伝統の高松宮記念杯競輪が久々に500バンクに帰ってきた。やはり宮記念杯は500バンクの王者を決めるG1の大会と感じる。それは歴代覇者の顔ぶれを見てもその様に感じる。今年は宇都宮での開催。このバンク以前は現在のホームがバックであった。バンクそのものは改修されておらず特性はそのままである。当所、前回のG1開催は4年前の全日本選抜。その時はすでに現在のゴール位置であった。佐藤友和がタイトルホルダーの仲間入りをした大会でもあった。以前のバンクでは3コーナー捲り追い込みと、4コーナーの外が良く伸びた。それは現在の1コーナーと2コーナーである。その事はホーム、バックが入れ替わってからも言える。勿論入れ替わってからだから、1コーナー捲りで2コーナーから一気に加速しての捲りになり、今現在の3コーナーからの捲り追い込みは決まらず、また4コーナーで外を伸びる選手はよほど力のある選手以外は厳しいバンク特性である。そして宇都宮バンクは円く、4コーナーからゴールまでは比較的直線は短い。故に先行した選手は3コーナーまで我慢し、そこから流し4コーナーで踏みなおせば逃げ切りもできる。「500バンクイコール先行策が決まらない」図式は成り立たない。それを考えると先行選手にとっては勝ち上がり段階でいかに他の選手を脱落させていくかも先行選手同士では考えるところである。
しかし、今回はSS問題での自粛期間が始まって最初のG1である。その事を考えると、深谷や脇本にとっては戦い易いバンクである。また売上面でも、最初のG1であり一番あおりを受けそうなG1となった。しかしこの状況もしばらくすればファンの方も慣れ、次回のG1寬仁親王牌では前年度とあまり変わらない売上になるだろう。そんな中で開催された宮記念杯。初日は伝統の「雨の宮杯」でスタートし、宮記念杯らしい初日だった。そして初日は東西分かれての組み合わせ。必然的に初日から深谷と脇本の対戦。脇本は迷い無く先行策。それに対し深谷はどう対処するかに注目が集まったが、脇本の完勝となった。そして迎えた準決勝でも脇本は先行策で戦い、田中晴基に叩かれはしたが番手にハマり巻き返した。脇本にとっては痛恨であっただろうが、決勝に勝ち上がった。対して深谷は根田の押さえ先行に一歩引いての戦いを選択した。しかしそれに対し菅田が根田を叩きに行き、その番手菊地が早めに出て行った。深谷にとっては予期せぬ動きであった。しかしその展開が深谷に味方したかにも思えた。ただ番手の菊地が出て行った事でタイミングは3コーナー捲りになり、宇都宮バンクの3コーナー捲り不発のパターンにはまった形である。そして決勝メンバーが決まったが、タイトルホルダーは浅井ただ一人の顔ぶれである。
展開予想
脇本の先行一車。ラインも近畿勢3車になり競りもなさそうで俄然有利となった。スタートはいつも通り浅井が取り、菊地ライン続き岡山勢で後方に近畿ライン。一番番手に行きそうな岩津ではあるが、流れの中での追い上げはあるが初手から攻める事はないだろう。その事は菊地にも言える。そして一番番手に飛び付かなさそうな浅井だが、脇本先行一車で、このバンクでの捲り追い込みは厳しい。ゆえにこのレースでは位置取りも必要になる。番手に飛び付く事はまずないと思うが、あれば優勝の確率はあがる。何もなければ番手稲川が抜け出し初タイトル。このレースでは脇本の近畿ラインのみが迷いない。他のラインはその他のラインの動きをどう読むかで勝敗は決する。仮に番手がもつれるなら脇本の逃げ切り優勝もある。
1番 |
浅井 康太 |
三重 |
2番 |
菊地 圭尚 |
北海道 |
3番 |
岩津 裕介 |
岡山 |
4番 |
東口 善朋 |
和歌山 |
5番 |
大塚 健一郎 |
大分 |
6番 |
柏野 智典 |
岡山 |
7番 |
脇本 雄太 |
福井 |
8番 |
吉村 和之 |
岐阜 |
9番 |
稲川 翔 |
大阪 |
9=1-347
|
9-12347-12347
|
1-2379-2379
|
7-1239-1239
|
レース経過
スタート牽制ののち浅井が前受けを選択。そして岡山ラインに菊地が続き、後方の近畿勢となった。そして菊地が脇本に合わせ上昇しイン粘り。しかし菊地はインが弱い4コーナーで稲川に当たり反動で遅れる。稲川が競り勝ったと言うより、菊地の自滅で番手は決着。昨今競りが無くなり、競り方を知らない選手が増えてきたが、まさかG1の決勝であんな競りを見るとは思わなかった。菊地は競り負けはしたが3番手にハマった。後方の岩津は車間を空け浅井を牽制しつつ捲り追い込みの態勢を築く。しかし予想以上に車間が開き万事休すにも見えた。岩津は結果的には3着であったが、落車が無ければ着外に沈んでいただろう。痛恨のミスと言える。そして浅井は完全に岩津のあおりを受けた。ただ岩津の車間があれ程開かなかったとしても宇都宮バンクでは浅井は厳しい展開だったと感じる。そして4コーナーを迎え番手絶好となった稲川が抜け出し優勝。4コーナー少し早めに抜きに行った分、脇本がよけたと言え、内が甘くなり落車につながったと思う。その辺は初タイトルへのプレッシャーがあったのかも知れないが。
車券的推理結果
展開はほぼ読み通りに流れたが、菊地が競り負け3番手に。そして大塚が4番手になったが、岩津の車間は読めないところで仕方ないが、大塚を切ったので車券的には惨敗であった。
次回のG1寬仁親王牌は解説を任されているので必ず売る。皆さんもこうご期待あれ。