日本列島極寒の中、今年最初のG1全日本選抜競輪が四日市で開催された。四日市は過去サマーナイトフェスティバルの開催はあるが、G1は初めてとなる。そしてここ四日市をホームバンクとしているGPチャンピオンの浅井康太が地元で錦を飾れるかにも注目が集まる。昨年のGPが終わり新しい年を迎え2018年がスタートしましたが、ここまでG3が5開催あったが、平原康多が抜けた存在と感じる。しかし新田祐大や脇本雄太はナショナルチームの合宿があり、この全日本選抜が今年初出走となる。そして渡邉一成と深谷知広は世界選手権出場ポイントが足りないためワールドカップ出場を優先し、今開催は欠場となった。特に深谷が地元地区だけに盛り上がりに影響すると感じた。あくまで競輪を盛り上げるための競技であるので、やはり賛否は出てくる。この影響を一番に受けたのは浅井かも知れない。その浅井は年頭の立川G3で決勝には乗ったが覇気は感じなかった。その事は続く松阪G3でも感じた。その状態で迎えたこの地元G1開催。初日からその流れの中でのレース、結果2次予選敗退し欠場となった。地元選手はもう一人坂口晃輔もいたが、準決勝で失格し、地元にとっては厳しいシリーズである。ここまで好調な平原と、ここから走り出す新田の対決模様は昨年と変わらないだろう。
そして迎えた初日。安定の平原。久々の競輪ながら圧巻のスピードを見せた新田。予想通りの展開となっていった。2日目の優秀は平原のレース運びがやはり際立った。抜かれはしたが、流石の平原だった。対する新田は仕掛けられるポイントで仕掛けず大事をとったようなレースで少し残念ではあった。3日目準決勝は本格先行が吉澤純平だけ。ここ最近のレース形態が如実に表れたと感じる。自在選手がレースの中心になっていると言う事である。しかし自在選手にとっては先行選手がいてこそレースが組み立てやすくなるので、吉澤と同乗しないレースは組立が難しい。逆に吉澤にとっては、どのメンバーでも戦いやすくなる。今まで苦しいレースが多かったが報われる形だ。準決勝10Rはその吉澤がじらして先行し逃げ切り。ここで目を引いたのは古性優作である。吉澤の先行に飛び付いたのである。3番手が空いているが勝負をかけ、競り勝ち勝ち上がった。立派だと思う。11Rは平原が苦しんだ。山田英明が平原を意識した組立で3番手確保。平原は5番手。そして山中秀将がカマシもつれる。山田はそれを捲ったが、前団には出来のいい村上博幸もいる。その村上、そして平原も苦しみながら活路を切り開いた。見応え十分のレースだった。12Rは単調な流れの中、新田が難なく捲った準決勝であった。そして迎える決勝戦である。
展開予想
単騎の選手が新田、山田、原田研太朗となり、関東ライン2車と近畿ライン4車となった。まずスタートは単騎でも新田。そして原田が続くか。その後ろに山田か関東勢。この後ろに山田がいるかどちらかだろう。そして後方から近畿ラインである。近畿ラインの古性の出方がこのレースの鍵を握る。古性は自在選手。そして準決勝でも勝負し勝ち上がった。その事を考えると近畿ラインの引き出し役とは考えにくい。それに加え中団も取りやすい構成である。勿論先行は吉澤になる。この後ろに山田が付いて来ても入れないと思う。3番手確保からの2コーナー捲りが、4車のラインの責任となる。ただ浮いたときは先行勝負だろう。基本路線は古性3番手と読む。平原は番手で古性の捲りにどの様に対応するかが見ものである。平原は自ら捲った場合、古性や近畿勢に交わされると思う。ゆえに平原は吉澤の掛次第だが見極めが明暗を分けるだろう。そして新田がここを捲れるかである。そして4コーナーで内は外に踏む選手が多いので、内は空く。そこに突っ込むのは村上博幸だろう。優勝出来る選手は、平原、新田、村上が有力で古性もある。
1番 |
新田 祐大 |
福島 |
2番 |
吉澤 純平 |
茨城 |
3番 |
古性 優作 |
大阪 |
4番 |
椎木尾 拓哉 |
和歌山 |
5番 |
平原 康多 |
埼玉 |
6番 |
山田 英明 |
佐賀 |
7番 |
村上 博幸 |
京都 |
8番 |
原田 研太朗 |
徳島 |
9番 |
村上 義弘 |
京都 |
レース経過
前受けに原田。そして新田。関東勢が続き、そこに山田が追走。後方に近畿勢である。青板バックから近畿ライン先頭の古性は吉澤を押さえる。一旦上昇の気配を見せ吉澤を止めそして下げ、吉澤を封じ込める時間を長くした。そこから目で殺し先行となった。準決勝の事を考えると勝負する事は許されたはず。吉澤の上昇を自ら遅れさせたとは言え、吉澤が来ないので完全に先行策を選択した。ライン4車の責務もある。そして中途半端になった吉澤の仕掛け。その流れで平原もスピードがでない仕掛けとなった。そこをある程度平原を目標とし新田が捲った。そして優勝である。
強風の吹く四日市バンク。先行選手の苦しい風向きであった。その事が新田に味方したところはある。風の吹くレースは脚を貯めた選手が有利。そんな決勝であった。
車券的推理結果
今シリーズは本調子でない有力選手が多かった。地元浅井もその一人であった。それに加え深谷がいない事も残念であった。そして準決勝3個レースで本格先行は吉澤純平の一車である。これは現在のレース形態が先行選手に不利である事の表れである。競輪の華は先行選手である。支える根っこはマーク選手である。そのどちらも姿を消しつつあると今まで以上に感じたシリーズであった。