鋭脚で好勝負連発、昨年の巻き返しを狙う
村上博幸(京都・86期・S1)
S班からは陥落してしまったが、再び巻き返しを図るべく、鋭脚にさらなる磨きをかけている。今年初戦の松戸FI決勝では、畑段嵐士、古性優作の3番手を固めて、ゴール前では抜け出した古性をかわして優勝と幸先の良いスタートを切った。次戦の大宮GIIIは準決勝で平原康多の番手競りに出て7着に敗れるも、2月全日本選抜の勝ち上がりでは再び好リズムを刻んだ。一次予選は川村晃司と連係して1着、二次予選では佐川翔吾マークから直線伸びて2着、準決勝では竹内雄作や武田豊樹を相手に稲垣裕之が先行策に出て、追走の村上博幸が1着。稲垣とワンツーを決めた。決勝は稲垣ともども落車に散ってしまったが、近畿勢の層の厚さ、ラインの結束度は特筆すべきものがあろう。その後は3月日本選手権で新車投入とともに復帰すると、連日決め脚を発揮。一次予選は稲毛健太を差し切りワンツー、二次予選は川村晃司を差してワンツー。準決勝は6着に終わったが、最終日・決勝前の敗者戦は原田研太朗を追走して差し脚を伸ばしてシリーズ3勝目を挙げた。もちろん、決勝での村上義弘、川村晃司の京都ワンツーは、近畿全体にさらなる気合をみなぎらせる結果だったろうし、10年の松戸大会以来となる2度目の日本選手権制覇を目指して牙を研ぐだけだ。
※3月20日現在直近4カ月集計データ
勝率 |
39.1% |
連対率 |
60.8% |
3連対率 |
60.8% |
バック本数 |
0本 |
平均競走得点 |
114.90 |
出走予定
岸和田FI |
4月1日~3日 |
福井FI |
4月11日~13日 |
日本選手権 |
4月30日~5月5日 |
全プロ記念競輪 |
5月21日~22日 |
記念は連続優出中、強力な自力戦で台頭
吉本卓仁(福岡・89期・S1)
強烈なタテ攻撃でグレード戦線のV争いに加わっている。今年初戦の地元・久留米FIは6着2着7着に終わった吉本だったが、次戦のいわき平GIIIから急上昇。初日特選は武田豊樹のまくりを捕え切れず4着も、二次予選は圧巻のまくりで1着、大塚健一郎と九州ワンツーを決めた。準決勝でもS班の山崎芳仁を相手に、まくりで1着、九州ラインで上位独占を果たした。決勝は稲垣裕之の前にまくり及ばず2着も、動きは良好だった。目標にしていた地元GI・全日本選抜は二次予選で勝ち上がりを逸したもののシリーズ2勝。その後も、2月奈良GIIIは2着3着1着7着と準決勝では平原康多を制して決勝進出、続く静岡GIIIでも8着3着3着3着と1着こそなかったが記念連続優出と安定感ある走りを見せた。3月の日本選手権でもシャープなまくりを連発して、1着2着4着8着と一次予選から準決勝まで勝ち上がった。近況の調子から人気に推されるシーンも多いが、S班を相手にしての一発もあり、その破壊力は侮れない。新制度の記念を勝つのは容易ではないとされるが、まずは記念初Vをクリアしていきたいところ。
※3月20日現在直近4カ月集計データ
勝率 |
25.9% |
連対率 |
44.4% |
3連対率 |
59.2% |
バック本数 |
3本 |
平均競走得点 |
113.48 |
出走予定
松戸FI |
4月13日~15日 |
西武園GIII |
4月21日~24日 |
日本選手権 |
4月30日~5月5日 |
研ぎ澄まされた勝利への嗅覚で1着量産
木暮安由(群馬・92期・S1)
昨年末から圧巻のパフォーマンスを見せていた木暮。12月の地元前橋FIで3日間吉澤純平と連係して完全優勝すると、次戦の名古屋4日制FI決勝は岩津裕介に屈するも1着2着1着2着とオール連対。1月伊東FIは初日特選で逃げ切り、準決勝と決勝は鋭まくりで完全優勝。連係した芦澤大輔と3日間ワンツーを決めて、人気に応えた。勢いはまだまだ加速して、続く大宮FIも1着を3つ並べての完全優勝を果たした。満を持して臨んだ2月の全日本選抜だったが、一次予選を3着で突破するものの二次予選で失格。2月の奈良GIIIも準決勝で事故棄権に終わった(4日間の成績は2着、1着、事故棄権、1着)。流れが悪くなったかに思われるが、3月の日本選手権では二次予選5着で敗退も、「脚の感じは良い」とシリーズ2勝を挙げるなど堅調をキープしている。ここまで3度のGIファイナル進出がある木暮。もちろん頂点を目指して、再度立て直してくるはずで、初タイトルが成就しても不思議ではない。静岡の日本選手権でも、その立ち回りに注目が集まる。
※3月20日現在直近4カ月集計データ
勝率 |
55.5% |
