グランプリ連続出場へ、勝負駆けが続く
岩津裕介(岡山・87期・SS)
まさに正念場を迎えている。獲得賞金ランキングは10月12日現在で10位につけており、まだまだグランプリ連続出場を狙える位置にいる。もちろん競輪祭を勝てば、権利はゲットできるが、今年は新田祐大がGIタイトルを2つ獲得したことで賞金での出場枠が増えている現状では、ボーダーライン上の選手は最後の競輪祭を前にして少しでも賞金面で優位に立っておきたいところ。初のS級S班となった今年は1月いわき平GIIIを優勝と好発進したが、その後は高松宮記念杯とサマーナイトフェスティバルで決勝進出を果たすも、惜敗。とくにサマーナイトではビッグ初優勝も狙えた展開だっただけに悔やまれるが(事故入4着)、それでもここまで賞金順で健闘しているのは、研ぎ澄まされたレースへの嗅覚があってこそ。昨年も最後の最後で初のグランプリシートを獲得した岩津、今年もその勝負強さを発揮するか。競輪祭までの記念開催でも連日注目を集めるだろうし、動向から今後も目が離せない。
※10月12日現在直近4カ月集計データ
勝率 |
18.5% |
連対率 |
44.4% |
3連対率 |
55.5% |
バック本数 |
3本 |
平均競走得点 |
115.29 |
出走予定
千葉GIII |
10月17日~20日 |
函館GIII |
10月31日~11月3日 |
競輪祭 |
11月20日~23日 |
抜群のスピードで上位陣に風穴を開ける
早坂秀悟(宮城・90期・S1)
近況の充実は目を見張るものがあろう。7月寬仁親王牌では準決勝まで進出してシリーズ2勝を挙げた。勢いは止まらず、7月の福井GIIIでは4日間すべて主導権を握って1着1着1着3着。決勝は地元Vに燃える脇本雄太のまくりに屈したが、記念初Vも時間の問題だと思わせる快速ぶりだった。8月はあっせんをしない処置で実戦から離れたが、復帰戦となった9月青森GIIIで6着2着2着9着と決勝進出。次場所の松戸オールスターでは二次予選で同型の抵抗の前に8着に敗れて勝ち上がりからは脱落したものの、4走して2着8着2着2着と3連対をマークした。北日本地区プロでは1kmTTを1分2秒968で優勝、10月のケイリンエボリューションではナショナルチームの一員として負けられないプレッシャーの中、しっかりと逃げ切りで結果も残した。ワールドカップなど自転車競技のシーズンインで今まで以上に多忙を極めそうだが、上位陣をおびやかすスピードとチャレンジャー精神を持ち合わせた早坂が台風の目となる可能性も高いだろう。11月には国際自転車トラック競技支援競輪(豊橋・GIII)にもエントリー。メンバーは強豪揃いだが、初のグレードレース制覇も大いに期待したい。
※10月12日現在直近4カ月集計データ
勝率 |
35.2% |
連対率 |
64.7% |
3連対率 |
70.5% |
バック本数 |
12本 |
平均競走得点 |
115.17 |
出走予定
大宮FI |
10月28日~30日 |
豊橋支援GIII |
11月12日~15日 |
競輪祭 |
11月20日~23日 |
岸和田、西武園とFI連続優勝!
片寄雄己(静岡・79期・S1)
好調の波に乗っている感のある片寄雄己に要注目だ。9月岸和田FIでは決勝で佐藤龍二の番手回り。その佐藤が鐘前から主導権を握りにスパート、最終ホーム過ぎには山田久徳が巻き返しを図るが、それに合わせて番手からまくりを打って押し切り、久しぶりの優勝を遂げた。これで大きな流れを引き寄せたか、続く西武園では決勝で近藤隆司の番手を回ると、脇本雄太に対して近藤が主導権を譲らず先行。バック前からまくりを打って見事にFI連続優勝を達成した。西武園までの8場所を見ても、7月の福井GIIIこそ準決勝で敗退したが、FI7場所中で6度の決勝進出。決勝では優勝2回、2着2回、3着1回と常にV争いを演じている。今回の連続優勝は番手回りだったが、岸和田の準決勝は先行して2着に粘りラインで上位独占しているように、持ち前のパワーを活かした豪快な自力戦も魅力十分。10月12日現在で通算勝ち星は290勝と、節目の300勝もあと10勝に迫っている。また意外なことに初のGI参戦となる競輪祭も11月に控えている。38歳とベテラン域に入ったが、楽しみはまだまだこれからだ。
※10月12日現在直近4カ月集計データ
勝率 |
27.2% |
連対率 |
45.4% |
3連対率 |
68.1% |
バック本数 |
12本 |
平均競走得点 |
109.90 |
出走予定
大宮FI |
10月28日~30日 |
競輪祭 |
11月20日~23日 |
