解説&分析

直近8場所で15勝と1着量産!
原田研太朗(徳島・98期・S1)
 身長164㎝と選手としては小柄だが、その内に秘めたハイパワーは見る者を熱くさせる。今年3月の日本選手権では9着8着3着と悔しい結果に終わったが、そこから一気呵成の活躍を見せている。3月立川FIは準決勝敗退も2勝を挙げ、続く小田原FIでは連勝で決勝進出(8着)、そして4月の共同通信社杯では一次予選で8着に終わり勝ち上がりを逸するものの、そこから敗者戦で3連勝をマーク。一度ついた勢いは留まることを知らず、5月の岐阜FIでは予選から逃げ切り3連発で完全優勝。準決勝、決勝では同県の先輩・小倉竜二を振り切っているだけに、その価値は大きい。さらに、次場所の高知FIでも3連勝を果たして2場所連続の完全優勝となった。これで共同通信社杯の2日目より9連勝中(5月18日現在)、直近4カ月の勝率も56.6%にまで急上昇している。高知の決勝こそ叶わなかったが、ライン決着が多いのも魅力的で、岐阜の初日や高知の準決勝なども圧倒的一番人気にしっかりと応えている。

※5月18日現在直近4カ月集計データ
勝率 56.6%
連対率 60.0%
3連対率 66.6%
バック本数 18本
平均競走得点 107.70
出走予定
松戸FI 5月26日~28日
川崎GIII 6月5日~8日
松山FI 6月18日~20日
地道なトレーニングが実を結び、底力アップ
小松崎大地(福島・99期・S1)
 今年は3月の千葉FIで完全優勝したことを皮切りに、続く岐阜FIでも、その強さを発揮。パワー満点の先行・まくりで2場所連続の完全優勝を達成した。さらに5月・地元いわき平FIでも、初日特選こそ8着に終わるが、準決勝、決勝はともに逃げ切りで今年3度目の優勝を果たした。グレード戦線での活躍も顕著で、4月武雄GIIIでは、初日特選で逃げ切り勝ち、準決勝でも主導権を握って3着に粘り、連係した伏見俊昭(1着)とともに決勝進出を決めた。ただの勢いだけではなく、地道なトレーニングにしっかりと「結果」が伴ってきたのであろう。共同通信社杯や全プロ記念競輪では不発に終わってしまったが、ここまで魅せてきた出し惜しみしない走りは、今後ますますの成長を感じさせる。初出場となる6月の高松宮記念杯では、どこまで勝ち上がってくるか。ビッグレース初勝利とともに期待される。

※5月18日現在直近4カ月集計データ
勝率 31.2%
連対率 43.7%
3連対率 46.8%
バック本数 17本
平均競走得点 108.65
出走予定
川崎GIII 5月29日~6月1日
高松宮記念杯 6月12日~15日
函館FI 6月23日~25日
ギアアップも功奏し約15カ月ぶりの優勝
松川高大(熊本・94期・S1)
 近況は好ムードが続き、一時期のスランプからようやくの反撃態勢だ。今年3月の日本選手権までは22戦して1勝のみに終わっていたが、西武園GIIIの2日目にギア倍数を4.25にアップさせると、これがうまく噛み合ったか、リズムもガラリ一変。高知GIIIでは決勝進出こそならなかったが2勝を挙げ、豊橋FIでは決勝2着と好調キープ、そして向日町FIでは決勝で5番手確保からまくって優勝。優勝自体、昨年1月の高知FI以来遠ざかっていたこともあり、ゴール後はガッツポーズも見せていた。続く千葉FIでも初日特選、準決勝を連勝すると、決勝は8番手から豪快なまくりで飲み込んで加倉正義とワンツーを決めた。この豪快さが戻ってきたことは、九州地区の選手にとって頼もしいことであろう。今後はもちろんグレード戦線やビッグレースでの最前線で活躍してくれることだろう。

