弥彦での寬仁親王牌は連続5年目になる。来年は前橋で開催されるため、ここが一つの区切りとなる大会である。今回は台風の接近も気になる開催となったが、完全に影響なくとは言えないが無事に予定通り開催された。寬仁親王牌は全プロなどの競技での実績が参加条件になっている部分があり、シードもそこから決められる。そのため若手自力選手が多く参加する大会である。勿論レースは細切戦になる。弥彦バンクの直線が長い事も手伝ってまくり合戦が毎年予想されている。その事は過去の結果を見てもわかる。中部の若手機動型が非常に多く、その結果中部勢が活躍している。今年に入り関東コンビがGI戦線を引っ張っている現状がある。しかし、今回はその一角である平原康多が欠場した。そのため一方の雄である武田豊樹の戦い方にも注目である。この寬仁親王牌は若手の機動型が多いと言ったが、上位陣にとってはその若手との連携もポイントになる。その点からも武田には関東の若手機動型がおらず、今回は孤軍奮闘の戦いである。そして準決勝を終えシリーズを強烈に引っ張る選手は出現しなかった。しかし苦しみながらも勝ち上がったが脇本雄太の動きは光る。確かに新田祐大が木暮安由の動きを待たずまくっていれば結果は違っただろうが、一歩抜き出た感はある。その新田は連日仕掛け遅れている。番組的に仕方ないレースもあったが決勝ではその積極性がポイントとなるだろう。そして武田である。平原のいないシリーズでの戦い。決勝には勝ち上がったが何とかと言う印象であった。後は中部勢であるが、今回は単騎でまくった金子貴志のみ決勝進出。全体的に2段掛けを匂わす様な番組が作られなかった事も要因の一つであろう。
展開予想
北日本勢が新田、渡邉、伏見、菊地の順での並び。脇本には金子に園田が3番手選択。関東は武田に神山となった。新田対脇本の様相である。北日本は4車揃ったが、新田が先手取りに徹するかどうかである。躊躇すれば脇本に一気に叩かれる。新田が勝ちも意識するかどうかもポイントになるが、連日後手を踏んでいる事も考えに加える。徹すれば渡邉が有利になるが、それでも脇本は行くだろう。新田が先行し渡邉が絶好になった時は割り切れるかどうかである。後は武田だが、気配なく動きを待ってからか。イン粘りも少し考えられる。どちらの番手に飛び付いても簡単に勝てる。新田の番手渡邉は同期でもある。イン粘りを選択するのは遅めのタイミングのみと思う。脇本は表彰台の真ん中に立ちたいとコメントした。過去にはない。早めの先行は無いと考えてよい。その事からもやはり展開は渡邉が有利。それを脇本が上回れるかがこの決勝戦である。
前受けは武田の関東勢。脇本が中団。後方の新田率いる北日本勢の予想の場合。その時は新田が脇本を早めに押さえる。武田が今回の状況では先行するとは考えにくく、打鐘までその状況か。脇本が押さえられたと同時に下げた場合は新田も先行勝負なら早めの発進で武田は中団。脇本が最終ホームで仕掛ける展開。脇本が押さえられても下げない場合は、新田が遅めの先行で武田が粘る可能性が出てくる。脇本はその場合厳しい。中団が新田で脇本が後方の場合は脇本が新田を押さえに行くが、その時に新田が合わせて上昇するなら脇本はタイミングを伺うだろう。武田は中団まで下げると思う。そして最終ホーム辺りでのもがき合いになる。北日本が先手を獲り、すんなり渡邉が番手を回ればやはり有利。そこに脇本がどこまで迫れるか。渡邉の番手まくりなら勝負にならないが、それは無いだろう。故に脇本にもチャンスがある
1番 |
武田 豊樹 |
茨城 |
2番 |
脇本 雄太 |
福井 |
3番 |
渡邉 一成 |
福島 |
4番 |
菊地 圭尚 |
北海道 |
5番 |
金子 貴志 |
愛知 |
6番 |
伏見 俊昭 |
福島 |
7番 |
神山 雄一郎 |
栃木 |
8番 |
園田 匠 |
福岡 |
9番 |
新田 祐大 |
福島 |
2-5-1389
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2-5139-5139
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3-6921-6921
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9-123-1237
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レース経過
北日本が前受けを選択。中団に武田。後方に脇本になった。そして脇本が早めに北日本勢を押さえに行こうとする。それに合わせて武田が上昇した。この動きはまだ早い段階だったので中団狙いと思った。最内には新田が内を突く構えにも見えたが、結局下げる。そして武田が粘った。金子の位置になるが、金子はあっさり下げ4番手になった。自力選手であり仕方ないのか。そして北日本勢が6番手になった。脇本は先行選手である。この態勢なら当然先行勝負である。最終ホームを過ぎた時点で武田が優勝と感じた。そしてバックを過ぎ金子が仕掛ける。武田がそれに合わせて出る。脇本も粘っている。3番手にいた神山は当然のごとく中割を選択。その時にスペースが出来た。そこを園田が伸び切り優勝である。
車券的推理結果
園田の事は全く考えていない。それは当然であろう。狙いたい選手でもない。今回は完敗と言うより仕方ない結果。
決勝を終え何とも言えない感情が湧いてきた。脇本は自分らしく先行した。武田も勝負した。金子には少し残念な思いもあるが仕方ないともいえる。北日本勢はやはり新田に捨てきれない、勝ちたいと言う気持ちがあったのだろう。ここまでは収まる。しかし勝った園田だがそう思わせた。戦法の無い選手が勝つと何かむなしい気持ちになる。そんな決勝戦であった。
次回サマーナイトフェスティバル頑張ろうと思い前向きに函館へ。