解説&分析

共同通信社杯は昨年と同様の33バンクでの開催。今年の防府バンクは33バンクにしては少し直線が長いのが特徴。昨年の混戦の中でのレースを新田が鋭い捲りで飲み込み優勝。ディフェンディングチャンピオンとして、また今年はダービー王として今大会を迎える。そして昨年同様に33バンクでのシリーズである。この共同通信社杯はオール予選での自動番組でバラエティに富んだ番組構成になり、しっかりと上位陣が勝ち上がっていけるか。そして若手の登竜門と言われる大会であるが、オール予選になってからは初日から上位陣と対戦し苦しい事が多い。また同地区の上位陣と同乗になれば引き出し役になる事が多く勝ち上がりは厳しいのが現状である。ただ一次予選の勝ち上がりは二次予選A,Bに分かれるが、5着プラス6着3名までと幅がある。初日を終えやはり上位陣と若手の力の差は歴然としていた。しかしそれが波乱につながった様にも感じた。それは余裕からか、かばい過ぎで勝機を逃す事や、じっくり構え過ぎた事がある。その中で印象に残ったのは、やはり新田。依然好調をキープ。そして山崎。こちらは4着であったが、最後方からのスピードは目を見張るものがあった。そして2日目も勝ち上がりは自動番組。運、不運もあるが共同通信社杯ならでは、である。二次予選Bの各レースでは手堅く先手を取った海老根、山崎、中川が優位にレースを進め、Aでは新田のバンクレコードと、平原は流石の巻き返し、どちらも目を引いた。3日目「準決勝」は従来通りの番組編成。新田が余裕の勝ち上がり。3番手を確保していた事もあったが、連結の離れた山崎を待ってのまくり。後は原田のスピードも良かった。波乱は盤石と思われた平原の敗退である。山田が上手く駆けた事もあるが33バンクの怖さである。その山田は日頃の積極策の経験が活きたと感じる。そして最終日「決勝」やはり新田の力が断然。それに続くのは原田。後は稲垣だが、今回はこの二人には及ばない。しかし力を付けた山田が勝ち上がり番手で打鐘を迎える。その位置から新田のスピードに対応出来るか。2日目10Rで古性の先行で稲垣が番手で新田がまくり、原田が追走の様な形になった。再現の可能性は高い。しかしこの決勝は稲垣の対処次第で結果は変わるだろう。
展開予想
前受けは新田。中団は京都勢。後方から原田ラインと考える。原田がインを切り山田を迎える展開が、すんなりと考える。しかし新田もこのところ位置取りがしっかりしてきているので、前受けから中団確保もある。いずれにせよ先行は山田でその番手は稲垣になる。2日目の再現があっても不思議でないと言ったが、正にその展開が第一候補である。稲垣は2日目の経験が活きるか。新田が中団ならそれでも新田がまくると感じる。稲垣は2日目対応に遅れた様にも見えたが、仮に決勝では早めに動いても新田のスピードが上だろう。ただ原田を中団に置くように山田が動いた場合は稲垣のペースになるか。山田は徹底先行。日頃の経験がある。原田の動きに合わせ先行するだろう。ゆえに新田の位置取りが厳しくなったと言え、原田が中団の可能性が高いか。その展開の中でも、それでも4コーナー大外新田が伸びてきそうではある。

決勝メンバー

決勝番組
1番 神山 雄一郎 栃木
2番 稲垣 裕之 京都
3番 新田 祐大 福島
4番 大槻 寛徳 宮城
5番 原田 研太朗 徳島
6番 山田 久徳 京都
7番 渡部 哲男 愛媛
8番 萩原 孝之 静岡
9番 山崎 芳仁 福島
車券推理
3=2-1 9 5
3-9-2 1 5
3=5-9 2 1
2=1-3 5 4
2=5-1 3 7
1=5-2 3 7

結果

1-3-2   58.7倍 (21番人気)

レース経過

前受けに新田。中団に京都ライン。後方に四国ラインとなった。しかし中団は少し牽制の末に京都勢が納まった。スタート直後は神山が北日本勢の後ろに位置し、京都両者は最後方になり神山が中バンクに上がり原田に譲る素振りを見せた。しかし原田は上昇しない。この事により京都両者が中団に上昇し落ち着いた。この原田の動きを見て、原田は先行も考えているのかと思った。それは迷いのない山田との先行争いを選択したことになる。仮に中団狙いなら周回中も中団にいても問題ない。むしろその方が脚を使わず新田を斬れる。この選択は何を意味するのか疑問であった。そして原田が上昇。山田もその動きに合わせて上昇。当然である。山田自身もこの一連の原田の動きで、原田の先行もあるのかと思ったはず。山田にとっては確実に先行する事が一番の仕事。仮に原田は神山が譲った時に上昇していれば山田にその疑念は無かったと思う。そして両者がもがき合う様な形になった。山田は絶対先行。原田は中途半端な気持ちでの叩き合いが伺えた。その状況なら勿論山田の主導権になる。原田の経験不足と言えよう。そして新田が難なく中団確保である。最終ホームから稲垣が番手から出る。2日目を踏まえてである。新田は稲垣の仕掛けを待ち2コーナーから動く。しかし、予想以上に山田の先行は掛かっていた。その中での稲垣である。新田が伸びないが稲垣のところまで何とか並ぶ。稲垣は当然牽制。開いた内を神山が抜け出し優勝。ラインならあの内突きはない。神山は京都ライン選択だが、ラインに義理は無く内を突いたがこれは当然。逆に言えば稲垣が準決勝で詰まった時点で自力に転じていればラインが3車になったはず。明暗を分けた。

車券的推理結果

神山の優勝はあると考えていたが、新田との組み合わせを完全に見失っていた。それがすべてである。

今回の共同通信社杯は初日から波乱の展開であった。33バンク、オール予選の自動番組のあやであろう。そして来年も富山の33バンクである。この経験を活かし頑張りましょう。