解説&分析

99度目のGIII制覇、衰え知らずのレジェンド
神山雄一郎(栃木・61期・SS)
次から次へと競輪界の記録を塗り替えていく「レジェンド」神山。今年も最高ランクのS班にランクし、衰え知らずの闘志で競輪界をリードしている。1月の立川記念、大宮記念、そして2月全日本選抜と決勝進出を逃してしまったが、2月静岡記念の二次予選で1着入線して今年の初勝利を決めると、準決勝は大量落車のアクシデントがあったものの連勝、決勝では根田空史をゴール前で交わして優勝を遂げた。これで記念は99回目の優勝、もちろん47歳10カ月での記念優勝は最年長記録の更新となった。その後も3月日本選手権は2着2着8着5着で、ゴールデンレーサー賞は平原康多をマークして2着入線。続く玉野記念では3着3着2着5着としっかり決勝に駒を進めている。4月30日からスタートする日本選手権の舞台は、2月に記念を制覇した静岡競輪。もちろん、記念では節目となる100Vも達成間近。次はどんな記録を、どこまで更新していくのか。大ベテランの走りは、まだまだファンを魅了し続ける。


※3月28日現在直近4カ月集計データ
勝率 12.0%
連対率 36.0%
3連対率 52.0%
バック本数 0本
平均競走得点 114.44
出走予定
高知GIII 4月14日~17日
日本選手権GI(静岡) 4月30日~5月5日
全プロ競輪(伊東) 5月21日~22日
宇都宮GIII 5月28日~31日
日本選手権でGI初の決勝に進出!
三谷竜生(奈良・101期・S1)
成長を遂げてきた近畿の先行型のひとり。2月の全日本選抜では、一次予選で吉澤純平のまくりには屈したが先行して2着に粘り、二次予選では山田久徳の番手回りから抜け出して1着、見事に準決勝に進出した(準決勝は8着)。次の地元・奈良記念は準決勝で敗退と悔しい一戦となってしまったが、3月の日本選手権で大ブレイクを果たすことになる。一次予選、二次予選と先行勝負に出て、ともに2着に粘って準決勝に勝ち進むと、レースでは深谷知広の先行に対して3番手確保して3着入線。5度目のGI準決勝で、ついに初決勝を射止めた。決勝では近畿ラインの先頭で躍動して主導権を握り、村上義弘、川村晃司の近畿ワンツーの立役者となった。表彰式後に、近畿勢が三谷も胴上げしたのは印象的なシーンだった。充実度を物語るように、次場所のいわき平FIでは、初日特選を逃げ切り快勝、準決勝ではスーパールーキー新山響平を破り連勝、決勝は中井太祐をマークして完全優勝と、まさに絶好調だ。先行だけでなく、自在な捌きにも長けており、上位戦でも波乱演出を狙える。グレード戦線を中心にますます存在感をアピールしていきそうだ。


※3月28日現在直近4カ月集計データ
勝率 22.2%
連対率 37.0%
3連対率 55.5%
バック本数 6本
平均競走得点 111.69
出走予定
松山FI 4月7日~9日
平塚FI 4月19日~21日
日本選手権GI(静岡) 4月30日~5月5日
全プロ競輪(伊東) 5月21日~22日
1月立川、3月玉野と記念で連続優出中
河村雅章(東京・92期・S2)
11月の京王閣で落車、その後欠場を余儀なくされたが、復帰戦となった1月立川記念で、いきなりの快走劇を見せた。一次予選は先行して2着に粘り、マークの佐久間仙行と地元ワンツーで不安を払拭。二次予選は前団の主導権争いをひとまくりして勝利すると、準決勝では後方におかれてしまうも、まくり追い込んで2着に突っ込み、地元バンクで記念初優出に成功した。2月和歌山FIでは、予選をまくり快勝、準決勝は先行逃げ切り、決勝でも鋭まくりを決めて完全優勝を決めた。さらに3月の玉野記念では一次予選を逃げ切りで関東ワンツースリーを決めると、二次予選でも井上昌己らを破って連勝、準決勝では好位置確保からのまくりでマークの神山雄一郎を振り切って1着。予選から見事な3連勝で記念2度目の優出を果たした。立川、玉野記念ともに決勝は関東ラインの先頭で駆けて9着に終わったが、チャレンジャー精神で勝負所を逃さずに仕掛ければ上位陣とも戦えることを証明したし、連続しての記念優出で得たものも大きかったであろう。3連対率は73.6%にまで及んでおり車券貢献度も高く、今後も軽視は絶対に禁物の選手だろう。


