2017年もG1戦線が始まる。まずは全日本選抜。昨年は渡辺一成が新田祐大の捲りを交わし優勝。初のタイトルに輝いた。今年も全体的な流れは変わらない。ライン戦が地区の対抗戦の様な変化をしている。今年は取手での開催。2011年の震災の影響を受け、約2年の休催を経て復活し初めてのビッグレースとなる。以前もG2の開催はあったが、G1は初開催である。この全日本選抜は取手競輪場の復活祭とも言える。そこに武田豊樹を筆頭に優勝し花を添えられるかである。武田にとっても、ある意味で復活ののろしを上げれるかもある。そして今年も新しい風は吹くかである。昨年は新山響平がG3を獲り、G1優参も果たした。やはり若手の中では飛び抜けた存在である。あどけなさと、少し感じさせる風格が入り乱れる。本格化に期待したいところだったが、初日赤板突っ張り先行で5着に沈んだ。しかし力感は十分。ラインに恵まれなかっただけ。今後に期待したい。シリーズの前半戦を振り返ると、平原康多がリードしている。仕上がり、レース運び共に他を圧倒している。
そして迎えた準決勝もやはり平原は強かった。位置取りが悪くなりそうだったが躊躇なく先手を取った。流石の運びだった。そして三谷である。4番手に収まったが早めに叩き先行。後続を引き出すリスクのある動きだったが、力で跳ね除けた。三谷は昨年の名古屋ダービーで初優参しているが、後味の悪いものだった。過去を払拭した今後の自信になるレースだった。
準決勝を終え平原のリードは勢いにも乗った。その番手武田優勝のムードが漂っていた。
地元武田が優勝し、取手競輪場完全復活完結となるか。
展開予想
単騎の選手はいるが、2分戦の様相。スタートは単騎でも新田。そして関東4車。その後ろに浅井か。そして三谷、稲垣の近畿ライン。後は単騎を選択した和田だが、準決勝同様、稲垣の後ろを選択しそうだが、浅井の後ろもある。ここでは稲垣の後ろと考える。基本は三谷の先行。平原は少しでも前にいたいが、仮に後方からになれば平原の出来が抜群なだけに浅井は平原を警戒する。ゆえに厳しい事もある。それならすっきり武田を連れ叩きに行き先行。そして新田がいるが、イン粘りも考えておかなければならない。新田も今シリーズはそれなりの出来。ただ連日展開を見てからの仕掛けである。その流れでの決勝であるが、位置が取れない事でここでは厳しいと感じる。平原不発の時。その時は稲垣と浅井の勝負と考える。三谷が平原を合わし切っている事になるので、三谷も脚をかなり使っている。そこを浅井がまくりに行く。その動きに合わせ稲垣が番手から早めに出なければならない。いずれにしても平原が抜け出し、武田の交わしが有力となる。
武田、平原が大本線。折り返しはいらないと感じるが、平原の準決勝のゴール前を考えると少し折り返しも。準決勝の平原の武田への当たりをどう考えるかである。苦しまぎれに武田に当たったのか。それとも1着を獲るために当たったのかだ。ここ最近平原は先行をしていない。やはり苦しかったと考えるべきか。3着候補は前残りの稲垣に浅井に関東3番手の諸橋。
そして不発の時は浅井に稲垣だが、浅井重視。浅井稲垣の折り返しに3着は和田が第一候補。後は関東勢で諸橋も必要。平原が不発になった時は一番最初に内に入れる位置だからだ。
1番 |
武田 豊樹 |
茨城 |
2番 |
新田 祐大 |
福島 |
3番 |
浅井 康太 |
三重 |
4番 |
諸橋 愛 |
新潟 |
5番 |
稲垣 裕之 |
京都 |
6番 |
和田 健太郎 |
千葉 |
7番 |
平原 康多 |
埼玉 |
8番 |
神山 拓弥 |
栃木 |
9番 |
三谷 竜生 |
奈良 |
1=7-345
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7-135-135
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3=5-1467
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レース経過
前受は平原率いる関東勢。そして新田。近畿勢が中団だったが、浅井がインから新田の後ろに。近畿勢がその後ろになり、単騎の和田がこの3番手を主張。それがあり浅井をインから前に行った。赤板ではすでに三谷が上昇し平原を押さえる。平原は引かない。イン粘り。稲垣との競りだが、相手は純粋な自力選手で勝負は明白。三谷もその動きで稲垣が遅れているのを冷静に見て、仕掛けず稲垣の追い上げを待った。メンバー的にもそこで早めにカマす選手がいなかった事もある。そして三谷が最終ホームで仕掛ける。このタイミングなら競れる選手でも外は苦しい。そして後方にいた新田が三谷より若干遅めにまくり上げてきた。平原は切り替え新田を射程距離に置いた。この射程距離は前を行く選手によって変わる。新田はスプリンター。粘りはない。おのずと射程距離は長くなる。これはその場の感覚でわかる。平原はそこから交わし優勝した。
車券的推理結果
平原はここ2年G1優勝もありGPの出場もしているが、もがき苦しんだと思う。今年は早くもGPの権利を得た。シリーズをリードした様に、今一人飛び抜けた存在と感じる。GPを目指すだけでなく、複数のタイトルを獲りにいくだろう。展開的にも平原の読み通リだったと思う。切り替え新田に付き切った時点で優勝と確信できたはず。平原のここまでの積極的な攻めが、多彩な戦法が活きた。平原は準決勝で武田豊樹に当たりに行った。あの動きは、久々の先行での苦し紛れにも見えた。しかし勝つための手段だった。勿論、平原の信条は勝利も大事だが内容と感じる。やる事をやってのゴール前。当然のゴール前だったとなる。決勝もラインにチャンスを与えつつ、獲りに行く気持ちが表れたレース。平原らしい内容のある、いいレースだった。