解説&分析

グランプリ初出場に向けて勝負駆け続く
脇本雄太(福井・94期・S1)
初のグランプリ出場へ、まさに一戦一戦が勝負駆けとなっていく。今年のギア規制は脇本にとってかなりの追い風になると見られていたが、前半戦は落車もあり厳しい戦いを強いられた。だが6月の高松宮記念杯で1着1着2着9着と復活。競輪界1番といってもいいパワフルな先行で1年ぶりのなるGI決勝に勝ち上がった。その後も6月京王閣FIで完全V、7月小松島GIIIは決勝8着、そして7月の寬仁親王牌では1着2着1着で連続のGI決勝進出を果たした。決勝では臆することなく自分のレースで先行策に出るも関東勢にラインは分断されて5着。さらに地元・福井GIIIでは初日特選で9着に敗れる厳しいスタートを切るも、二次予選からまくり3連発で見事に地元記念を連覇した。他ラインが脅威を感じるほど脇本の先行、それだけに初タイトル奪取の可能性も十分だが、近況の活躍で賞金ランキングは15位に浮上、上位とは差があるが初のグランプリ出場も狙える位置にいる。オールスターもファン投票11位で勝ち上がりにアドバンテージがある。脇本の動向から今後も目が離せない。

※8月15日現在直近4カ月集計データ
勝率 48.0%
連対率 64.0%
3連対率 64.0%
バック本数 11本
平均競走得点 115.04
出走予定
サマーナイトF 8月21日~23日
オールスター 9月19日~23日
西武園FI 9月28日~30日
取手、豊橋で記念決勝に進出!
城幸弘(山梨・96期・S1)
近況の充実度は抜群だ。6月取手GIIIは未勝利ながら4着2着3着7着で記念初の決勝に進出した。単騎戦で7着に終わったが、着実に戦うステージをあげてきている。その後も富山FIこそ準決勝で敗れて勝ち上がりを逸したが、6月四日市FIが5着1着8着、7月向日町FIが6着1着8着、7月弥彦FIでは1着1着2着と決勝の常連に成長している。さらに勢いを感じさせたのは8月の豊橋GIIIだ。初日特選は深谷知広を相手に中団外並走から松坂洋平の先行をまくって諸橋愛(1着)とワンツー。優秀は大量落車もあったが、逃げ切りで1着。準決勝では佐川翔吾の先行をまくって1着、2着牛山貴広とのワンツーは2車単一番人気だった。2度目の記念決勝は深谷の先行で主導権奪取はならなかったが、城マークの諸橋が優勝を果たした。その積極性から関東マーク陣の信頼もどんどん増していくだろうし、好循環が生まれていきそう。不思議なのは好成績を残していながら、8月15日現在でS級での優勝歴はない。今の調子的にもそろそろ決めてくれるだろう。

※8月15日現在直近4カ月集計データ
勝率 36.6%
連対率 56.6%
3連対率 63.3%
バック本数 12本
平均競走得点 108.33
出走予定
熊本FI 8月23日~25日
別府FI 9月14日~16日
高松FI 9月24日~26日
FI連続優勝、記念初優出と充実一途
森川大輔(岐阜・92期・S2)
十八番のまくりを武器に、ブレイク中なのが森川大輔だ。6月松阪FI決勝は坂本貴史や郡司浩平、猪俣康一といった強力な機動型が相手だったが、前団の争いを最終ホーム8番手から豪快にまくってS級初優勝を飾った。続く四日市FI決勝でも勝負強さを見せた。城幸弘が主導権を握っていくと、うまく中団を奪取。岩本俊介のまくりにすぐさま反応して中団からまくりを打つと前団を一飲み。マークの坂上樹大の追撃も凌ぎきって2場所連続優勝を達成した。勢いは止まらない。7月の福井GIIIでは一次予選1着、二次予選2着とまくりで勝ち上がると、準決勝では最終ホーム過ぎに落車のアクシデントがあったとはいえ、後方から一気のまくりで先頭に踊り出て、連係した柴崎俊光(1着)とワンツーを決めた。記念の準決勝も初めてだったが、見事に決勝の切符まで射止めた。決勝は稲垣裕之の牽制もありまくりは不発に終わったが(8着)、連日の動きは俊敏だった。9月には地元の岐阜GIII、そして初出場のオールスターが控えるだけに、大アピールを期待したい。

