全てが決まる競輪祭へ、GP勝負駆け
新田祐大(福島・90期・SS)
11月9日現在で、獲得賞金ランキングは7位。今年のGI優勝者を除くと、賞金順では5位浅井康太、6位岩津裕介に続く3番目。優勝者がかぶることが無い限り、今年のグランプリ賞金枠は3つなので、まさにボーダーライン上の戦いと言えるだろう。今年の新田は2月の全日本選抜で決勝失格も、4月の共同通信社杯で4日制以上のビッグレース初優勝を果たした。その後、自粛欠場期間があったものの、戦列復帰後は9月のオールスターで決勝に駒を進めて4着、GI(4日制以上)初優勝には届かなかったが、賞金は大きく上積み。そして青森GIIIでは武田豊樹の3番手を取りきると、直線一気に突き抜けて優勝を決めた。これで2年連続のグランプリ出場も大きく近づいたと思われたが、10月の熊本GIIIでアクシデント。二次予選からの連勝で決勝まで進んだものの、落車を喫してしまい棄権。グランプリ最後のイスをめぐる争いは熾烈を極めるが、次走の防府GIIIも欠場しており、まずは状態面が心配されるところ。すべてが決まる競輪祭は連日大注目を集めるレースとなろう。また現在通算199勝、節目勝利にも同時に注目だ。
※11月9日現在直近4カ月集計データ
勝率 |
45.4% |
連対率 |
59.0% |
3連対率 |
72.7% |
バック本数 |
8本 |
平均競走得点 |
117.04 |
出走予定
小倉競輪祭 |
11月21日~24日 |
佐世保GIII |
12月20日~23日 |
初のグランプリ出場へ、あと一歩
岩津裕介(岡山・87期・S1)
新田は熊本GIIIで落車して次戦の防府GIIIを欠場。その防府で、見事な優勝を決めて、賞金ランキングで新田を抜いて6位に上がったのが岩津裕介だ。今年の充実度は目を見張るものがあり、ついに開眼したといっても過言ではないだろう。前半戦の勢いそのままに、後半戦に入っても安定感をキープ。9月のオールスターでは初めてドリームレースに選出された。決勝3着と初タイトルはならなかったが、これで今年は4月の共同通信社杯、6月の高松宮記念杯に続いてビッグレース決勝での3着となった。10月の川崎FIは強豪ひしめく中で優勝を果たし、そして防府GIII決勝でギア倍数をマックスまであげて勝負に出ると、中川誠一郎マークから内に切り込んで直線抜け出し今年4度目の優勝を決めた。昨年も競輪祭の決勝に駒を進めて逆転のグランプリ出場へ最後の最後まで争ったが、今年はグランプリ出場圏内におり昨年以上に優位な位置で挑む。初のグランプリ出場へ、大一番を迎える。
※11月9日現在直近4カ月集計データ
勝率 |
18.7% |
連対率 |
37.5% |
3連対率 |
50.0% |
バック本数 |
1本 |
平均競走得点 |
113.37 |
出走予定
小倉競輪祭 |
11月21日~24日 |
岐阜FI |
12月10日~12日 |
西武園FI |
12月21日~23日 |
直近4場所で3度の優勝と流れに乗る
小埜正義(千葉・88期・S1)
9月の岸和田FIは準決勝敗退、続くオールスターは7着8着9着と大叩きをしてしまったが、弥彦FI決勝では先手を奪った小原太樹の番手からまくりで抜け出して、南関勢上独占に成功。しかし、10月の川崎FI初日特選で落車を喫して欠場。なかなか歯車がかみ合わなかったが、10月玉野FIは初日こそ9着も、準決勝は上野真吾、決勝では矢口大樹と連係して連勝で優勝を決めた。これでさらに勢いは付いたか、11月の岐阜FIでは初日、準決勝を3着で勝ち進むと、決勝は逃げ切って優勝を決めた。成績的には上げ下げが激しい近況だったが、南関地区の後輩の頑張り、そして自力も含めてここ4場所で3度の優勝なのだから、好調の流れが来ていると判断してもよさそうだ。12月には昨年決勝にも進んでいる松戸GIIIも控えているし、自力はもちろんのこと、若手自力型がどんどん育ってきている好ムードの南関地区の中にあって、訪れる大きなチャンスを一つずつクリアしていきたい。
※11月9日現在直近4カ月集計データ
勝率 |
30.7% |
連対率 |
38.4% |
3連対率 |
50.0% |
バック本数 |
6本 |
平均競走得点 |
107.00 |
出走予定
広島FI |
11月18日~20日 |
松戸GIII |
12月6日~9日 |
西武園FI |
12月21日~23日 |
松山FI |
