GPチャンプが迎える新しいシーズン
浅井康太(三重・90期・SS)
電光石火の走りを見せてKEIRINグランプリ2015を初制覇した。中団キープから最終バックで内に切り込むと、まくりで抜け出した平原康多を追って、ゴール前鋭く伸びて歓喜のガッツポーズを決めた。白いチャンピオンジャージをまとった新シリーズとなるが、初戦の1月大宮記念から抜群の動きを披露。初日特選から3連勝で決勝に駒を進めると、深谷知広のまくりは捕らえることが出来なかったものの準V。続く高松記念でも1着1着4着とシリーズを牽引した。今年最初のGI・2月全日本選抜競輪では準決勝で柴崎淳との同門タッグを組んだものの惜しくも4着で決勝進出は逃した。しかしシリーズ2勝をあげたように、動きは変わらず軽快そのもの。「SSユニホームは着慣れているので」と、自然体の走りが貫けている。柔軟な走りで常に挑戦し続けるニュータイプの新王者。昨年の日本選手権では輪史に残る大接戦を演じて3着だった浅井、名古屋バンクで初のダービー王の称号も手にするか。
※2月24日現在直近4カ月集計データ
勝率 |
57.1% |
連対率 |
64.2% |
3連対率 |
67.8% |
バック本数 |
1本 |
平均競走得点 |
118.60 |
出走予定
日本選手権 |
3月8日~13日 |
松山GIII |
3月26日~29日 |
輪界に吹き荒れるニュージェネレーションの風
吉田拓矢(茨城・107期・S2)
今年の競輪界は年始から原田研太朗や郡司浩平、才迫開らがGIII初優勝するなど新鋭の活躍が目覚しい。弱冠20歳の吉田拓矢も、競輪界に旋風を巻き起こす逸材の一人で、日増しに注目度は高まるばかりだ。昨年7月にデビューすると、難なく3場所で特別昇班を決めてチャレンジを卒業。10月にはA級1・2班戦でも9連勝(3場所連続完全優勝)を果たして、早々にS級戦に特別昇級を果たした。初戦の京王閣、そのポテンシャルの高さをいかんなく発揮して2着1着3着2着とオール確定板の準V。その後も、1月の静岡FIを逃げ切りでS級初優勝を完全優勝で決めると、1月いわき平記念で決勝進出(決勝は9着)、2月千葉FI、2月小倉FIはともに完全優勝と勢いはどんどん加速している。千葉、小倉とも準決勝では成田和也が番手回り。復調途上の成田ではあるが、吉田は2度とも先行で振り切っての1着。スピードとともに、その強靭な粘り腰は驚異的だ。デビュー最速のS級優勝は逃したが、競輪史を次々に塗り替える可能性を秘めた逸材だけに、今後もその驚がくの走りから目が離せない。
※2月24日現在直近4カ月集計データ
勝率 |
55.0% |
連対率 |
80.0% |
3連対率 |
85.0% |
バック本数 |
12本 |
平均競走得点 |
110.50 |
出走予定
小田原FI |
3月4日~6日 |
福井FI |
3月14日~16日 |
松阪FI |
3月23日~25日 |
3連対率76%、好調の流れを掴む
和田健太郎(千葉・87期・S2)
昨年はFI戦3度の優勝を飾った和田健太郎。昨年11月熊本FI決勝では吉川誠の仕掛けに乗って優勝すると、続く松山では川口聖二と同着優勝して、FI戦連続Vを決めた。今年に入っても、好調の流れは変わらない。1月立川記念は二次予選で9番手の苦しい展開となり勝ち上がりを逸したが、シリーズ通して2着8着1着1着と3連対。次の4日制名古屋FIでも2着3着2着6着で決勝進出すると、2月玉野FIでは、松坂洋平のまくりをゴール前できっちり差し切って優勝、続く小倉FI決勝ではマークした吉田拓矢の先行を4分の1輪差で捕らえ切れなかったが、オール連対の2着1着2着とまとめた。連係する自力選手のおかげと本人は分析するが、連係崩さず、チャンスをしっかりとものにする決め脚は確か。直近4カ月の3連対率は76%に達しており、車券貢献度は抜群の成績。3月には08年以来となる日本選手権出場も決めており、ビッグ戦線でもどこまで食い込めるか楽しみだ。
※2月24日現在直近4カ月集計データ
勝率 |
30.0% |
連対率 |
53.3% |
3連対率 |
76.6% |
バック本数 |
0本 |
平均競走得点 |
109.60 |
