記念が控えており、G戦線での走りにも期待が高まる。

※10月17日現在直近4カ月集計データ
勝率 81.4%
連対率 85.1%
3連対率 85.1%
バック本数 11本
平均競走得点 100.88
出走予定
宇都宮FI 10月23日~25日
大垣GIII 11月2日~5日
一宮FI 11月12日~14日
富山FI 11月25日~27日
準決勝は7場所連続で1着突破!
小原周祐(高知・99期・A1)
 今年の前期は3月・福井での優勝1回のみだったが、後期に入ると8月の地元・高知で優勝、続く高松で完全優勝を決め、10月・富山でも完全優勝と3度の優勝をマークしている。高松決勝では山崎光展の先行を中団から捲りで捕え、2車単280円の一番人気に応え、富山の決勝でも新鋭・野原雅也の先行を3番手確保から捲って仕留め、こちらも2車単540円の一番人気での決着を演出した。捲りだけではなく、高松の準決勝や9月の豊橋の準決勝ではしっかりと主導権取りから逃げ切り勝ちをおさめている、冷静なレース運びと豪快な決め脚で、勝率は62.5%、連対率は79.1%にまで上昇しており、初のS級昇格も視野に入ってきている。ちなみに、準決勝に限定すれば、7月・岸和田から7場所連続で1着突破を果たしているので、こちらもどこまで伸びていくのか注目したい。

※10月17日現在直近4カ月集計データ
勝率 62.5%
連対率 79.1%
3連対率 79.1%
バック本数 11本
平均競走得点 96.91
出走予定
熊本FII 11月14日~16日
高知FI 11月22日~24日
次場所の伊東で特別昇班なるか
中田健太(埼玉・99期・A3)
 9連勝(3場所連続完全V)での特別昇班へ、再度チャレンジする。今期からA級3班となった中田だが、前期はA級1班に在籍していたように、力は間違いなく格上。直近4カ月の成績も高位で安定しており、勝率70%、連対率89%、3連対率は驚異の100%となっている。7月に函館、前橋と2場所連続で完全優勝を果たし特別昇班に迫ったものの、向日町の初日予選で2着に敗れてチャンスを逃している(その向日町でも準決、決勝と連勝で優勝は遂げている)。だが、9月弥彦から再度連勝をはじめ、弥彦そして京王閣で2場所連続完全優勝を達成、10月25日に初日を迎える伊東が大事な開催となっている。車券貢献度は3連対率が示してるとおり抜群だし、前場所の京王閣では初日に捲り、2日目に逃げ、3日目が差しで決勝と器用さも兼ね備えいる。2度目のチャンスはしっかりとモノにしたいところ。(特別昇班を決めた場合は11月以降の出場予定は変更となる可能性がありますのでご注意ください)

※10月17日現在直近4カ月集計データ
勝率 70.3%
連対率 88.8%
3連対率 100%
バック本数 3本
平均競走得点 77.62
出走予定
伊東FII 10月25日~27日
四日市FII 11月6日~8日
川崎FII 11月19日~21日
千葉FII 11月26日~28日