解説&分析

立川GIIIを制して2015年も好スタート
村上義弘(京都・73期・SS)
 全身全霊をかける意気込みで挑んだ昨年末の岸和田グランプリは3着。優勝には届かなかったが持ち前のアグレッシブな走りで全国のファンを魅了した。今年の初戦はグランプリから中3日で前検入りの立川GIIIだったが、さすがのレースぶりで大歓声の期待に応えた。初日は脇本雄太との連係で道中の競りを凌いで2着、2日目は脇本の番手からまくりで1着、準決勝は7番手からまくりを打ち、ゴール前で後閑信一の強襲に遭うも2着に粘り決勝を決めた。決勝ではシリーズ3度目となる脇本との連係で、脇本の先行を浅井康太がまくり切ると、その番手に飛びついてゴール前で浅井を差し切り優勝を果たした。岸和田GPが終わって「ちょっと燃え尽きたところもあった」と優勝インタビューでも吐露していたが、それでも主役の座は誰にも譲らない熱い走りを見せた。直近4カ月の3連対率は75%とハイアベレージでファンの期待に応え続けている村上。好スタートを切った2015年も一戦必勝の構えで、輪界のトップの一人として君臨し続ける。

※1月18日現在直近4カ月集計データ
勝率 45.8%
連対率 70.8%
3連対率 75.0%
バック本数 2本
平均競走得点 117.87
出走予定
奈良GIII 1月31日~2月3日
全日本選抜GI 2月12日~15日
大垣FI 2月25日~27日
大宮GIIIで4カ月ぶり値千金の決勝進出
鈴木裕(千葉・92期・S1)
 前期はFI戦でも苦戦を強いられており、予選は突破しても準決勝で大敗を喫したりと決勝が遠ざかっていたが、今年の初戦・大宮GIIIから一変した。一次予選は豪快なまくりで1着ゲットし土屋裕二とワンツーを決めると、二次予選では深谷知広には屈したものの、まくりで2着、3着にマークの中村浩士が入線。準決勝でも深谷のパワー先行には敗れたが3着に入り、決勝進出を決めた。意外なことに決勝自体が昨年9月の伊東FI以来だった。決勝では南関ラインの先頭で果敢に先行するも平原康多のまくりに捕えられたが、シリーズを通して動きの良さも見違えるほどだった。仕上がり面などで変化はないとのことで、一変の要因はやはり「ギア規制」によるところが大きいようだ。12年に日本選手権や共同通信社杯で決勝進出を果たして大ブレイクした鈴木。再び上位戦線へ返り咲く「キック鈴木」の今後が楽しみだ。

※1月18日現在直近4カ月集計データ
勝率 30.4%
連対率 34.7%
3連対率 39.1%
バック本数 9本
平均競走得点 102.21
出走予定
広島FI 1月28日~30日
小倉FI 2月13日~15日
松山FI 2月21日~23日
再びグレードレース戦線を賑わせるか
鈴木謙太郎(茨城・90期・S2)
 自粛欠場明けから11月の富山FIに実戦復帰(松阪は初日当日欠場だったため)すると、予選、準決勝を先行2着で勝ち上がると、決勝で7番手から大外をまくって、いきなりの優勝を遂げた。今期は08年後期以来のS級2班格付けとなるが、初戦の和歌山GIIIでも力強い走りを見せた。一次予選は逃げ切り1着で人気に応えると、二次予選では武田豊樹との連係を決めてワンツー(武田が差し切り1着)、準決勝でも先行で2着に逃げ粘り13年1月の静岡以来となるGIII決勝に駒を進めた(13年2月に全日本選抜GIの優出はある)。決勝でも武田豊樹と連係して早めに前団を捕えるまくりを打つと、武田も後続をシャットアウト。武田が優勝、鈴木が2着に粘り再度ワンツーを決めた。復帰後はここまで17走して1着3回、2着8回、3着1回と車券&ライン貢献度は急上昇中。関東地区の機動型として、グレード戦線を再び盛り上げる。