出走予定
日本選手権 |
3月8日~13日 |
松阪FI |
3月23日~25日 |
タテ攻撃が冴える!S級初優勝も目前
佐藤和也(青森・95期・S1)
タテ攻撃が冴えに冴えている。今年初戦の立川記念では一次予選を7番手まくりで、マークの明田春喜を振り切り1着、二次予選も中団まくりを決めて連勝で準決勝まで進出した。決勝進出は逃したが、その後も1月久留米FIで2着3着3着、伊東FIも1着2着3着と決勝も含めて連日確定板に名を連ねた。2月佐世保FIは初日特選で先行策に出て2着に粘り、伊藤大志と青森ワンツー。準決勝でも早めのスパートで再度連係の伊藤が連勝、佐藤も3着で決勝進出を決めた。決勝は不発に終わったが、シリーズを通して動きの良さは際立っていた。連対率は40%を超えるまでアップしており、先行勝負も辞さない強気のタテ攻撃が好循環を生み出しているといえよう。そうなると欲しいのは、まだ成し遂げていないS級初優勝。近況の調子キープならそれも時間の問題だろう。たとえ人気薄でも一発を秘めているだけに、要警戒の選手だ。
※2月24日現在直近4カ月集計データ
勝率 |
27.2% |
連対率 |
42.4% |
3連対率 |
57.5% |
バック本数 |
10本 |
平均競走得点 |
105.21 |
出走予定
小田原FI |
3月4日~6日 |
取手FI |
3月16日~18日 |
A級戦線をリード、今年すでに4度の優勝!
伊藤成紀(大阪・90期・A1)
S級でもV実績ある実力者だが、14年7月からA級生活が続く。もちろん格上の存在であることに変わりはないが、昨年末から怒とうの1着ラッシュを見せており、この勢いは見逃せないところ。昨年12月の奈良決勝は山崎光展マークから直線差し脚を伸ばして優勝、年始の大垣決勝は連係した岸川哲也の番手をキープしてから、まくりを打って抜け出し連続優勝。続く小倉ミッドナイト決勝では、抜け出した三槻智清を5番手からのまくり追い込みでゴール前捕らえて逆転Vを果たした。2月の岸和田は1着1着4着と決勝は不発に終わってしまったが、次場所の松阪ではしっかりと修正して完全優勝。8番手におかれながらも、大外を一気に差し切った強い内容だった。番手回りでは巡る好機を逃さず、自力戦では破壊力抜群の走りを披露している。昨年の優勝回数が4回だったので、今年すでに並んだことになり、どこまで数字を伸ばすのかにも注目したい。もちろん、特別昇級の可能性も十分だろう。
※2月24日現在直近4カ月集計データ
勝率 |
62.5% |
連対率 |
70.8% |
3連対率 |
75.0% |
バック本数 |
5本 |
平均競走得点 |
96.33 |
出走予定
佐世保FII |
3月20日~22日 |
豊橋FII |
3月27日~29日 |
3連対率96%、特班続く同期を追いかける
阿部拓真(宮城・107期・A3)
逸材揃いの107期は、すでに13名がチャレンジレースを特別昇班で卒業している(内3名はS級にも特別昇級)。特班を狙えるスター候補生はまだまだたくさんおり、阿部拓真もその中の一人だ。在校時は15勝で4位、卒業記念レースでは決勝に進出して5着という成績だった。デビューは昨年7月の静岡で、3着7着1着とほろ苦いデビューとなったが、9月に大宮で初優勝を果たすと、勝ち星を積み重ねていく。惜しかったのは6連勝で挑んだ11月の松戸で、初日は逃げ切りで勝利するも準決勝で落車を喫して特別昇班は霧散した。それでも次場所の平塚で優勝を遂げると、今年のいわき平まで4場所連続の優勝劇。2月の立川では決勝で同期の山本紳貴を下して特班を阻止すると、続く平塚は完全優勝と勢いに乗っている。最大の武器はダッシュ力をフルに活かしたカマシ・まくりだが、近況は長い距離を踏んでの先行押し切りも増え、これによる脚力アップも顕著にうつる。同期の活躍も刺激に、切磋琢磨して上を目指したい。
※2月24日現在直近4カ月集計データ
勝率 |
73.0% |
連対率 |
88.4% |
3連対率 |
96.1% |
バック本数 |
17本 |
平均競走得点 |
78.80 |
出走予定
松戸FII |
3月3日~5日 |
伊東FII |
3月18日~20日 |