解説&分析

地元地区のGI、主役の座は譲らない!
深谷知広(愛知・96期・SS)
 3月には日本選手権が行われる名古屋競輪場。愛知の深谷知広にとって地元地区のGI、師匠の金子貴志をはじめ中部地区が一丸となってV奪還を狙ってくるだろう。グランプリ後の深谷は、1月の立川GIIIが決勝6着、2月の全日本選抜では初日の特選予選で番手を回った浅井康太とワンツーも、準決勝で金子との連係が不発で5着。続く静岡GIIIでも準決勝で先行策に出て5着に終わり、珍しく連続で決勝進出ならなかった。昨年のGI戦線では「超」がつくほどの安定ぶりを見せており、連係した金子貴志がGP優勝にGIを2つ優勝。最強の師弟連係を止めるべく、輪界一の機動力への警戒度がマックスになるのは仕方がないところか。そしてそれを打破したときこそ、真の深谷時代の到来なのだろう。11年の名古屋大会では1着8着9着2着だったが、今はレベルも経験値も数段上。地元地区の大一番で、2つ目のタイトルに向けて圧巻のパフォーマンスを見せてくれるはずだ。

※2月27日現在直近4カ月集計データ
勝率 31.8%
連対率 54.5%
3連対率 59.0%
バック本数 13本
平均競走得点 117.81
出走予定
松山GIII 3月6日~9日
日本選手権GI 3月18日~23日
西武園GIII 4月5日~8日
共同通信社杯GII 4月26日~29日
全日本選抜で決勝進出、穴党の星
山賀雅仁(千葉・87期・S1)
 2月の全日本選抜では、一次予選が3着、二次予選も3着、そして準決勝でも3着と、勝ち星こそなかったものの、3日間車券に貢献して初めてのGI決勝の舞台に立った。決勝は単騎戦で4着に終わったが、常に一発の可能性を秘める山賀の走りは、穴党ファンを中心にこれからも今まで以上に注目を集めそうだ。1着2着との組み合せの妙もあるが、全日本選抜でも絡んだ3レースはともに3連単高配当だった。以前から「大物食い」と称されるように、幾度となくタイトルホルダーを相手に波乱を演出してきたが、全日本選抜で決勝を経験したことは山賀にとっても大きな一歩になりそう。もっと早めの仕掛けだったり、位置取りだったりと組み立て面での課題はあり、爆発力がある反面で、全日本選抜の次走の一宮FIでは8着6着7着と3日間凡走したように成績の波は大きいが、もちろん日本選手権でも侮れない存在であることに間違いない。

※2月27日現在直近4カ月集計データ
勝率 13.3%
連対率 30.0%
3連対率 50.0%
バック本数 4本
平均競走得点 108.76
出走予定
日本選手権GI 3月18日~23日
岸和田FI 4月1日~3日
伊東FI 4月14日~16日
和歌山で記念初優勝!次はビッグだ
林雄一(神奈川・83期・S1)
 1月和歌山GIIIの動きは鮮烈だった。初日特選は新田祐大をマーク。打鐘で連係が崩れて万事休すかに思われたが、直線では混戦を縫うような差し脚で1着に突き抜けた。優秀戦は金子貴志との連係になり、捲りにしっかりと付いていき2着、準決勝では田中晴基の先行を利して1着突破を果たした。決勝では再度、田中と連係。稲垣裕之-村上義弘が先行し、田中は3番手から捲りを打つも村上が牽制。その隙を突いて林が切り込むと、最後は飯嶋則之の差しを凌いで嬉しい記念初優勝を達成した。ちなみに初日特選は3連単21万円台、決勝は16万円台と超高配当も合わせて叩き出した。2月の大宮FIでは、根田空史をマークし、捲りが決まり2着入線も根田が失格となり、手放しでは喜べないが林が繰り上がり優勝。記念優勝を果たしたら、次に狙うはビッグでの活躍が自然だろう。ここまでビッグ決勝も未経験なだけに、日本選手権及び共同通信社杯での鋭脚発揮に期待したいところ。

