解説&分析



今年も競輪界の総決算とも言えるグランプリが始まる。今年は平原が2月に松山全日本選抜で復活優勝。早々に出場権を獲得した。その事は平原にとっては苦悩の始まりであったかも知れない。そこから試行錯誤からのスランプを招いたが、結果的にこの事が平原にとってはプラスとなった。そしてグランプリに春先よりも一回り大きくなって帰ってきた。そして今年のグランプリの舞台で行われた3月の立川ダービーでは村上義弘が見事に優勝。昨年のグランプリでは村上らしく勝負の2コーナーまくりを決めたが、ダービーでは冷静に立ち回り追い込んだ。しかし今年はそこから怪我もあり後半は波に乗れずに迎えたグランプリである。その中ではあるが勝負魂を発揮するか。5月の高松宮記念杯は新田に乗った成田が優勝。今年は安定した力を発揮した。そして7月の寬仁親王牌は深谷が先行し師匠である金子がそれを交わし初タイトル。しかしこのレースは番手に競り込まれながらの優勝である。深谷の仕掛けに番手が離れ川村晃司がハマる展開になったが、その外を追い上げた金子。目を疑う様なシーン。ジャンで離れた選手が深谷のほぼ全開先行に追いついてくる事は考えられないシーン。金子の意地を感じた。9月の京王閣オールスターは後閑が渾身一滴のまくりを打ち優勝。後閑の執念であった。そして全てが決まる小倉競輪祭は寬仁親王牌に続き金子、深谷の師弟コンビが決めた。賞金ランキングで出場を決めた4人。深谷は金子との連携でより深谷らしさが出た。GI2着4回ではあるが存在感抜群である。新田は超越スピードでグランプリを決め。長塚は共同通信社杯を制した後精彩を欠いたが後半怒涛の記念ラッシュ。最後に浅井であるが、長塚とは逆に後半リズムが合わず最後の最後に冷や冷やもので決めた。グランプリの権利を獲得した時期は当然それぞれ違う。そして、それぞれ思いも違うがいよいよグランプリを迎える。

展開予想
新田の前受けから中団は関東勢。そして単騎の村上。後方に中部勢の予想。問題は関東勢である。当初関東勢はそれぞれ単騎の様なコメントであったが、長塚がライン先頭になり平原、後閑と続く構成。その意味はどこにあるのか。1年の流れから考えると深谷が先行し村上がここに続く。そして関東ラインで後方から新田がかます展開に思えるが、それでは長塚がラインの先頭で戦う意味がない気がする。イン粘りか。しかし深谷のダッシュに対応出来るかも疑問が残り、もし遅れれば責任重大になる。ならば中団から早めの仕掛け。合わされたとしても平原にはチャンスが残る。その動きを見ながら新田がまくりに構える。すんなりなら金子。もつれれば平原か成田で決まる。
決勝番組
1番 平原 康多 埼玉
2番 村上 義弘 京都
3番 金子 貴志 愛知
4番 新田 祐大 福島
5番 後閑 信一 東京
6番 浅井 康太 三重
7番 成田 和也 福島
8番 長塚 智広 茨城
9番 深谷 知広 愛知
車券推理
3-96-9617
3-9617BOX
1-45679BOX
7-1469BOX

結果

3-6-8  239.3倍 81番人気
的中無し

残り2周
残り2周
残り1周
残り1周
ゴール
ゴール

レース経過

前受けに福島ライン。その後ろが村上で関東ライン。そして中部ラインの並びで周回を重ねた。青板バック辺りから深谷が動き始め、長塚がその動きを追走。そして村上で新田の形になり深谷が赤板で誘導を切り先行態勢。後は中団に収まった長塚がどこで仕掛けるかであった。深谷が打鐘から全開モードになり長塚がホーム辺りから動くかと思われたが、動かなかった。結局長塚は4コーナー勝負。そして後方に置かれた新田はある程度長塚の動きに期待していたのかも知れない。その事は村上にも言えるだろう。村上は単騎で仕方ないが、新田は自分で展開を作れなかった事が敗因と言える。人任せでは悔いしか残らないだろう。レースが単調になったのも全てこのコメントによる。そして深谷の番手金子が抜け出し優勝した。

車券的推理結果

全ては長塚の発言に惑わされた。前夜祭の共同記者会見では平原と後閑が単騎のコメントを残したが、そこから長塚がラインの先頭を選択し関東をまとめた。この言葉の意味はどこにあるのか疑問ではあったが、その言葉を発した以上それなりの組立をすると誰もが考えただろう。私は先行はないとは思っていたが、ファンの皆さんからは長塚先行の意見もよく聞こえてきていた。結果的には自身が有利にレースを進めただけであった。金子が1着で駆け抜け長塚が4コーナー勝負でゴールした瞬間、2年前の西武園記念が頭をよぎった。確かに深谷がかかっていたかも知れないが、それでも動くのがあの位置を回る意味だろう。しかしそれが長塚なんだろう。結局金子に浅井の突き抜けではあったが、その一連のコメントで長塚を外した。配当もラインで入ったにも関わらず2万円台になりファンの皆さんも惑わされた事が結果から伺える。
グランプリが終了し2013年が終わった。グランプリ自体は単調なレースに終わったが、2013年は見応えのある1年であった。グランプリチャンピオンと賞金王に輝いた金子だが、2014年はG1特選シードになりさらに師弟連係が増える。その事で金子の白いユニホームはさらに輝きを増すだろう。
ウイニングラン
ウイニングラン
表彰
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