解説&分析

勝率48%とハイアベレージをキープ
金子貴志(愛知・75期・S1)
 7月の寬仁親王牌でGI初優勝したあとも、好調キープしている。9月のオールスターでは、一次予選からのスタートだったが、3連勝を決めて決勝進出を果たした(決勝は8着)。7月の豊橋記念を完全優勝、9月の青森記念でも決勝で深谷知広マークから優勝を遂げている。千葉記念でも決勝に進出しており、単騎戦ながらバックを取り5着に終わるが「次に繋がると思います」と自身の評価。グレードレース中心ながら、直近4カ月の成績は勝率48%、連対率60%と高水準で、初出場となる年末のグランプリに向けても、さらに調子を上げていくか。もちろん11月の競輪祭も優勝候補のひとりだろう。1着時の2車単平均配当は1427円で、比較的人気サイドでの決着となっているが、青森記念の決勝のように深谷とのワンツーで1490円など意外な好配当もあり、今後も要チェックだ。

※10月24日現在直近4カ月集計データ
勝率 48.0%
連対率 60.0%
3連対率 68.0%
バック本数 2本
平均競走得点 116.28
出走予定
小倉競輪祭 11月28日~12月1日
滝澤正光氏を超える通算788勝
神山雄一郎(栃木・61期・S1)
 まだまだ健在だ。今年のビッグ戦線では、2月の全日本選抜、4月の共同通信社杯、6月の高松宮記念杯と3度決勝に駒を進めた。10月の西武園FIでは、準決勝で芦澤辰弘マークから、捲りで抜け出し1着、決勝では逃げ粘る松岡健介をシャープな差し脚でゴール前捕えて優勝を果たした。優勝は昨年12月の宇都宮以来で驚異の163回目、この優勝で通算勝利回数を788勝とし、滝澤正光氏の787勝を抜いた。絶え間ない努力と研究心が、衰え知らずの走りを生む原動力となっており、今後もどんどんこの数字も更新していくことだろう。京王閣オールスターや、近況の記念開催を見ても、関東勢の充実は目を見張るものがある。この流れもしっかりとキャッチして、捲土重来を目論む。

※10月24日現在直近4カ月集計データ
勝率 20.0%
連対率 33.3%
3連対率 46.6%
バック本数 0本
平均競走得点 112.31
出走予定
大垣GIII 11月2日~5日
小倉競輪祭 11月28日~12月1日
再びのスターダムへ一歩ずつ前進
海老根恵太(千葉・86期・S1)
 苦しみながらも、一歩ずつ、再びのスターダムを目指して変化を求めている。9月の向日町記念初日では、打鐘で一旦先頭に立つと、内から木暮安由に主導権を奪い返されるも3番手確保から捲りに出て、中村浩士とワンツーを決めた。10月の千葉記念では、二次予選で敗退するも3日目の特選では積極果敢な先行策に出て逃げ切り勝利を果たした。海老根の代名詞は豪快な捲りであるが、近況の海老根の走りはそれだけに頼らず、位置取りや先行策などさまざまなバリエーションでの攻めの姿勢を見せている。もちろん千葉には活きのいい若手自力型が成長しているだけに、番手回りの技術アップも図っていきたいところで、これらをうまく噛み合わせていけば、上位戦線ももっと賑わせる存在になりそう。一朝一夕にはいかないかもしれないが、近況の走りから、期待を抱かずにはいられない。

※10月24日現在直近4カ月集計データ
勝率 14.2%
連対率 32.1%
3連対率 35.7%
バック本数 3本
平均競走得点 109.07
出走予定
大垣GIII 11月2日~5日
玉野FI 11月19日~21日
小倉競輪祭 11月28日~12月1日
千葉記念で2度目の記念決勝進出!
三谷竜生(奈良・101期・S2)
 昨年7月にデビューしてから順調に成長を続ける近畿期待の新鋭だ。同年9月にはチャレンジを特別昇班で難なくクリアすると、A級1・2班戦でも9連勝の特別昇級を果たして一気にS級戦線に名乗りをあげた。S級でも積極果敢なチャレンジャーの走りで健闘しており、5月の平塚記念で記念初の決勝進出、そして6月には京都向日町でS級初優勝も達成した。その後もFI戦では決勝進出を重ねており、10月の千葉記念では一次予選は早めの捲りで1着、二次予選は先行で2着に粘り南修二とワンツーを決めた。準決勝は主導権を奪えず、捲った池田勇人-後閑信一に続く形で3着に入り2度目の決勝進出を果たすも、内容面で納得がいかず笑顔は少なかった。決勝は9着に終わり「踏むところはしっかり踏まないといけない」と課題を見出していたが、まだまだデビュー1年と少し。どんどん経験を重ねて、その攻撃的な走りにさらに磨きをかけてほしい。

※10月24日現在直近4カ月集計データ
勝率 25.9%
連対率 55.5%
3連対率 62.9%
バック本数 16本
平均競走得点 107.84
出走予定
小倉FI 11月2日~4日
玉野FI 11月19日~21日
今年11度の優勝、3連対率は驚異の96%!
近藤龍徳(愛知・101期・A2)
 上記の三谷と同期である近藤龍徳の成長も見逃せない。父は近藤幸徳、在校成績は11勝の6位(ちなみに三谷は16位)で、昨年7月にデビューして、11月に防府で特別昇班を果たした。1・2班戦では今年1月の高松で初優勝を飾ると、ここまで積み重ねた優勝数は11回を数える。もちろん、成績もずば抜けた安定感を誇っており、直近4カ月の勝率は68%、連対率は88%、3連対率に至っては96%と驚異的な数字だ。連対時の決まり手を見ると、逃げ27%、捲り59%、差し14%で、どんな状況下でも車券にしっかりと絡む強みがあり、本命党にはこんな心強い存在はあるまい。すでに来期は初のS級入りが決まっており、さらに12月にはレインボーカップA級ファイナルの出場もあるので、もちろんS級での活躍も楽しみだが、超が付くほどの鉄板レースを繰り広げているA級戦で買えるのは今だけだ!

※10月24日現在直近4カ月集計データ
勝率 68.0%
連対率 88.0%
3連対率 96.0%
バック本数 8本
平均競走得点 96.83
出走予定
高松FII 10月31日~11月2日
四日市FII 11月26日~28日
昇班する前に、今こそ狙い目!
新井僚太郎(山梨・100期・A3)
 特別昇班をしていないことに驚きがあるくらいだが、チャレンジレースでの新井はそれほどの安定感がある。2011年7月に函館デビューして、今年1月にはA級2班に昇格し、今期から再度チャレンジレースに降班。今年6月にはA級1・2班戦でも向日町で初優勝しており、来期はジャンプアップでA級1班の格付け。チャレンジでは格上の存在といえ、成績もここまで6度の優勝、直近8場所(24走)で確定板を外したのは9月の静岡、大宮の決勝のみ。もちろん直近4か月の成績は勝率80%、連対率90%、3連対率93%と圧倒的。特筆すべきはその積極性の高さで、直近4カ月でバック本数は24本取っており、今後も積極的なレースで力をつけて、階段をひとつずつ上がって行ってもらいたい。連対時の2車単平均配当は1354円だが、100円台の配当も連発しており、購入時はオッズをしっかり見極めることも大切だ。新井も12月のレインボーカップチャレンジファイナルにエントリーしている。

※10月24日現在直近4カ月集計データ
勝率 80.0%
連対率 90.0%
3連対率 93.3%
バック本数 24本
平均競走得点 77.96
出走予定
弥彦FII 11月13日~15日
いわき平FII 11月28日~30日