鋭い差し脚で後半戦はリズムも好転
大塚健一郎(大分・82期・S1)
4月の高知GIIIは決勝で失格、次走の共同通信社杯では一次予選で落車棄権とリズムに乗りきれない前半戦だったが、負傷欠場明けとなった6月高松宮記念杯から一挙に流れも引き戻した。初日の白虎賞3着で2日目は龍虎賞へ(8着)、そして準決勝では浅井康太と連係して、まくりにぴったりマーク。ゴール前でしっかりと交わして1着入線を果たし、昨年の競輪祭以来となる9回目のGI決勝へ進んだ。決勝では菊地圭尚マークから直線伸びるも2着。惜しくも初タイトル奪取はならなかったが、連日の動きは際立っていた。次走の久留米GIIIでも初日こそ5着に終わるが、2日目からは1着1着2着、7月の別府FIは1着2着2着と連対が続いた。もちろん優勝に手が届かなかったことに悔しさはあるだろうが、連対率は63.1%、3連対率は78.9%にまで上昇しており、車券貢献度としては抜群の数字と言っていいだろう。時期尚早かもしれないが、賞金ランキングは9位。今後の走り次第では、十分にグランプリ圏内だけに、注目度もうなぎのぼりだろう。
※7月14日現在直近4カ月集計データ
勝率 |
26.3% |
連対率 |
63.1% |
3連対率 |
78.9% |
バック本数 |
1本 |
平均競走得点 |
116.05 |
出走予定
寬仁親王牌 |
7月18日~21日 |
川崎FI |
8月1日~3日 |
サマーナイトフェスティバル |
8月8日~9日 |
富山GIII |
8月28日~31日 |
小松島記念を制して、存在感を見せる
志智俊夫(岐阜・70期・S1)
7月の小松島GIIIでは好展開をしっかりとものにして強さを発揮した。初日特選は5着に敗れたが、二次予選は角令央奈と連係して1着、準決勝では中村一将のまくりを捕えて連勝。決勝でも再度中村と連係、好機に仕掛けた中村を追走して差し脚を伸ばすと、昨年1月の京王閣以来となる記念優勝(通算4度目)を成し遂げた。トレーニングなどアドバイスを受けていた山田裕仁が3月の日本選手権をラストランとして引退。山口幸二に続き岐阜の重鎮的存在の引退で、「頑張らなくてはいけない」と志智の心に火をつけたものの、噛み合わない日々が続いていた。それだけにこの優勝は、自信を深めるとともに、大きな価値ある一勝になることだろう。深谷知広、金子貴志、浅井康太というSSトリオが牽引する今の中部勢。地区的盛り上がりには、追い込み勢の奮起も必要不可欠だし、何よりも志智自身のチャンスも大きくなる。この勢いで06年以来となるビッグレース決勝の期待も高まる。
※7月14日現在直近4カ月集計データ
勝率 |
17.6% |
連対率 |
23.5% |
3連対率 |
47.0% |
バック本数 |
0本 |
平均競走得点 |
111.88 |
出走予定
寬仁親王牌 |
7月18日~21日 |
ワールドステージ向日町 |
8月3日 |
サマーナイトフェスティバル |
8月8日~9日 |
立川FI |
8月18日~20日 |
高知FI |
8月25日~27日 |
ワンランク上の舞台へ活躍の場を広げる
郡司浩平(神奈川・99期・S1)
最近の南関地区は活きのいい若手機動型の成長が著しいが、郡司浩平もその一人。昨年11月の向日町でS級初優勝、年末にはヤンググランプリに出場も果たした。今年はグレードレースでの活躍に焦点を定めると、5月の地元・川崎記念では連日のハッスルプレーを見せた。一次予選はまくり2着、二次予選は先行2着で勝ち上がると、準決勝でも積極的に主導権を握って3着に粘りこみ記念初の決勝に駒を進めた(決勝も先行して5着)。勢いそのままに、次場所の松戸FI決勝では池田勇人や吉田敏洋といった自力型を相手にホームから仕掛けると、古性優作との主導権争いも制して2度目のS級優勝を果たした。7月13日現在、通算99勝と節目勝利にもリーチをかけている。昨年に続く2度目のGI出場となる寬仁親王牌への参戦で、さらに経験値もアップするだろうし、南関地区期待の自力型としての期待もその背中に乗せ、出し惜しみしないレースでまだまだ成長していきそうだ。
※7月14日現在直近4カ月集計データ
勝率 |
10.0% |
連対率 |
40.0% |
3連対率 |
50.0% |
バック本数 |
14本 |
平均競走得点 |
106.70 |
出走予定
寬仁親王牌 |
7月18日~21日 |
松阪FI |
7月28日~30日 |
岸和田FI |
8月10日~12日 |
高知FI |
8月25日~27日 |
6月の奈良で3連勝のS級初優勝!