京王閣GIII |
11月28日~12月1日 |
予選は鉄板!9月豊橋まで8連勝もマーク
宿口陽一(埼玉・91期・S2)
予選の安定度が抜けている宿口をピックアップしたい。FI戦が中心ながら、9月の豊橋FI初日まで、実に予選は8連勝と圧倒的な数字を残していた。目標がいれば、きっちりと差し切り勝ち、自力戦ではまくり主体にラインでのワンツーを連発しており信頼度は抜群だ。予選の連勝が止まったのは9月の高松FIだった。小川祐司が先行すると、宿口は中団内で西村光太と並走。何とかさばいて直線で差し脚を伸ばすも、小川の番手絶好だった藤田昌宏を捕え切れずの2着だった。次の10月向日町GIII、続く熊本GIIIと一次予選はともに4着、二次予選には進めたが、熊本は主導権を握るも窓場千加頼のまくりに屈するなど1着突破はならなかった。それでも、向日町GIII前の豊橋FIや高松FIは連続で決勝に駒を進め、高松決勝では道中で落車のアクシデントもあった中ではあるが3着入線を果たしており、久々のS級優勝の期待も膨らむばかり。直近4カ月の成績も3連対率は57%を超えており車券貢献度も高い。予選ならずとも、今後追いかけていきたいレーサーのひとりだろ
※10月12日現在直近4カ月集計データ
勝率 |
30.7% |
連対率 |
42.3% |
3連対率 |
57.6% |
バック本数 |
2本 |
平均競走得点 |
103.53 |
出走予定
小倉FI |
10月29日~31日 |
伊東FI |
11月6日~8日 |
大垣FI |
11月25日~27日 |
久々のA級も、圧巻の優勝ラッシュ!
篠原忍(愛知・91期・A1)
今期から久々のA級降格となってしまった篠原だが、S級でV歴もある実力者だけに、A級戦でも格上の存在感を発揮している。降格初戦は7月の小倉ミッドナイトだったが、特選、準決勝と連勝、決勝は伊藤信に敗れたものの2着でスタート。圧巻だったのは8月の高松から。初日特選はまさかの9着大敗を喫したが、準決勝は新鋭・清水裕友の先行を中団まくりで仕留めて1着。さらに決勝では打鐘前から先頭に立って主導権を握ると、そのまま先行策に打って出ると、そのまま押し切る完封劇で強さを見せつけた。続く8月名古屋では決勝で神田龍と連係、ゴール前で交わして完全優勝。さらに8月岐阜では再び先行で押し切って優勝、これで高松から3場所連続の優勝となった。10月福井でも完全優勝を決めて、今期はすでに4V目。A級8場所を走って決勝を外したのは7月の四日市だけ、24走して1着は16走と固め打ち。勝利者インタビューのユニークなパフォーマンスでも注目を集めている篠原、今後もその機会は増えていくばかりだ。
※10月12日現在直近4カ月集計データ
勝率 |
66.6% |
連対率 |
79.1% |
3連対率 |
79.1% |
バック本数 |
5本 |
平均競走得点 |
96.69 |
出走予定
向日町FII |
10月17日~19日 |
小倉FI |
10月29日~31日 |
小松島FII |
11月6日~8日 |
富山FI |
11月16日~18日 |
ここまで3連対率100%、特別昇班も狙える
大矢崇弘(東京・107期・A3)
在校順位は11勝で18位だったが、7月デビューから状況に応じた先行、まくりでチャレンジ戦線をリードしている。デビュー初戦の京王閣では、予選、準決勝を先行で連勝を決めると、決勝では藤井準也の先行を3番手からまくり発進。在校2位の山本紳貴(3着)を振り切って、デビュー戦を完全優勝と好発進を決めた。続く静岡でも予選と準決勝を連勝で勝ち上がるも、決勝では後に107期の特別昇班一番乗りを果たす吉田拓矢に敗れて2着。連勝は5でストップしたが、その後も8月立川は3連勝の完全優勝、9月弥彦は2着1着1着、函館では1着1着2着と安定感ある走りを披露。10月の小田原では逃げ切りで予選、準決勝を突破、決勝はまくりで快勝して4度目の優勝を果たした。ここまで7場所、21走して1着16回、3連対率は100%と掲示板は一度も外していない。さらに準決勝は7場所全部で1着突破しており、今後も注目だ。すでに同期では先述の吉田を筆頭に7名が特別昇班を果たしており、大矢もその流れに加わっていきたいところ。
※10月12日現在直近4カ月集計データ
勝率 |
76.1% |
連対率 |
95.2% |
3連対率 |
100% |
バック本数 |
13本 |
平均競走得点 |
79.09 |
出走予定
小松島FII |
11月6日~8日 |
川崎FII |
11月13日~15日 |
平塚FII |
11月25日~27日 |