解説&分析

今年最後の競輪祭がやって来ました。例年この競輪祭ではGP選手が決まる。今年は賞金ランキング7位までの選手が確定。そして8位の諸橋もほぼ確定と言っていいでしょう。GP残り一つシートを争うシリーズでもある。勿論、競輪祭の優勝者がそのシートを獲得するが、今年は上位陣がしっかりとしている。特に新田祐大に関しては、充実し安定の時期を迎えています。新田が走るレースは全てが新田中心に動いている。それだけ他の選手が新田を認めた事になります。当然この競輪祭も優勝の可能性があります。そして平原康多。寬仁親王牌以来の出走。今年前半は全てのタイトルを獲るのではないかと思われる位に充実していました。しかし京王閣ダービーでの敗退が平原の勢いを消したと思います。それ程、平原はダービーに懸けていたと思います。前回の京王閣ダービーでも平原絶対と思われましたが、惜しくも2着。新田にタイトルをさらわれました。最終日に吹いた強風が平原からタイトルを奪ったと思います。それがゆえにダービーに懸ける平原の思いは強くなっていたと感じる。その中でのダービー敗退であり、それが後半戦に影響したと感じます。そして武田豊樹。確かに陰りは見えてきてはいましたが、懸命に走る姿は他の選手には無いオーラを感じさせます。今年はそれに加え落車による大きな怪我をし、そこから必死に建て直しをする姿も流石と感じさせます。ただ武田はGPを確定させていますが、この競輪祭で結果を求めるのは厳しい様に感じます。その事は村上義弘にも言えます。ただこちらはGPへは優勝以外ない。後は深谷知広。夏以降本来の姿とも言うべき深谷の力強い走りが復活。後方に置かれても今までの様な不発の気配がない。その意味もあり今年のGPシート争いはランキング上位で決まり、9位の位置を確保した選手が滑り込む様に感じていました。それは9位の位置をキープした桑原大志。ダービー2着が大きく、決勝戦の結果待ち。その流れの中で準決勝を迎え、そして決勝です。ここで浮上してきたのが金子貴志です。弟子である深谷との準決勝をワンツーで決め、決勝もその可能性が高くなってきました。金子が優勝すればGP優勝まで見えてくる。新田が優勝なら、桑原がGPシートを獲得する。
大一番の競輪祭決勝です。

展開予想
新田が前受。その後ろに中部勢。そして木暮、平原。後方が山中と考える。単騎の北都留は新田ラインの後ろか。山中と木暮のイン切り合戦。そこを深谷が押さえての先行。中団は木暮。しかし山中が上手く獲れば、木暮は平原がいるだけに早めに仕掛けるだろう。そして新田が捲る展開となる。中団がもつれなければ、深谷番手の金子が優勝。もつれれば、新田が捲り優勝と感じる。

決勝メンバー

決勝番組
1番 新田 祐大 福島
2番 諸橋 愛 新潟
3番 金子 貴志 愛知
4番 北津留 翼 福岡
5番 平原 康多 埼玉
6番 渡邉 晴智 静岡
7番 深谷 知広 愛知
8番 木暮 安由 群馬
9番 山中 秀将 千葉
車券推理
1=3-2795
1-2-396
3-7=1269

結果

1-4-5   191.2倍(65番人気)

レース経過

前受に木暮、平原。その後ろに北都留。そして新田ライン。愛知勢が続き、後方は南関勢。最後方の山中が赤版前に上昇。この動きに深谷が反応しない。タイミング的に少し早い事もあった。そして深谷が先行しやすいメンバー構成でもある。その事は深谷がタイミングを遅らせた要因だろう。山中にとっては誤算だったと思う。深谷が来れば3番手確保できたはずであった。しかし深谷は来ない。成り行き先行だったと思う。あれ以上待つ事はリスクを背おう事になるので仕方ないだろう。仕掛けを遅らせた深谷はタイミングを逸した。その結果3番手には木暮ラインが収まり展開は平原に流れた様にも思われた。しかしその後ろにいた新田も仕掛ける。踏み出した瞬間、優勝と感じさせるぐらいの踏み出し。そして他の選手とはスピードが違った。一気に捲った新田が優勝となった。

車券的推理結果

深谷には先行しやすいメンバー構成であった。その事がタイミングを遅らす要因になったと思う。まさかの山中の先行だったと思う。この事に関しては、ここまで深谷の内容のあるレースが続いていただけに、残念であった。勝った新田は4日目で改めて凄さを感じさせた。GI直前まで追い込み練習をしてきたと感じる。シリーズに入り仕上げて行き、結果最終日にようやく本来の力を発揮したと思う。この勢いはこれからも続くだろう。GPもその力を発揮する。そして滑り込みで桑原がGPシートを獲得した。こちらは思いがけない夢心地の1年であっただろう。今シリーズの走りは非常に良かった。GPでもその走りをみせて欲しい。