解説&分析

伝統の高松宮記念杯。「雨の宮杯」「500の王者」それはびわこ競輪場を連想させる。しかし持ち回りになり早5年が過ぎた。今年は岸和田。スリリングが期待される。優勝戦線はやはり平原康多、武田豊樹の連携に、新田祐大。そして地元近畿勢が有力視される今シリーズである。その他予選組では竹内雄作の先行力や、渡邉一成が一皮むけた雰囲気がある。そして初日を迎えたが竹内は先行したものの番手競りもあり7着に沈んだ。しかし2日目以降は力を示した。次回に期待。一方の渡邉は初日、2日目と力強い先行まくりで準決勝に駒を進めた。そして脇本雄太が久々に、らしい競走で連日好ラップの先行で準決勝に勝ち上がった。特選組では平原が連日積極的に仕掛け徹底先行の様な走り。そして準決勝は調子の良い自力型が勝ち上がり、激戦の3個レースとなった。その準決勝10R。新田が他の自力型の一人で受けて戦った。落車で結果は見えなかったが、内容があった。11Rは思い切りの良さが明暗を分けた。平原がスローペースから後続を待ったが中団キープの稲垣はタイミングさえ合えば行く感じでまくりでも良い構え。当然7番手に置かれた渡邉が動かない限りこのままの態勢でレースは進む。それを打破出来なかった渡邉。それは攻め幅の狭さと、度胸が欠けていたと感じる。当たり前の様にあの展開なら打鐘前に動かなければと身体に叩き込んでおけば動けると思うがそうではなかった。逃げた平原もまくった稲垣も強かった。12Rにもその事は言えたが、不利な体勢の武田は凄みがあった。先行は当然のごとく脇本。そして武田だが中団を中川と取り合い外に浮き、誰もが武田が沈んだと思った。しかしその態勢から建て直し3着に入った。ここ最近でレース内容はともかく、一番強いと感じた。
準決勝を終えシリーズを支配する様な存在は出てこなかった。
展開予想
近畿勢対関東勢の様相。単騎の選手が3名いるが2分戦となった。近畿勢先頭の脇本は当然迷いない先行。対する関東勢先頭の平原は連日先行勝負でここまで勝ち上がって来たが、言うまでもなく何でも出来る選手。このレースは平原の出方次第で全てが変わる。先行脇本と真っ向勝負か、引いて中団確保からのまくり狙いか、それとも奥の手のイン粘り番手勝負か。真っ向勝負なら、平原が外からになり脇本に合わされもがき合いになっても、その外を武田が行きやすい。その場合は武田が優勝。まくり狙いなら稲垣がすんなり脇本の番手になり絶対的有利。イン粘りなら関東勢が競り勝ちワンツーの可能性が高い。単騎の選手は脇本ラインの4番手を確保したいが、その一番手は岩津であろう。平原が引いてのまくり勝負なら7番手まで下げないと思う。下げる時は先行勝負の時。そして展開が早い時である。おそらくまくり勝負なら5番手までは確保したいはず。松岡と石井なら退ける。脇本は迷いない。勿論、すんなりなら稲垣が優勝。昨年も脇本の番手稲川が優勝。近畿勢は負けられない一戦だが、勝負のカギは平原である。

決勝メンバー

決勝番組
1番 武田 豊樹 茨城
2番 村上 義弘 京都
3番 岩津 裕介 岡山
4番 佐藤 慎太郎 福島
5番 平原 康多 埼玉
6番 松岡 貴久 熊本
7番 稲垣 裕之 京都
8番 脇本 雄太 福井
9番 石井 秀治 千葉
車券推理
7=2-138
7=1-25
5=1-728
1-4369-4369

結果

1-7-4   99.4倍(31番人気)

レース経過

前受けに関東ライン。そして岩津、石井と続き近畿ライン。そして選手紹介通り松岡が近畿ラインを追走。青板2コーナー辺りから平原が後ろを警戒し始める。この行動で飛び付きが第一の作戦と感じた。そして赤板を迎え脇本が一気にカマス。平原は遅れた。ただ松岡がこの動きに遅れたため単騎の選手は後方に置かれた。平原は飛び付けなかったが4番手確保。そこから約1周脇本のペースで流れ、平原もタイミングを取りやすかったと思う。そしてホーム過ぎでまくりに行く。この時近畿ラインの反応は少し遅れた。平原は稲垣の横の動きからの番手まくりに合わされた。しかし2コーナーで村上を浴びせ倒しに行く。この動きで武田は動きやすくなった。まくりに行き、結果的に稲垣の番手にハマりそこから抜け出し優勝した。関東ラインの力のコンビネーションであった。近畿勢は反応が遅れた事が全てだろう。その事で稲垣が横の動きからのまくりになり、村上との横のスペースができ、隙を見せた。

車券的推理結果

武田の優勝はともかく、2着の稲垣を消していた。それは関東勢が飛び付きに行くと読んだからである。

今シリーズを振り返ると、やはり関東両者の安定したレース運びと力。そしてそれがコンビネーションとなり更に強力なラインとなった。攻め幅も広い。ダービー以降両者は少し調子を落としていたが、GIにきっちり調子を上げてきた。年齢的にも常に調子を維持するのは難しくなって来ているのだろう。次回GIは弥彦での寬仁親王牌である。地元地区だけに、またもや素晴らしいコンビネーションを見せてくれるだろう。負けた稲垣はまだまだと言う事。これからも諦めず頑張って欲しい。