※8月21日現在直近4カ月集計データ
勝率 34.7%
連対率 65.2%
3連対率 78.2%
バック本数 7本
平均競走得点 107.78
出走予定
前橋FI 8月21日~23日
奈良FI 8月31日~9月2日
岐阜GIII 9月10日~13日
オールスター 9月19日~23日
勝率50%に上昇と1着ラッシュ中!
岩本俊介(千葉・94期・S1)
1着量産態勢に入っている岩本俊介に注目したい。1月のギア規制も好調に拍車をかけている印象で、今年ここまで28勝(昨年11勝)を挙げている。4月の弥彦FIは逃げ切りで久しぶりの優勝を果たしており、7月の佐世保FIでは7番手から鋭くまくり追い込んで今年2度目の優勝を果たしている。今年の前期は予選スタートだったこともあるが、近況を見ても、5月伊東FIは連勝で決勝進出、6月の熊本FIは準決勝敗退もシリーズ2勝、6月四日市FI、7月宇都宮でも初日・2日目を連勝で決勝進出している。もちろん勝率もグングン上昇しており、直近4カ月で50%をマーク。すでにGIIIの優勝歴もあり、ビッグレースの決勝も11年(共同通信社杯)に経験している実力者だけに、後半戦からサマーナイトフェスティバルを皮切りに地元地区で開催されるオールスターとビッグレースが続くので期待は高まる。佐世保の決勝(2車単7210円)のように好配当演出することも多いので、岩本の一発は上位戦でも要警戒だ。

※8月15日現在直近4カ月集計データ
勝率 50.0%
連対率 65.3%
3連対率 69.2%
バック本数 7本
平均競走得点 109.07
出走予定
サマーナイトF 8月21日~23日
青森GIII 9月3日~6日
オールスター 9月19日~23日
安定したレース運びで3連対率92%
畑段嵐士(京都・105期・A1)
105期のルーキーチャンピオンが着実にスキルアップを図っている。5月武雄で落車を喫して、次場所の向日町は準決勝敗退と案外だったが、6月四日市からは8月の高松までオール決勝進出中と上昇一途だ。その四日市では決勝で伊代野貴照を追走して直線伸びて完全優勝、6月高知決勝でも再び伊代野と連係となり、まくった伊代野をゴール前で捕らえて優勝。さらに7月の小倉決勝では、こちらも売り出し中の磯島康祐の先行に対して中団を確保してからのまくり追い込みで優勝、マークの白井一機と一番人気での決着を果たした。この小倉の優勝で今年はルーキーCを含めてすでに6回の優勝を数えるとともに、直近4カ月の3連対率は92%に及ぶ安定ぶりを見せている。3連単を考える上で、欠かせない存在といえるだろう。自力・自在戦が主体ではあるが、近況は小倉で高城信雄をマークするなど番手を回る機会もあり、こちらは目下勉強中だ。初のS級入りも時間の問題だろうし、今後の成長が楽しみな逸材だ。

※8月15日現在直近4カ月集計データ
勝率 68.0%
連対率 80.0%
3連対率 92.0%
バック本数 3本
平均競走得点 96.75
出走予定
奈良FII 8月23日~25日
武雄FII 9月10日~12日
福井FII 9月27日~29日
特別昇班にリーチ!吉田拓矢に続くか
小川真太郎(徳島・107期・A3)
デビュー戦となった7月の佐世保チャレンジ。予選は逃げ切りで初勝利、準決勝はまくりで連勝、決勝は一番人気に推されるも7番手に置かれてしまい、追い込み届かず同期の瀬戸晋作、取鳥雄吾に続いての3着入線と悔しい結果に終わった。だが、ここから本領発揮。7月高松チャレンジ決勝では、前々に踏んだところを平川慎太郎が仕掛けてきて番手に入る形に。冷静に対処してまくりで押し切り、初優勝を完全優勝で飾った。さらに続く8月・地元の小松島では3日間最終バックを取るレース運びを見せ、決勝でも兵庫ラインを粉砕して完全優勝を達成した。107期といえば、抜群のスピードで圧巻のレースを見せた吉田拓矢(茨城)がすでに2班に昇格済み。吉田だけではなく各地で活躍しており、小川もその流れに続きたい。在校時は中西大、山本紳貴に続いての3位で、料理人からの転向という経歴も話題を集めていた。小松島の優勝で3場所連続完全優勝の特別昇班にリーチをかけた。次場所は8月29日からの高知が予定されており、大注目のシリーズとなろう。

※8月15日現在直近4カ月集計データ
勝率 88.8%
連対率 88.8%
3連対率 100%
バック本数 6本
平均競走得点 79.22
出走予定
高知FII 8月29日~31日
広島FII 9月7日~9日
別府FII 9月25日~27日
※特別昇班を決めた場合は、あっせんが変更になります。ご注意ください。