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―第72回高松宮記念杯競輪 ―
リニューアルした岸和田で開催された高松宮記念杯は伝統の東西対抗戦。ただ以前とは違い「白虎賞」「青龍賞」ともに2日目の優秀競走的なレースになり、少し違う様相となっています。東西王座戦はなく、準決勝4個レースでの概定番組です。そのため一次予選は緩めの勝ち上がり。2日目以降が勝負になってきます。そしてバンクが少し変わったのかどうかです。出来立てのバンクは重めのバンクが多いです。それは完全にバンクが乾ききっていない事と、表面に塗っているウォークトップが滑らかになっていない事が要因となります。薄く塗るとバンクは軽くはなりますが、滑りやすくはなります。初日を見た限りではその重い感じには見えず、良い上がりタイムも出ていて以前と変わらずでした。「西特選」は古性が6番手まで下げ自力に徹しました。しかし番手まくりに屈しましたが古性らしさと出来の良さも感じたレースです。しかし厳しい組み立てでした。「東特選」は細切れ戦でありましたが、叩かれた新山が再び叩き返す展開。結果1着だったが吉田はなぜ岩本ラインが上昇したのに追走しなかったか疑問はありましたが、仕上がりは良かったです。郡司に関しては深谷がいたので仕方なしですね。単騎ならおそらく1着だったと感じます。2日目の「白虎賞」「青龍賞」は翌日に準決勝を控えているため、どちらも淡泊なレース内容。仕方ないと言えば仕方ないのでしょうか。3日目「準決勝」は2着+1です。厳しくは感じますが、少しメンバーは薄く感じるのは当然ですね。9R野原が落車し混戦に拍車が掛かりました。稲川と松浦が力技と粘り腰で打開したレースです。10Rは新山が3番手からあっさりまくると思いましたが、宿口が番手まくりで合わし1着。番手まくりとは言え、出来の良さをこの日も感じさせました。11R清水の前々勝負。普段の古性の戦法ですが、その古性は両面待ち。その事があだとなった結果。そこを楽に山崎がカマしましたが、清水の余裕ある運びが光ったレース。12R小松崎が先行し深谷のホームカマシ。佐藤が番手を捌き、外を伸び会心の運びでした。
4日目「決勝」戦前の予想通り、松浦に乗る清水有利は変わりません。山崎の動きも良いですが単騎になり単調なレースになるかも知れません。展開はほぼ一つです。
展開予想
前受に松浦。中団に関東勢、吉田。後方から北日本ライン。単騎を選択した稲川はおそらく清水の後ろにいる。ただなぜ山崎の後ろを選択しなかったのかです。そこを選択すれば山崎のカマシ頃のレースになり捌いて優勝ならこの上ない勝ち方です。確かに清水の後ろは固いかも知れませんが、そこを単騎ながら回れば、いつまでたっても自在選手の評価しか下されないです。しかしその位置。考えは人それぞれですが、稲川が認知されるそして力を示すならやはり山崎の番手でしょう。単騎となった山崎は後方から一発を狙うレースとなりました。前受の松浦を小松崎が押さえ、中団吉田です。後方まで下げた松浦が一気にカマシ小松崎を叩く。佐藤が準決勝では同じ様な形から捌きましたが、ここは清水が前に踏むためその後ろになるか。ただその位置はおそらく、稲川がいます。しかし佐藤が捌く。清水が吉田、山崎の仕掛けに合わせ番手まくりで決着です。清水中心に稲川、佐藤の絡み。佐藤が捌いた場合は守澤が伸び切れるか。
決勝番組
1番 稲川 翔 大阪
2番 松浦 悠士 広島
3番 佐藤 慎太郎 福島
4番 山崎 賢人 長崎
5番 吉田 拓矢 茨城
6番 小松崎 大地 福島
7番 清水 裕友 山口
8番 宿口 陽一 埼玉
9番 守澤 太志 秋田
車券推理
7=1-395
7=3-91
1=3-7
レース結果
 8-5-9  586.6倍(175番人気)

レース経過
前受に松浦、清水の中国ライン。その後ろに稲川が追走。中団に北日本ラインで後方に関東勢。そして山崎。そして吉田が動き松浦を押さえる。この時に山崎は関東勢を追走せず、最後尾のまま。小松崎が押さえて先行態勢。そこを引いた松浦がホームで叩きに行く。出切りはしたがキレは感じなかった。そのラインを追いかける形で山崎。追いついた勢いそのままにまくりを放つ。2コーナーからそれに合わし清水が番手まくり。山崎のスピードが上回る。山崎に切り替えた吉田が流れのままに追い込む。その外を吉田の番手、宿口が更に伸び、優勝。
展開は予想通りの流れ、各選手それぞれ想定の展開だったと思います。ただ松浦の調子が他の選手の出来と比べると良くなかった事があります。その事が更にもうひと流れになったと思います。それは山崎のまくりです。それが勝敗を決したと思います。確かに宿口のここ最近の動きは目を引く物がありました。今シリーズの出来も良かった。波に乗り初優参、初優勝まで成し遂げました。宿口にとっては準決勝が全てだったと感じます。黒沢が先行し番手まくりではありますが、見事に1着でクリアした事です。そしてここから先はGI優勝までに成しえておかなければならなかったステップ、GIII優勝と言う課題があります。それも今の宿口ならクリアして行けるでしょう。更なる実績を積み重ねて行って欲しいです。おめでとう宿口陽一。