伊東での共同通信社杯。若手が優遇された選考基準。そこに33バンクと自動番組でブレイクするラッキーボーイは出現するのか期待された開催当初である。しかしながら現状は力の差がはっきりあり苦戦を強いられた。シードがなくオール予選。層の厚い地区では引き出し役でしかなく結果的に力のある選手が楽にレースを進めるシーンが多かった。ただ33バンクであるがために、そして一次予選は5着+3の勝ち上がりで余裕があり、残せるものなら残したい気持ちが働き、別線の捲り追い込みが決まる波乱の要素ともなった。迎えた準決勝では予選で力を魅せた選手がそのままに力を発揮し順当な勝ち上がりとなった。その中でも目を引いたのは深谷である。2次予選の脇本との先行争いはラスト2周からもがき合いを叩き切り逃げ切った圧巻のレース。それに続くのは新田である。2次予選ではバンクレコードを塗り変え、桁違いのスピードを見せつけた。そして平原。こちらは苦しみながらではあったが、力と勢いを感じさせるレースで勝ち上がり、稲垣も連日先行で安定した力を発揮しての勝ち上がりとなった。好調な選手に役者も揃い楽しみな決勝となった。
展開予想
ライン的には深谷には準決勝同様、岩津に小倉がつけ、新田には成田の福島ライン。平原は単騎自在戦。近畿ラインは稲垣に村上、稲川の3車となった。スタートは新田がとると考える。しかし新田が出ないのなら深谷が出る。予想通り新田が出るなら、稲垣の上昇に合わせて深谷が一旦インを押さえる。当然平原は稲垣ライン4番手追走。新田の動きが遅いだけに深谷が5番手に収まると読む。新田は連日捲りで勝ち上がってきているが、タイミングさえ合えば稲垣を叩くだろう。叩きに行けば稲垣よりスピードが上の分、必ず叩き切るだろう。新田のタイミングは稲垣や深谷が仕掛けるタイミングを遅らせた時になる。故に打鐘過ぎ。その展開なら成田に展開が向く。しかし稲垣は新田と深谷の先行を捲れる可能性が低いため、そのタイミングでは仕掛けている。最終ホーム通過予想は近畿ラインに平原が続き、深谷ライン、福島勢と予想する。4番手キープの平原は準決勝で外並走から稲垣を捲っている。ここはすんなり4番手である。しかし、その後ろの深谷がそのまま最終ホームを通過するとは考えにくい。仮にそのまま通過するなら平原とのタイミングが難しくなる。タイミングが合えば深谷の優勝は消える。そのまま平原追走は考えにくいだけに、やはりその展開なら最終ホーム前には必ず深谷は仕掛けていると思う。近畿ラインの抵抗もあるが捲り切ると読む。そして新田だが、深谷の仕掛けに乗りそのスピードを活かしさらに外を伸びれるかである。成田はその時点では内を突いているだろう。後は決勝が雨予報である事。そうなれば前団が有利になる。ダービーでは稲垣の先行を村上が2コーナーから番手捲りで優勝したが今回はその雰囲気はないと感じる。もつれれば雨も手伝って近畿勢にも流れは向くが、その時は早めに深谷が仕掛けると読む。準決勝では番手の岩津に交わされたが、ここではない。準決勝は深谷が強いが故に岩津が抜けたのである。それはバックから岩津が抜く態勢を作れた事である。決勝ではない。やはり深谷本命である。
1番 |
深谷 知広 |
愛知 |
2番 |
村上 義弘 |
京都 |
3番 |
成田 和也 |
福島 |
4番 |
稲垣 裕之 |
京都 |
5番 |
平原 康多 |
埼玉 |
6番 |
稲川 翔 |
大阪 |
7番 |
岩津 裕介 |
岡山 |
8番 |
小倉 竜二 |
徳島 |
9番 |
新田 祐大 |
福島 |
1=9-2357
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1=5-279
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1-2-457
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1-7-2589
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159-2-134579
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レース回顧
前受けを深谷が選択し、中団に近畿ラインで平原が続く。そして福島両者で周回を重ねる。新田が上昇し深谷が下げ稲垣が先行態勢に入る。深谷にとってはスタートを取った事でこの位置は想定していたと思う。勿論、先行争いを深谷が受け入れての組立である。稲垣は当然先行勝負。そして打鐘から一気に激しい先行争いになった。近畿ライン3番手の稲川が深谷をブロックした。確かにこの事は深谷のスピードを鈍らせたとは思う。しかし3番手の仕事ではない。その結果内をすくわれ、近畿ラインが崩壊した。稲垣の番手は岩津が一瞬収まったが、自身のスピードを殺さずそのまま仕掛けて行った。正解であるが展開は完全に新田に流れており、その上を一瞬に通り過ぎラインの成田を寄せ付けず優勝した。
車券的推理結果
深谷がスタートを取る事と先行争いも想定していたが、外に浮かされる事は想定になかった。新田がしっかり位置をキープした事もあるが、思いの外その事で先行争いが長引いた。新田のパワーに粉砕された結果となった。
共同通信社杯は若手の登竜門と言われているが、今回は若手の活躍は残念だが皆無だった。ここからSS11騒動の選手達は自粛に入る。その間に力と勢いを付け6か月以降に自粛する選手達のとの復帰後戦いに期待したい。そして自粛する選手達はさらに進化した姿で復帰する事を願って今回は締めたいと思う。