解説&分析

日本一を決める大会が今年は2回ある。年度が変わり今年度からゴールデンウィーク開催。ダービーは過去、寒さの残る中の激戦というものだったが、これからは一新していかなければならない。そして3月の名古屋ダービーでの村上義弘の優勝が冷めやらぬまま、迎える静岡ダービー。気候も温暖になりゴールデンウィークでの開催。まだ少しダービー感は薄いが、準決勝を迎える頃には雰囲気は出ているのだろうか。基本的には選考期間が少しずれただけなので、名古屋の仕切り直しになる。前回高速バンクでの消極的な組立で失敗した選手達の巻き返し戦とも言える。しかし静岡は少し直線が長い。その事が同じ轍を踏ませるかも知れないが、昨年の全日本選抜の様な見応えのあるレースを期待したい。
2日目までを終え印象に残ったのは三谷竜生と吉澤純平である。三谷は名古屋ダービーで決勝に乗ったが、準決勝の走りは自力選手のプライドが無かった。そしてそれを取り戻すための決勝になった。その事で走る前から9着が確定している中でのレースとなった。メンバー的にも仕方ない部分もあった。今回はそれを踏まえてこのダービーに入って来たと思う。それがレースに表れた。中身も脚も一皮剥けた感じであった。そして吉澤は今年に入ってからのG1での活躍通りのレース。ここまではライン的な事もあり二次予選敗退となっているが、準決勝に乗るだけの力は十分持っている。結果も期待してもいいと感じた走りだった。特選組では稲垣裕之の安定した先行力。深谷知広のスピード溢れる先行。そして新田祐大のスピードが目を引いた。そして二次予選。竹内雄作が地元の新星渡邉雄太と対戦したが、力で圧倒。今回も楽しみに感じた。そして準決勝。強風が吹き荒れた。2日目も強風が吹いたが、その日はレースには先行選手が有利に働いたが、選手にとっては苦しい風ではなかった。しかしこの準決勝の風は周回中から選手の脚力を奪い展開にも影響を与えた風だった。9Rは稲垣がいつも通りのスタイルで戦い立派であったが、少し脚を使う展開になり、対して新田は流れに乗って楽に勝ち上がった。明暗を分けたが稲垣は今後につながる走りだった。10Rは竹内が前受け選択そして、仕掛けるタイミングを上手く取れなかった。すべては強風の影響だろう。11Rは深谷が早めに先行態勢。この事で木暮安由は4番手に下げた。そして原田研太朗は思惑が外れた。全ては深谷が強風に臆することなく仕掛けた結果だ。
最終日「決勝」深谷の先行を新田がまくれるか。そして番手は吉田敏洋がすんなりまわれるか。本来であれば稲川翔が番手を攻める一番手になるが、割り切れるだけの強い気持ちはないのか。深谷すんなりなら吉田。番手がもつれれば新田。そして深谷の逃げ切ってのダービー王もある。

展開予想
前受けにいつも通り新田。後方に深谷。後は単騎になった3選手だが、中川誠一郎は新田ラインの後ろ。その後ろに稲川。牛山貴広は最後方と予測する。中川に関しては流動的なので前にいる。稲川は中部の後ろにいるなら逆に番手は攻めづらくなるのでその位置。中部の後ろなら最初から狙う形でコメントの番手宣言を避けた意味がなくなると思うからだ。牛山に関しては流れに乗った方が持ち味を発揮できるタイプでその位置と考える。ここでも深谷が早めに動くだろう。その上昇に稲川の反応が見ものになる。個人的には中部連携が過去、そして今後もあるが、ここはダービーの決勝である。やはり番手に行って欲しい。それは稲川の今後にも影響するだろう。一見、中部との連携にひびがはいりそうだが、そうではなく稲川の名前の大きさと色が変わると感じる。更なる飛躍は番手勝負しかない。展開的には稲川が番手に行くか、牛山が内をすくう以外すんなりだろう。先程言った通り、すんなりなら吉田。もつれれば新田か、深谷の逃げ切りだ。

決勝メンバー

決勝番組
1番 渡邉 晴智 静岡
2番 深谷 知広 愛知
3番 稲川 翔 大阪
4番 中川 誠一郎 熊本
5番 新田 祐大 福島
6番 牛山 貴広 茨城
7番 吉田 敏洋 愛知
8番 松坂 英司 神奈川
9番 近藤 龍徳 愛知
車券推理
7=2-945
7-9-234
7=5-143
2-3-56

結果

4-7-1    489.5倍(149人気)

レース経過

前受けに新田。そして中川、牛山、稲川と単騎の選手が続く。後方に深谷の態勢で周回を重ねる。そして赤板前に深谷が新田を押さえに行く。この深谷の早めの動きに新田が慌てて対応した。イン粘りかと思わせたが、内を狙う手段でしかなかった。深谷の内をすくい先行策。新田の一つ目の作戦がスタート取ってからの突っ張り先行だった事になる。当然もがき合いになる。そして中川が最終ホーム手前からまくる。一見もがき合いで中川のまくり頃のレースだが、早めに仕掛けた事が結果につながった。あれより遅いと吉田とのまくり合いになっていたかも知れない。その事から考えると中川はタイミングを逃さなかったまくりだった。

車券的推理結果

ここまでの新田のレース運びや、深谷の戦い方を見ていると叩き合いは仕方ない。むしろいいレースを演じた。そして吉田も申し分ない。中川もチャンスをしっかりものにした。あっさり中川に展開が流れた様に見えるレースだったが、納得の内容であった。 ゴールデンウィーク開催のダービーは過去とは雰囲気は違った。そしてその事は気候も加味し展開にもこれからも影響するだろう。しかしこれからはこれがダービーである。