連対率 |
70.3% |
3連対率 |
77.7% |
バック本数 |
3本 |
平均競走得点 |
114.52 |
出走予定
川崎GIII |
4月9日~12日 |
弥彦FI |
4月18日~20日 |
日本選手権 |
4月30日~5月5日 |
全プロ記念競輪 |
5月21日~22日 |
十八番は強烈まくり、S級初Vへ上昇一途
佐藤博紀(岩手・96期・S2)
今年すでに6場所で9勝を挙げており、1着量産態勢に入っている。現在はS級2班につき基本は予選スタート。特選スタートだった2月川崎FIこそ9着大敗を喫したが、ほか5場所では初日予選で4勝と固め打ちしている。1月の大宮GIIIは二次予選で先行して7着に敗れ勝ち上がりを逸したが、初日は7番手からうまくコースを探して差し脚を伸ばして1着、3日目選抜は8番手から豪快にまくって1着、最終日特選もまくりで制して、シリーズ3勝を挙げた。大宮でも炸裂していた通り、十八番のまくりは破壊力抜群だ。まくりはリスクとも隣り合わせで、今年はFIの準決勝で不発に終わるシーンも続いていたが、3月川崎FIの準決勝では久米康平の先行策に対して中団奪取からまくって1着、佐藤朋也との北日本ワンツーを演出するとともに、今年初の決勝に駒を進めた。決勝でも村上直久の先行をまくりで捕えて、佐藤朋には差されたものの2着入線を果たした。好機の仕掛けで、そろそろS級初優勝も射止めそうだ。
※3月20日現在直近4カ月集計データ
勝率 |
38.4% |
連対率 |
57.6% |
3連対率 |
65.3% |
バック本数 |
9本 |
平均競走得点 |
104.80 |
出走予定
伊東FI |
4月1日~3日 |
高知GIII |
4月14日~17日 |
全プロ記念競輪 |
5月21日~22日 |
大注目のルーキーチャンピオンレース
取鳥雄吾(岡山・107期・A2)
スター候補を多く輩出している107期の中にあって、取鳥の在校成績は23勝で12位。昨年7月に佐世保競輪場でデビューすると、順調に出世街道を歩んで、昨年8月には特別昇班に成功してA級2班にランクアップした。当初A級1・2班戦ではV逸していたが、抜群のダッシュ力を武器にした自力戦で力をつけていく。12月の小倉決勝では石塚輪太郎の先行を3番手外並走から叩き切ると、番手に入った石塚の仕掛けや松本卓也のまくりも振り切って1・2班戦初優勝を達成した。次戦の玉野も予選から逃げ切りで3連勝、さらに大垣も予選、準決勝と連勝を伸ばしていくが、決勝では積極的に仕掛けていくも近畿ラインに主導権を握られて8着と特別昇級は惜しくも逃した。警戒も強まったか、その後は決勝でVに届かないレースが続いたが、3月奈良は完全優勝と再加速。同期ではすでに吉田拓矢、鈴木竜二、新山響平がS級初優勝まで達成している。4月には高知でルーキーチャンピオンレースが控えている。この同期対決は、見逃せない一戦となろう。
※3月20日現在直近4カ月集計データ
勝率 |
75.0% |
連対率 |
79.1% |
3連対率 |
79.1% |
バック本数 |
14本 |
平均競走得点 |
95.00 |
出走予定
松山FI |
4月7日~9日 |
ルーキーC |
4月17日 |
広島FII |
4月25日~27日 |
大ベテランがチャレンジ戦で猛威をふるう
花村直人(三重・71期・A3)
今期からチャレンジ戦となった花村だが、46歳の大ベテランは元気いっぱいだ。初戦の1月岐阜こそ決勝5着に終わったが、次戦の玉野ミッドナイト決勝は107期4名との対戦となるも豪快なまくりで見事に優勝を遂げた。そこからはエンジン全開で、2月川崎は舟元権造を追走してゴール前差し切って優勝、2月小倉は予選で逃げ切りを見せるなど1着1着2着とオール連対、続く名古屋は完全優勝で、さらに2月松戸は決勝で阿部拓真に敗れたものの1着1着2着と安定感ある走りを披露した。チャレンジ戦では6場所走って優勝3回、準優勝2回なのだから恐れ入る。シャープなまくりもさることながら、ベテランらしく勝負所を逃さないレース勘が冴えわたっている。来期は2班復帰が決まっているので、チャレンジ戦で狙えるのも今期はあと少し。引き続き、動向に注目して追いかけていきたい。
※3月20日現在直近4カ月集計データ
勝率 |
48.1% |
連対率 |
62.9% |
3連対率 |
62.9% |
バック本数 |
6本 |
平均競走得点 |
79.96 |
出走予定
高知FII |
4月2日~4日 |
松阪FII |
4月24日~26日 |