12月28日~30日 |
年末のヤンググランプリも見逃せない
吉澤純平(茨城・101期・S2)
101期のルーキーチャンプにも輝いた吉澤は、今年からS級に初昇級して奮闘中だ。昇格前の11月に落車で負傷して長期欠場を余儀なくされたりと順風満帆とは言えないまでも、4月には名古屋でS級初優勝、11月の京王閣では100勝達成するなど一段ずつ階段を上っている。まだ名古屋に続く優勝には届いていないもののコンスタントに決勝進出しており、まだデビュー2年少しの新鋭だけにまだまだ伸びシロも多く、今後の成長度が楽しみな逸材だ。現在2班に在籍しているので、オーソドックスだが初日予選の高安定度が見逃せない。直近8場所の初日予選(記念2場所含む)は、4勝2着2回、3着2回とすべて車券に絡んでいる。強力な同型と同乗したときでも、しっかりと連絡みを果たしており、さらにラインでの上位独占も多いのも好材料だ。年末にはヤンググランプリへの出場も決まっており、こちらも楽しみな一戦となろう。
※11月9日現在直近4カ月集計データ
勝率 |
34.7% |
連対率 |
52.1% |
3連対率 |
65.2% |
バック本数 |
13本 |
平均競走得点 |
106.30 |
出走予定
西武園FI |
11月26日~28日 |
平塚FI |
12月3日~5日 |
広島GIII |
12月13日~16日 |
ヤンググランプリ |
12月29日 |
S級復帰を決め、モチベーションも上昇
佐川翔吾(大阪・94期・A1)
今年の優勝回数はここまで6回をマーク。近況は8月の高松FIIで完全優勝、続く防府FIは3日間先行勝負で1着1着2着、10月の福井FIでは先行逃げ切りで優勝、前橋ミッドナイトでも逃げ切りで優勝を果たした。勝率は55%、連対率は77%にまで達しており、いかに安定の上昇カーブを描いているか分かるだろう。成績面だけでなく、レース内容でも持ち前のスピード豊かな先行に力強さも加わってきた印象で、さらなる上昇も見込める。13年7月にA級陥落してしまったが、競輪学校在校時から強気の先行勝負は注目を集めており、12年2月には静岡でS級初優勝も達成している実力者。12月・佐世保記念の最終日に行われるレインボーカップA級ファイナルにもエントリーされており、特昇の可能性もあるが、来期は久々のS級復帰が決まっており、モチベーションもますます上がっていくことだろう。まずは残りのA級戦での大暴れに注目だろう。
※11月9日現在直近4カ月集計データ
勝率 |
55.5% |
連対率 |
77.7% |
3連対率 |
81.4% |
バック本数 |
20本 |
平均競走得点 |
96.33 |
出走予定
小松島FII |
11月17日~19日 |
別府FI |
12月3日~5日 |
岐阜FI |
12月10日~12日 |
佐世保レインボーC |
12月23日 |
特班2度失敗も、レインボーで決めるか
須永優太(福島・94期・A3)
今年の前期はA級1班に在籍していたものの、今期からはチャレンジへ降班。もちろんA級1班まで昇格しただけあって、実力は上位で直近4カ月の3連対率は90%オーバー、優勝回数も6回を数える。7月千葉、続く大宮で2場所連続完全優勝をとげて、特別昇班場所の立川でも連勝で決勝に勝ち進むが、決勝では105期の中島将尊の先行に、まくり及ばず2着。だが、チャンスはもう一度訪れる。10月静岡は予選、準決勝と先行逃げ切りで連勝すると、決勝は田原宥明マークから優勝。続く小田原でも連勝で決勝進出すると竹山慶太の番手からまくり抜け出して6連勝。勝負所の岐阜でも連勝で勝ち上がり、決勝は105期の堀兼壽と特別昇班をかけた一戦となったが、優勝は大まくりを決めた堀で、須永は2着で特班を逃してしまった。来期は再度A級1班に昇格するが、12月の広島記念で行われるレインボーカップチャレンジファイナルで今度こその特班を決めたい。椎間板ヘルニアで約半年の欠場を余儀なくされるなど、ここまで紆余曲折の選手生活だが、もう一度エンジン再点火だ。
※11月9日現在直近4カ月集計データ
勝率 |
61.9% |
連対率 |
90.4% |
3連対率 |
90.4% |
バック本数 |
11本 |
平均競走得点 |
77.42 |
出走予定
いわき平FII |
12月4日~6日 |
広島レインボーC |
12月16日 |
小倉FII |
12月26日~28日 |