※2月27日現在直近4カ月集計データ
勝率 35.2%
連対率 52.9%
3連対率 61.7%
バック本数 0本
平均競走得点 110.91
出走予定
四日市FI 3月4日~6日
日本選手権GI 3月18日~23日
玉野FI 4月2日~4日
小田原FI 4月9日~11日
共同通信社杯GII 4月26日~29日
地元FIを制して勝ち星量産態勢に突入か
金澤竜二(福島・91期・S2)
 今年1月はFIでも最終日は一般戦回りとなっていたが、地元いわき平GIIIでシリーズ2勝を挙げてから、エンジンがいよいよかかってきた印象だ。次場所の小松島FIでは、準決勝9着に敗れて勝ち上がりは失敗するものの、初日予選と最終日特選で再び2勝。そして迎えた2月地元FIでは昨年11月以来となるFI決勝に進出し、その決勝では伸び盛りの箱田優樹と連係。主導権を握った箱田の番手から捲りを放って、昨年7月の熊本FI以来のS級優勝を手にした。持ち前の機動力も復調気配で、2月の西武園FIでも、初日予選は伊原克彦の逃げを捲りで捕え1着、準決勝では荒井崇博や上原龍を相手に堂々の逃げ切り勝ちを決めた。勝ち星量産態勢に入ったとみて、しばらくは動向をチェックしながら追いかけていきたい。3年ぶりとなる日本選手権出場も要注目だ。

※2月27日現在直近4カ月集計データ
勝率 30.3%
連対率 39.3%
3連対率 54.5%
バック本数 16本
平均競走得点 102.42
出走予定
大宮FI 3月9日~11日
日本選手権GI 3月18日~23日
玉野FI 4月2日~4日
武雄GIII 4月17日~20日
ライン決着も多く信頼度抜群!
飯山泰行(茨城・98期・A1)
 仕掛けるところでしっかりと仕掛けられており、近況の安定度は抜群だ。昨年末の小倉(ミッドナイト)では、捲りの3連発で完全優勝を達成、決勝ではライン上位独占を演出した。今年に入っても、1月岸和田FIIが1着1着2着、取手FIが2着1着2着、2月宇都宮FIIは初日が大雪の影響で未実施になり、準決勝と決勝は捲りで連勝して優勝を遂げた。ここ4場所では連対を外しておらず、直近4カ月の成績を見ても、勝率55%、連対率は70%にまで上昇している。決まり手は捲りが多いが、ラインをしっかりと連れ込んでくるので、ラインでの上位独占も多く、岸和田の準決勝ではマーク國廣哲治との連係が決まり、2車単は驚異の150円だった。昨年7月からA級生活が続いているが、今の勢いを持続させて、S級に再度挑みたい。

※2月27日現在直近4カ月集計データ
勝率 55.0%
連対率 70.0%
3連対率 75.0%
バック本数 11本
平均競走得点 96.35
出走予定
静岡FI 3月2日~4日
一宮FII 3月14日~16日
西武園FII 3月24日~26日
取手FII 4月9日~11日
函館FI 4月19日~21日
今年に入り安定度増し、約2年ぶりVも達成
橋本智昭(宮城・99期・A3)
 今年に入り成績は急上昇、特別昇班も十分狙える機動力を発揮しており、その走りに注目が集まる。昨年末は、決勝に乗れたり乗れなかったりと波があったが、今年は4場所を消化して、予選と準決勝はオール1着。決勝も全て確定板に載っており、走りに安定感が生まれている。2月の取手FIIでは、出し惜しみなく主導権を握ると、落車事故もあったが、逃げ切って優勝を果たした。12年4月の千葉以来となる2度目の優勝だった。近況も積極的なレースを貫いており、直近4カ月のバック本数は20本。昨年1月にはA級2班に昇格するものの失格を喫してしまっただけに、名誉挽回の走りには期待したいところ。在校時は1勝のみで在校順位は79位だったが、エンジン再点火で巻き返しなるか。

※2月27日現在直近4カ月集計データ
勝率 48.1%
連対率 59.2%
3連対率 77.7%
バック本数 20本
平均競走得点 74.85
出走予定
平塚FII 3月11日~13日
いわき平FII 3月24日~26日
前橋FII 4月12日~14日
川崎FII 4月20日~22日