※1月18日現在直近4カ月集計データ
勝率 17.6%
連対率 64.7%
3連対率 70.5%
バック本数 9本
平均競走得点 108.70
出走予定
奈良GIII 1月31日~2月3日
豊橋FI 2月9日~11日
松山FI 2月21日~23日
予選は12月の玉野から5連勝中と手堅い
坂本健太郎(福岡・86期・S2)
 急速に成績アップしている坂本に注目だろう。今年初戦の立川GIIIではまくりで予選を1着2着で突破、準決勝でも3着に入り決勝まで駒を進めた(決勝は6着)。次場所の大宮GIIIでも予選をまくりで連勝。準決勝で勝ち上がりは逸したが、最終日も3着と車券に貢献した。今期も2班なので予選スタートが続いているが、12月の玉野FIから初日の予選は大宮GIIIまで5連勝中と安定した強さを見せる。調子の良さに加えて、1月から始まったギアの規制も追い風になっていることは間違いない。レースの組み立ての巧さには定評があるので、直近4カ月の3連対率は51.8%をマークしているが、今後はさらにアップしていくことだろう。大宮の二次予選は坂本1着のライン決着ながら2車単は1480円をつけており、これからもさらなる上位戦で好配当を演出することも多そうで、穴党ファンも見逃せない存在になりそう。

※1月18日現在直近4カ月集計データ
勝率 18.5%
連対率 33.3%
3連対率 51.8%
バック本数 4本
平均競走得点 103.62
出走予定
松阪FI 1月28日~30日
取手FI 2月5日~7日
向日町FI 2月18日~20日
久しぶりのA級戦、圧倒的本命印を背負うシーズン
佐野梅一(京都・78期・A1)
 失格もあり今期から久しぶりのA級降格となってしまったが、S級でも長らく活躍している実力者だけに、力は圧倒的格上だ。初戦となった1月向日町FIIはそれを証明する開催となった。初日特選、準決勝と抜群のダッシュ力を武器にまくりで連勝を決めると、決勝では金子浩貴の番手からまくりで抜け出して地元戦で完全優勝を果たした。次戦の武雄FIIも連勝こそ途切れたものの2着1着2着の準Vと、2場所を終えた段階だがオール連対で突き進んでいる。6走中でバックも3本取っており、早めの仕掛けでもしっかりと連絡みを果たしており、実力者らしい抜群の安定度だ。今期は本命印を背負い続けることになりそうで、武雄の準決勝でもマークの中澤孝之とワンツーを決め、2車単は240円だった。だがダッシュ強力なため、マーク選手が離れてしまうと意外な別線決着での好配当もありそうで、見極めは慎重にいきたい。

※1月18日現在直近4カ月集計データ
勝率 33.3%
連対率 50.0%
3連対率 54.1%
バック本数 5本
平均競走得点 99.29
出走予定
小倉FI 1月23日~25日
広島FII 2月3日~5日
松山FI 2月21日~23日
12月の初優勝から勢いは加速中
水谷将司(愛知・105期・A3)
 昨年7月にデビュー。ここまで勝ち上がりの安定感はあったが、決勝では惜敗が続いていた。それが払拭されたのが12月の高松。予選、準決勝をまくりで連勝すると、決勝では中団確保から最終2コーナーまくりで抜け出し、近藤悠人の追撃を凌いで押し切って優勝を遂げた。これが待ちに待った初優勝だった。次場所の広島は打って変わって逃げ切りで予選、準決勝を連勝。決勝では逆に近藤に破れるも2着入線。さらに1月の高知ミッドナイトでは3連勝で2度目の優勝と勢いは加速している。直近8場所の成績を見ても12月の四日市こそ準決勝で5着に敗れるも、ほかは全て堅実な勝ち上がりを見せており、今後もスピードある先行まくりでグングンと成績アップさせていきそうだ。同期が次々と特別昇班を果たしているので、追いつけ追い越せの精神でまずはチャレンジを突破していきたいところ。

※1月18日現在直近4カ月集計データ
勝率 60.6%
連対率 69.6%
3連対率 72.7%
バック本数 19本
平均競走得点 75.63
出走予定
大垣FII 1月31日~2月2日
別府FII 2月9日~11日