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―第28回寬仁親王牌世界選手権記念トーナメントGI編―
昨年は脇本雄太が3番手からまくってGI連覇を果たしましたが、それよりも清水裕友が強気な競走スタイルで瞬く間にブレイクし、スターダムにのし上がった。その印象が強かったシリーズでありました。今年は脇本不在です。清水は再び新たなるステップを駆け上がるきっかけをつかめるか。若手の先行選手が33バンクを活かし活躍できるかです。例年台風の目になる選手が現れやすい前橋ドームバンクであります。しかしながら時代は流れ、若手の選手自体が先行にこだわりなく、その可能性が低くなって来ています。見る側としては少し寂しい感もあります。その事もあり、シリーズ自体は混戦模様であります。そして、2次予選を終え、先行選手が全て姿を消しました。勝ち上がった自力選手は、先行も出来る自在型ばっかりです。その要因はルール変更でペースが上がるため動き出しが早くなり、遅めなら脚を使われてしまう事。その事で後方に位置する選手が先行するには、以前の突っ張り先行の様にしか先行は出来なくなっています。誘導のペースを崩す事は中々出来ないので全体的にペースが速く、早めに前団を叩かなくてはならなくなっています。早めの先行を余儀なくさせられるので、先行選手が敗れるパターンが目に付く結果です。今回は33ドームバンク。本来は本格先行にとっては33で有利なはずなのに、厳しい展開で敗れ去る結果となりました。そして迎えた準決勝は各レース本格先行不在で自在選手にとっては組み立てが難しいレースでした。「準決勝」10Rは三谷がタイミング良く押さえていい位置を確保。力で抜き出ている松浦は原田に任せた事に違和感がありました。グランプリが掛かる大事なレースで、自身で切り開こうとしなかった事が全てでしょう。11Rは清水が先行も出来る事で優位にレースを進めました。しかし出は良くなかったです。番手がしっかりしていれば捌かれたと思いますが、清水らしい良いレースだったと感じます。12Rは村上義が平原を斬り、中川の先行を引き出す流れでした。その事で中川にとっては絶好のカマシ。敗れた平原は村上との駆け引きに負けたと感じます。組み立てで流れのままに前に出た事で村上に斬られた事が全てです。
最終日「決勝」当然の本格先行不在のレースです。清水がここも押さえて優位にレースを進めるでしょう。
展開予想
前受に清水。木暮がそのラインの後ろで、近畿ライン。浅井がいて小松崎ラインと読む。小松崎が上昇し、三谷がその上を斬り、中団以上を確保しに行く。そして清水がそれを押さえ先行態勢。その上を叩くのは流れ的には小松崎になるが、それをしないと感じる。清水先行で番手中川が優位にレースを進める。しかしその位置はこの展開なら狙われる。木暮が飛びつくか、三谷のイン粘りもあり得る。清水の番手中川が絡まれなければ、今年3つ目のタイトル。仮に小松崎が清水を叩いた場合は、3番手に清水でまくり追い込み。それでも清水が交わす。小松崎がもつれ待ちで、すんなり流れれば清水の番手。この位置を獲った選手が優勝すると感じます。
決勝番組
1番 三谷 竜生 奈良
2番 清水 裕友 山口
3番 木暮 安由 群馬
4番 和田 健太郎 千葉
5番 村上 博幸 京都
6番 小松崎 大地 福島
7番 中川 誠一郎 熊本
8番 園田 匠 福岡
9番 浅井 康太 三重
車券推理
7=2-8359
7-8=359
3=9-512
3159-3159-2
レース結果
5-1-3   168.9倍(55番人気)

レース経過
前受を小松崎が選択し、中団が三谷ライン。その後ろに木暮。そして清水ラインで、浅井。この時点で小松崎は引いてのカマシを狙っていると思った。そして清水が上昇。ここで三谷がインを斬らなかった。斬ってのイン粘りもあると思ったがそれをせず。そして小松崎がイン粘りを仕掛けた。これで三谷がカマシ態勢をとり、清水は両にらみの態勢。そして三谷がカマシ、清水が3番手に納まる。三谷はグランプリへは優勝以外にない位置にいる。対して村上は9番手のボーダーライン。その事で三谷は最初から先行を考えていたと感じる。清水は準決勝の動きを見てもキレはあまりなかった。清水は2コーナーまくりを選択せず3コーナーに入る。ここでの清水のもたついた動きで番手村上の優勝が濃厚となり、そして4コーナーで村上が抜け出し優勝。三谷が打鐘先行と言う事もあり、掛かりも良かった事もあるが、村上が冷静に対処したレースであった。