椎木尾拓哉(和歌山・93期・S2)
近況はFIでも決勝常連に成長して、安定度が増してきている。6月の奈良FIでは、初日予選を9秒4のまくりで快勝。準決勝では同県の藤田勝也をマークするも、その藤田がまくりにいったところを牽制され厳しい展開になるが、椎木尾は自力に転じると、好スピードで前団を掴まえて連勝。決勝ではマークした中井太祐が積極的に先行策に出るも、最終ホームで山田久徳が中井を叩いて主導権を奪う。抜け出した山田を、椎木尾は懸命に追いかけ、ゴール前で捕えてS級初優勝のゴールを決めた。ゴール後にはガッツポーズも飛び出して喜びを表現していた。5月の松阪GIIIでは予選を連勝して準決勝に進むなど、自在型として着実にステップアップしている。奈良のようなタテ攻撃も冴えており、今後は上位戦線でも一発が見逃せない存在になっていくことだろう。東口善朋が高松宮記念杯でGI初の決勝に進出して、ますます勢いが出てきそうな和歌山勢。椎木尾も、その流れに加わっていきたい。
※7月14日現在直近4カ月集計データ
勝率 |
32.1% |
連対率 |
35.7% |
3連対率 |
57.1% |
バック本数 |
4本 |
平均競走得点 |
106.80 |
出走予定
寬仁親王牌 |
7月18日~21日 |
向日町GIII |
7月31日~8月3日 |
岸和田FI |
8月10日~12日 |
伊東FI |
8月25日~27日 |
破壊力ある走りを武器に勝率68%!
日野博幸(愛媛・103期・A2)
13年7月に防府でデビュー。昨年12月のレインボーカップチャレンジファイナル(伊東)で3着に入りA級2班に特別昇班を果たした。その1・2班戦でも、スピード抜群の先行まくりで、ここまで好成績をキープ。直近4カ月の勝率は68.4%、連対率は78.9%、3連対率は84.2%と圧倒的な数値を残しているだけに、車券的推理にも外せない存在だ。近況も6月の熊本FIIで、まくり3連発の完全優勝を果たしているし、続く高松FIIでは連勝で勝ち上がった決勝は先行策で2着。満を持して挑んだ6月のレインボーカップA級ファイナル(久留米)は6着に敗れてS級特別昇級は叶わなかったが、次走の和歌山FIIでは気持ちもしっかりと切り替えて、3日間バックを取っての完全優勝と強さを見せた。現在A級2班につき、争覇級でありながら初日は予選回りなので、圧倒的人気に推されつつも、しっかりとその人気に応えて連勝を重ねている。初のS級入りも時間の問題だろうし、その走りにますます磨きをかけて、さらなる上昇を図っていく。
※7月14日現在直近4カ月集計データ
勝率 |
68.4% |
連対率 |
78.9% |
3連対率 |
84.2% |
バック本数 |
12本 |
平均競走得点 |
95.94 |
出走予定
別府FII |
7月24日~26日 |
玉野FI |
8月7日~9日 |
福井FI |
8月25日~27日 |
デビュー戦を圧勝!特別昇班まで一気か?
伊早坂駿一(茨城・105期・A3)
105期の卒業記念レースチャンピオンに輝いた伊早坂駿一が、デビュー戦の7月京王閣FIIで完全優勝と好スタートを切った。初日予選は先行で2着に大差をつけ、準決勝ではまくりで2着に7車身差をつける連日の圧勝劇。決勝では冷静な立ち回りで、前団の争いをひとまくりすると、連係した佐藤謙の差しを許さずに押し切った。在校時から先行で、しっかりと力を蓄えてきた。先行だけにあらず、卒業記念決勝や今回の決勝で見せたように、状況を見極めた上での仕掛けも可能で、秘めたるポテンシャルはかなりのもの。現在19歳で、伸びシロも無限大だ。デビュー3連勝を決めたので、まずは9連勝の特別昇班が期待されるところ。次場所は7月25日初日の西武園に注目が集まるし、順調に勝ち星を伸ばすことができれば、8月の地元・取手FIIが特別昇班場所となる。
※1場所のみのデータ
勝率 |
100% |
連対率 |
100% |
3連対率 |
100% |
バック本数 |
1本 |
平均競走得点 |
78.66 |
出走予定
西武園FII |
7月25日~27日 |
取手FII |
8月11日~13日 |
松戸FII |
8月23日~25日 |