解説&分析

今年は平塚での開催。平塚バンクは直線が短く先行有利。過去のGP、G1を振り返っても先手ラインからの優勝が圧倒的である。ゆえに他のバンクより位置取りが重要である。2017シーズンを振り返ると、平原が圧倒した全日本選抜。飛び付きから切り替え差し切り優勝と圧巻であった。それどころか平原が今年いくつタイトルを獲るのかと思わせる程の優勝であった。そしてウィナーズカップでも準決勝まで危なげなく勝ち上がり、ここでも優勝候補筆頭であった。しかしスタートを取らされた事もあるが、郡司に中団を奪われ後方で見せ場なく平原らしからぬレースであった。そして迎えた京王閣ダービー。前回の京王閣ダービーでも獲りにきて、新田に奪われた。ただそのレースでは平原はいつも通り脚を使って思惑通りレースを進めたと思う。しかしその日に限り強風が吹き荒れた。強風の日は脚を使っていない者が勝つ事が多い。平原に運が無かったとしか言いようのないレースだった。そして今年の京王閣ダービーも勝ち上がりで平原が他を圧倒した。勿論、平原が優勝候補筆頭である。しかし、決勝では三谷に惑わされた。先行なのかどうかである。逆に三谷は楽に3番手を確保。そしてダービー王に輝いた。平原は痛恨の敗退だったと思う。そこから平原の歯車が狂い、勢いを失った。そこから新田のスピードが抜き出て来た。その勢いは日ごとに増し、このGPを迎えた。特に直前の競輪祭は2コーナーで踏み出した瞬間優勝と感じさせた。後は深谷が本格化し、このGPで、先行有利な平塚バンクで、優勝まであり得るのかと思っていた。しかしウエイトトレーニング中の怪我。ぎっくり腰である。競輪選手にとってウエイトトレーニングは欠かせない。追い込めば追い込むほど、危険と背中合わせになる。追い込める時は調子のいい時である。深谷の状態も非常に良かったと思う。しかしぎっくり腰で大きく形勢は変わった。ただ平塚バンクは骨折明けの太田や伏見が逃げ切り優勝を成し遂げたバンクである。その事も踏まえなければならない。この3車がGPの鍵を握る。

展開予想
前受は新田。その後ろに三谷。そして平原。後方に深谷と予想する。問題は深谷が自己分析として自身が勝てる状態にあると判断するのか。するなら少し前団の動きを待ってからの動き出しでの先行勝負。良い状態と判断しないなら前団の動きに関わらず自ら動き出しての先行だろう。ただここのタイミングで平原が合わせて動き三谷を封じ込むと思う。そして平原が3番手確保。三谷が6番手になる。新田8番手である。8番手は余程前団がもつれるか、新田のスピードが競輪祭以上のものでない限り不可能と感じる。3番手確保の平原も脚を使ってでも位置を獲りに行く事で仕掛けは遅くなる。その事もありやはり5番手まで一列棒状の展開で後方は苦しい。番手浅井は脚を使わず絶好の番手となる。その3番手平原とのゴール勝負か。ただ三谷が平原より内枠である事が気になる。三谷中団なら様相は変わる。ただ平原が過去の失敗からここは強引に3番手確保だろう。後は諸橋が浅井の牽制により空いた内を狙い平原と絡むのが少し引っかかる。

決勝メンバー

決勝番組
1番 新田 祐大 福島
2番 三谷 竜生 奈良
3番 平原 康多 埼玉
4番 深谷 知広 愛知
5番 諸橋 愛 新潟
6番 桑原 大志 山口
7番 渡邉 一成 福島
8番 武田 豊樹 茨城
9番 浅井 康太 三重
車券推理
3=9-81452
3=1-97845
3-14589-14589
1-379-3794

結果

9-8-1    282.3倍(91番人気)

レース経過

前受は三谷になった。3番手に深谷。5番手に平原。8番手に新田。予想しなかった初手の並び。新田がまず動き上昇。しかし新田が我慢し平原が先に動けば新田が切り新田が3番手にハマると思った。しかし新田が動き絶妙のタイミングで平原がインを切り、深谷を迎え入れた。そして打鐘。深谷は脚を使わず先行。その事は浅井にも言えた。平原も3番手確保。ここで勝負は前団で決まったと感じた。そしてホーム手前から三谷が仕掛け、その上を新田が来る。平原も車間を切っていたが後続の仕掛けも早かった。その分、平原は慌てて仕掛けたと感じる。勝負の分岐点。その事で平原は掛り切らなかった。その混乱が後続に影響を与えた。番手の浅井は予想された展開であったが、直後に平原が入り、脅威のスピードの新田がいる。そして場内の雰囲気は最高潮に達している。後続の仕掛けならある程度無我夢中であるが、番手はそうではない。緊張感は増すばかりだ。実際、今年のダービーで浅井は失敗している。その経験も生きたと思うが、冷静に捌き1着でゴールを駆け抜けた。

車券的推理結果

平塚バンクはやはり円い。先手必勝のバンクであると改めて感じた。平塚以外なら新田の優勝が勢いのまま現実となったと思う。新田にとっては来年以降である。勝った浅井はGP 2度目の優勝だが、ここ最近はタイトルから遠ざかっている。この2回目の勝ち方は、来年はGPチャンピオンジャージをまといタイトルを必ず手中に納めるだろう。
最後に、2017GPは今年を締めくくるに相応しいいいレースだった。