※5月18日現在直近4カ月集計データ
勝率 25.8%
連対率 38.7%
3連対率 48.3%
バック本数 8本
平均競走得点 107.09
出走予定
松山FI 5月29日~31日
川崎GIII 6月5日~8日
武雄FI 6月16日~18日
3連対率75%オーバーの安定感ある差し脚
平沼由充(福島・83期・S2)
 安定した差し脚で車券貢献度はうなぎ上りだ。直近4カ月の成績を見ても分かる通り、3連対率は75%を超えており、FI戦ではしっかりと決勝進出を果たしている。5月の名古屋FIの初日予選では目標とする房州輝也がまくり不発で外に浮く厳しい展開も、瞬時に内に切り込むと直線で狭いコースを突っ込み2着に入るなど動きの良さは特筆もの。また決勝戦での好走も注目したいところで、2月のいわき平FIからFI決勝を7回走って、2着2回、3着4回と確定板にしっかりと載っている。好目標を得たときに、しっかりとその流れに乗れていることも大きく、不発の展開でも打開できる鋭脚を備えているので、安定感は増す一方だ。ラインを第一に考えて、ラインでの上位独占が多く、配当的には控えめだが、グレード戦線で人気の盲点になるようなら、一発の魅力は十分。来期はS1に復帰するし、好走を続けているだけにそろそろ久しぶりのS級優勝の期待も高まる。

※5月18日現在直近4カ月集計データ
勝率 13.7%
連対率 51.7%
3連対率 75.8%
バック本数 0本
平均競走得点 108.51
出走予定
弥彦FI 5月26日~28日
武雄FI 6月16日~18日
取手GIII 6月26日~29日
特別昇級には失敗も、S級に向けて◎に応える
伊藤裕貴(三重・100期・A1)
 実に悔しい一戦だったのは、5月18日の福井FII決勝戦。4月の高知FIIを完全優勝、続く5月大垣FIIでも完全優勝を達成し、この福井でも初日特選、準決勝と逃げ切りで特別昇級にリーチをかけた。奇しくもこの日、同じ近畿地区の岸和田でも高市訓但が特別昇級にリーチをかけており、両者のレースに注目が集まっていた。福井は永橋武司が先行し、6番手から伊藤はまくりを打って前を追うが、先まくりを放った元砂勇雪が優勝。伊藤は3着で特別昇級を逃した。一方の高市は優勝を遂げて特昇を決めただけに、明暗が分かれる結果となってしまった。伊藤の奈良FII2日目からスタートした連勝は10で途切れてしまったが、ここまでの安定したパワフルなレース運びは将来性も十分。来期は定期でのS級昇格が決まっており、残りのA級戦は今まで以上に◎は重くなりそうだが、そこに向かっても仕切り直しでさらにパワーアップを期待したい。

※5月18日現在直近4カ月集計データ
勝率 55.1%
連対率 65.5%
3連対率 75.8%
バック本数 17本
平均競走得点 96.48
出走予定
岐阜FII 6月2日~4日
久留米FI 6月9日~11日
富山FI 6月18日~20日
今期はチャレンジ生活も、圧倒的な存在感
落合達彦(静岡・96期・A3)
 昨年7月にA級1班に昇格したが、前々期のチャレンジで失格を喫したことで、今期から再度チャレンジに逆戻り。だが、格上の存在であることに疑いの余地は無く、実際に1月から30走をして、優勝4回、1着22回、2着5回、3着2回と圧倒的な数字を残している。4月取手の準決勝だけ4着に敗れたが、それ以外は全て車券に貢献しており、展開にすぐさま対応する俊敏な動きからのまくり・差しに決定力があるので、この鉄板レーサーを狙わない手はないだろう。来期はA級2班への昇格が決まっているだけでなく、6月8日には花月園メモリアルin川崎の最終日に行われるレインボーカップチャレンジファイナル(3着以内に入ればA級2班に特別昇班)に出場する。今後の動向はチェックしていきたい。(※特別昇班した場合は、以降のあっせんが変更になります。ご注意ください)

※5月18日現在直近4カ月集計データ
勝率 77.7%
連対率 94.4%
3連対率 94.4%
バック本数 2本
平均競走得点 77.66
出走予定
川崎RF 6月8日
京王閣FII 6月17日~19日
防府FII 6月26日~28日