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―ウィナーズカップ2020福井「決勝」―
今回で4回目となるウィナーズカップ。今回は福井での開催となりました。新型コロナウイルスの影響で無観客レースが続く中での開催です。コロナウィルスの猛威はいつまで続くのか不安ばかりです。この福井も無観客レースではありますが、ウィナーズは若手の機動型の参加が目に付く大会でもあり、その若手が吹き飛ばしてくれるでしょう。今回もここ最近売り出しの選手が多くいます。その中でどの選手が旋風を巻き起こすのか楽しみでもあります。そしてこの開催も清水、松浦の中国コンビが中心です。両者共に勢いから安定の域に入ってきました。そして迎えた初日です。注目の若手、高橋晋也、宮本隼輔、松井宏佑と順当に勝ち上がりました。ただ一次予選で目を引いたのは新山と古性でした。新山は鮮やかに捲り、スピードを見せつけました。そして古性は自在に立ち回り、ここ最近の低迷を払拭する古性らしい走りを感じさせました。特選組では郡司がGP選手らしいレースっぷり。良く伸び1着。そして清水は相変わらず見せ場もつくり、私が思っている清水の指数より上のレースをしました。清水もまだまだ若手の域です。日々成長していると感じました。清水と同乗した平原が目標とした森田優弥が落車し早々に福井を後にしたのは残念でしたが、落車が無くても清水に完敗だったでしょう。松浦は目標にした太田の仕掛けが遅く2センターで外を踏みました。あそこから外は伸びない。自信が裏目に出ましたが、いい経験だったと思います。2日目は古性が逃がされた形だが見事に逃げ残った。古性も完全復活であります。そして高橋、松井共に力強い逃げ切り。宮本もいい先行で勝ち上がった。優秀競走はここでも清水が強引に叩き先行。叩かれた岩本の番手郡司が上手く立ち回って捲り切った。郡司の動きが光った一戦でありましたが、清水のレース内容は流石だった。3日目準決勝。10R高橋の実質先行一車。スタートけん制から仕方なく前受を選択した郡司でしたが、やはり展開が悪くなり早めに動きましたが不発。先行一車でしかも先行有利な福井バンクです。その番手佐藤が捌き1着かと思いましたが、内外と責められ難しい展開に一変しました。1着は混戦を捲った原田でしたが、高橋も逃げ粘りました。11Rは逃げた松井の番手に飛び付いた松浦。松井の出来が良かっただけに、番手を選択したのでしょう。松井にとっては残念な結果でした。12Rは宮本先行番手清水が抜け出し1着。しかしこのレースは窮地に立たされた古性が無理やり捲りに行きました。番手清水だけに苦しい展開になりましたが、ここでも古性らしく内を押さえ込み2着に食い込みました。いいレースでありました。
そして迎えた決勝戦。ラインは中国勢3車。清水先頭であります。今回の原田は別線選択の単騎です。そしてもう一つのライン、北日本ラインは2車。高橋に守澤。他は全て単騎の戦いです。ただ和田に関しては北日本の3番手でも良かったのではないかと感じました。なぜなら北日本とはこれからも連携の機会がある事。そして先手ライン3番手の可能性が高い事。仮に和田自身が捲りたいので別線を選択したのかも知れませんが、それより先に清水が仕掛けてレースは混乱していると思われるので、その位置はすでに捲りが許される展開になっていると考えられるからです。
展開予想
前受に清水率いる中国勢。内枠吉田、古性、原田と続き北日本ライン。そして和田で周回と考える。中団にいる単騎の選手達は流動的ではあります。高橋が上昇しここで古性がインを切るかがポイントにまずなります。切れば番手飛び付きもあるが最低でも4番手までの位置は確保したいでしょう。もし古性が切らない、もしくは清水が切らさなければ、清水のイン粘りもあるでしょう。予想としては古性が切り、清水が下げ一気に巻き返す。そこで清水が浮くならすかさず、松浦が捲る展開。そのまま松浦1着。その後ろの柏野は連日離れている。ここでの離れは命取りです。2着は単騎の選手の絡みです。勿論、清水が捲り切れば清水の2、3着です。そして古性が上手く立ち回るでしょう。
決勝番組
1番 清水 裕友 山口
2番 吉田 敏洋 愛知
3番 守澤 太志 秋田
4番 古性 優作 大阪
5番 原田 研太朗 徳島
6番 柏野 智典 岡山
7番 松浦 悠士 広島 
8番 高橋 晋也 福島
9番 和田 健太郎 千葉
車券推理
7-1=62459
7-4-529
7-5-429
レース結果
 7-3-8  128倍(43番人気)

レース経過
北日本が前受。そして和田が3番手位置。清水ラインが4番手で以下枠なりに並び周回。なぜ北日本勢が前受を選択したかである。清水が1番車である以上、前を取ればすぐ後ろに清水がいる。そうなれば誰がどう考えても清水の先行になる。まして直前の全日本選抜で松浦先行に乗り清水が優勝している。容易に番手捲りは想像できる。そして清水がタイミングを計って先行。打鐘で勝負ありです。単騎の選手達も清水の仕掛けを待っている事で何も出来なかった。高橋が捲ってきて北日本が2,3着に入ったが評価は出来ない。松浦にとっては楽勝と言って良いレースとなった。

結果的に3着に入った高橋だが、これで良いのかと感じました。全員が1着を狙うレースが良いと考えられて出来たウィナーズカップかも知れないが、全員が1着を狙うレースはやはり単調で見応えがない。それぞれが、それぞれの立場での役割を果たすから面白いレースになる。それが競輪と再確認した一戦であります。