今年最後のG1競輪祭。今回は初の試みナイター開催であります。それに加えガールズGPのトライアルを2組加えての、久々の6日開催となった。ナイター開催のG3が苦戦している中でG1開催です。売り上げが心配される状況ではありましたが。予想を超える売り上げで、果敢に攻めた開催が成功したと感じました。初日から3日目までガールズが2組に分かれてのGPトライアル、グループAは児玉碧衣が抜けた存在で、初日こそ早めの先行で末を欠きましたが、2日目のホーム先行は圧巻でありました。内容も素晴らしかった。そして迎えた決勝は2コーナーから捲って王者の風格を漂わせた一戦と感じました。対してグループBは混戦模様で結果もそうでした。2日間を終え山原さくらが連日先行逃げ切りではありましたが、後ろのもつれの中の逃げ切りです。決勝は先行出来ても逃げ切れるとは言えない状況です。決勝も混戦模様で最終的には梅川風子が2コーナー内を突いて捲り優勝でした。少しリスキーな内付きではありましたが、見事にグランプリシートを獲得しました。一方の男子は1次予選2走のトライアル。勝ち上がりが緩いだけにピリッとしないレースが多かった事は事実です。そして2次予選。グランプリシートボーダーラインの選手で調子の良い選手は皆無です。賞金6位の村上博幸までがほぼ当確。それ以降の武田豊樹、原田研太朗、渡邉一成、山田英明、古性優作らは調子のピークは過ぎた感じでした。特に圏内の選手である武田、原田は全く気配もなくです。そして準決勝。10Rは山崎賢人に山田英明の並び。三谷竜生がどう攻めるかがポイントでした。恐らくイン粘り。それを察した様な山崎の前受けです。2周突っ張り先行も辞さない覚悟になります。しかし山崎自身が本命を背負っている以上後ろよりも自身を優先するべきとは感じました。山崎はこれまでラインを重視してないと言われて来たことがここでは意識してか裏目に出ました。三谷はイン切り飛び付きが理想だったと思いますが、山崎がこれを阻止し突っ張った。その事で三谷は追い上げの形となりましたが、三谷、山田共に競りではなくただの当たり合い。競りは先行選手の動きを見て決め所で決めに行く。相手が有利な所ではそれに耐える状況を作って競るのが競りです。山崎が全く動いてない状況で当たりにいっても勝負は決まらないです。その結果、太田竜馬に展開が流れました。11Rは新山響平の先行で、平原康多と清水裕友の位置取りがポイントとなったレースです。結果的には平原が3番手で5番手に清水でした。清水は平原を容認し追い込み勝負で1着でした。ベテランの様な落ち着いた走りでした。そして12Rは脇本雄太に浅井康太の並びで、ここ以外に考えられない。少し近藤隆司に脇本は苦しめられましたが、結果はラインで上位独占でした。ここまでやはり脇本が抜けた存在。その次に浅井、平原、清水と続く。
展開予想
脇本ラインは浅井が番手でなく、準決勝3番手を回った柴崎淳が番手となった。この二人は高校の先輩後輩。浅井は柴崎の力を一番知っている存在。その中で勝たしてやりたい気持ちが芽生えたと思います。グランプリの事もありますが、そちらの方が上回っていると感じます。その近畿中部ラインが前受け。その後ろに平原ライン。そこに単騎の清水が続き、四国勢。そして菅田壱道。まず太田が動き、脇本を押さえる。太田に掛ける素振りがないなら、平原がインを切る。タイミングが早ければ脇本が押さえる形の先行になり、平原は飛び付きになる。競りは平原の瞬殺での勝。もしタイミングを計っての脇本の先行なら飛び付けず、柴崎とのマッチレース。浅井が3番手から伸びることは、脇本の駆けでは考えにくい。後は清水である。必ずどこかに潜りこんでいる。それが脇本の番手なら優勝まであるだろう。
1番 |
浅井 康太 |
三重 |
2番 |
平原 康多 |
埼玉 |
3番 |
清水 裕友 |
山口 |
4番 |
太田 竜馬 |
徳島 |
5番 |
菅田 壱道 |
宮城 |
6番 |
柴崎 淳 |
三重 |
7番 |
諸橋 愛 |
新潟 |
8番 |
香川 雄介 |
香川 |
9番 |
脇本 雄太 |
福井 |
レース経過
前受けに脇本ライン。そして平原ライン。菅田が続き、四国勢。清水は最後方から。清水はある程度太田の動きに乗ってからの組立だったと思います。しかしその太田は上昇するも先行意欲のある上昇ではなく、一旦切ってからの流動的な動きであった。脇本に突っ張る素振りを見せられると後方に引く。意味のない動きであった。その事で隊列は清水が7番手に入っただけで変わらず脇本が仕掛ける。脇本の久々の突っ張り先行である。しかし太田が巻き返して来ない以上、脇本はペース掛けであります。しかし4番手キープの平原も脚を全く使わず絶好位です。その平原がタイミングを見計らって2コーナーから仕掛ける。柴崎が牽制するが経験不足は明らかな捌き方であった。平原としては見計らって仕掛けたが、バック前に柴崎ともがき合う仕掛けの方が良かったのではないかと感じました。なぜなら外が苦しい3コーナーを並走で入って行かなくて済むからです。そして平原不発。柴崎ももどかしい動きで内ががら空きになり、浅井が脇本めがけ一気に追い込んだレースである。期待した清水は展開待ちであったが、3着でグランプリシートをゲットしました。
新しい風が本物になってきました。長らく新星の登場が待たれていましたがいよいよです。全体的にも若手が力を付けてきているので来年は非常に楽しみな1年になるでしょう。
そして今回の競輪祭はナイター開催で売り上げが心配されたが目標を上回り結果は良かったのではないでしょうか。