※3月28日現在直近4カ月集計データ
勝率 42.1%
連対率 57.8%
3連対率 73.6%
バック本数 10本
平均競走得点 108.42
出走予定
岸和田FI 4月1日~3日
平塚FI 4月19日~21日
いぶし銀のレースで強固なラインを形成
紺野哲也(宮城・69期・S2)
職人技が光っている。昨年12月の四日市FIは佐藤友和をマークして、逃げる川村晃司をゴール前で捕えて、昨年の最終戦を優勝で締めくくった。2月の全日本選抜では、一次予選で飯野祐太をマークして2着、二次予選は北ライン3番手を固めて2着に入り準決勝まで進出した。3月の日本選手権では一次予選7着で勝ち上がりは逸してしまうが、敗者戦で魅せた。一般1では目標の早坂秀悟が仕掛けると、一旦は離れてしまうが、懸命に追い上げて再度番手に付くと、まくってきた森川大輔を好牽制。早坂が1着、2着に紺野が入りワンツーを決めた。特一般は菅田壱道マークから1着の松谷秀幸には及ばずも、ゴール前の大接戦を制して2着、最終日の選抜も2着に入り敗者戦ながらオール連対を決めた。続く西武園FIでも準決勝で目標の山田義彦が内に詰まるも、外から伸びて2着まで届くなど鋭脚が冴えていた。マーク・追い込み選手は数字だけで測れない部分も多いが、直近4カ月の連対率は46.6%と、内容面も含めて高い数字を残している。これからも円熟味は増していくだろうし、北の豊富な自力型を目標に強固なラインを作っていく。


※3月28日現在直近4カ月集計データ
勝率 16.6%
連対率 46.6%
3連対率 63.3%
バック本数 0本
平均競走得点 109.16
出走予定
京王閣FI 4月1日~3日
高知GIII 4月14日~17日
日本選手権GI(静岡) 4月30日~5月5日
宇都宮GIII 5月28日~31日
持ち前のパワー駆けで勝率もグングン上昇中!
利根正明(大分・97期・A1)
復調急の利根が、再びのS級を目指して奮闘中だ。落車骨折などで本来の走りをなかなか取り戻せないまま14年7月にS級から陥落、それ以来A級生活を余儀なくされていたが、近況は心機一転、利根らしいパワー駆けを連発している。もちろん成績もそれに呼応するようにグングン上昇。今年ここまで6場所走って5度の決勝進出しており、昨年一年間の勝率が27.7%に対して、直近4カ月の勝率は下記のように48.1%、今年のみに限った勝率では66.6%とハイアベレージで推移している。圧巻だったのは2月の広島FIからで、予選を逃げ切ると準決勝で新鋭・取鳥雄吾をまくりで仕留め、決勝も逃げ切って完全V。続く和歌山も完全優勝を遂げると、3月小倉は予選、準決勝を連勝して8連勝。決勝は主導権を奪えず9着大敗で惜しくも特別昇級は逃したが、近況の動きの良さは際立っており、この調子なら近々S級復帰は叶うところ。それでも長引いた不振で来期はA級2班に降格してしまうが、特別昇級も含めて、A級で大暴れを見せてくれそう。ライン決着が多いのも大きな魅力だ。


※3月28日現在直近4カ月集計データ
勝率 48.1%
連対率 55.5%
3連対率 59.2%
バック本数 14本
平均競走得点 90.55
出走予定
名古屋FI 4月7日~9日
和歌山FII 4月14日~16日
今年の3連対率は100%、先行で力付ける
山本紳貴(千葉・107期・A3)
競輪界に旋風を巻き起こしているといっても過言ではないほど、活躍している107期の面々。キラ星の中にあって、在校成績2位で卒業したのが山本紳貴だ。在校時はまくり、追い込みで勝ち星を量産していたイメージが強かったが、デビューしてからは地脚を活かした先行勝負を見せている。惜しかったのは2月の立川開催。1月の京王閣で完全優勝、次の松山も完全優勝して挑んだ開催だったが、予選、準決勝と連勝して特別昇班に王手をかけたが、決勝では果敢に先行勝負に打って出るも同期の阿部拓真に差し切りを許して2着に終わった。特別昇班は逃したものの、先行で着実に力をつけてきていることは間違いなく、それは今年に入って3連対率100%という数字からも見て取れる。来期は定期昇級での2班入りが決まっているが、3月静岡では3日間逃げ切りで完全Vを遂げているように、ここから再度の特別昇班するチャンスも十分。先行力を磨き続けて、上位戦での活躍にも期待したい。


※3月28日現在直近4カ月集計データ
勝率 77.7%
連対率 88.8%
3連対率 96.2%
バック本数 22本
平均競走得点 78.48
出走予定
久留米FII 4月7日~9日
青森FII 4月16日~18日