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―第64回オールスター競輪編―
今回のオールスターはいわき平競輪場にて、6日間開催復活。しかもナイターです。それに加えてオリンピック組の脇本雄太と新田祐大が参加。両者はナショナルチームを卒業し、これから本業の競輪選手に戻って各地を転戦します。
オリンピック自体は2大会連続のメダル無しの惨敗となりました。私の本心で語りますと、ナショナルチームでの成果は、本来国際大会で結果を残してこそです。しかも日本のナショナルチームは東京オリンピックで成果を出す事が最大の目標でありました。しかし残念な事にそれは果たされませんでした。世界戦では銀メダルの結果は残してはいます。ナショナルチームに携わる人達はそれを補填するかの様に国内での競輪でやはり強いとかの事を言っておられますが、それは違うでしょと思います。国内はどうでも良い訳で、ナショナルチームは国際大会での成果のみが評価されるはずだからです。
しかし脇本、新田もこれからは競輪一本です。このオールスターからどんな活躍を見せてくれるか楽しみです。中0での参加ですが、初日ドリームからのスタートです。そのドリームでは深谷の先行が際立っていました。脇本はタイミングを失い、新田は良いスピードでしたが、前団の動きに大外回りを余儀なくされ結果には繋がらずでした。3番手を取った松浦に絶好かと思いましたが、半車ぐらいしか出ず敗退。その後の清水が伸びて1着でしたが、深谷強しでした。二走目は一次予選の2に出走。ここでも深谷強しでした。そしてシャイニングスターでも先行で押しましたが、古性が4番手から捲り1着。その古性も今シリーズは気合の入ったレースが連日続き優勝戦線最前列の仲間入りです。
迎えた準決勝では、深谷がここでも先行で、新田も早めに手を打ち先行、古性も同乗しましたが、流石の立ち回りで決勝に勝ち進みました。そして脇本は眞杉の先行でピンチに落ち入りましたが、何とか届き1着通過です。
決勝は福島3車に守澤が加わり、北日本4車。近畿が脇本に古性。そして、深谷、平原、中川とそれぞれ単騎となりました。メンバーを見て守澤か平原が深谷の番手を選択するとは思いました。連日先行している深谷が勿体ない感じがします。逆に深谷が一発狙いで優勝も考えられます。先行はどちらなのか。どちらが先行しても掛かりきり、そのラインから優勝者が出るのかです。叩き合えば深谷の出番かの決勝ですね。
展開予想
深谷前受けで中川も続く。そして新田率いる北日本。平原がいて、近畿ラインと考えます。脇本対新田のオリンピック組の直接対決です。この並びならまず脇本が動き、平原が追い、新田が叩くか。どちらが先行しても平原は先手ライン追走。深谷と中川は後方。新田は深谷、中川は入れないですが、脇本は微妙です。ただ新田先行で下げたらノーチャンスです。その事から考えて新田ラインが優位かと思います。先手を取ったラインの番手か、3番手が優勝すると思います。先行の可能性は新田が高いが本人が優勝しか狙ってないなら、脇本先行で古性が優勝。新田なら守澤です。叩き合いになれば深谷。4人な中では守澤、古性、新田、深谷の順です。
決勝番組
1番 新田 祐大 福島
2番 脇本 雄太 福井
3番 平原 康多 埼玉
4番 古性 優作 大阪
5番 佐藤 慎太郎 福島
6番 中川 誠一郎 熊本
7番 守澤 太志 秋田
8番 成田 和也 福島
9番 深谷 知広 静岡
車券推理
7-15-158
4-2-37
1-54-5427
9=6-37
レース結果
 4-2-7  52.8倍(8番人気)

レース経過
前受けに北日本ライン。そして中川。その後に近畿ラインで、平原が追走。深谷が最後尾で周回を重ねる。そして深谷が上昇する。それを追い脇本がさらに叩き先行体制。新田は深谷の位置に追い上げ4番手。2コーナーまくりかと思ったが動かずバック過ぎからまくりを放つ。しかし古性の後輪ぐらいまでしか伸びず。古性は張る事もなく脇本を追走。そして若干早めに追い込みに行く。脇本も踏み直したが、古性が交わし優勝。初タイトル。脇本の思い切りと、古性の冷静な立ち回りが印象的なレースであった。
今シリーズはオリンピック組の参加によりレースは混沌としました。力関係が把握出来ず難しいレースになったが、やはり脇本は脇本。新田は新田でした。ここから先、両者が記念戦線では結果を残すだろうが、GIでは苦戦するかもしれない。それは両者の力と考え方が変わってない点があります。ここ2.3年は毎回力関係の把握から始まっていましたが、各選手からその不安がなくなり、読みやすいレースとなる。それを利用するレース巧者。その筆頭が優勝した古性である。
古性の強気の攻めは清々しい。これこそが勝負する競輪選手です。安易な位置に甘んじる事なく、自身が納得出来るレースをしてきました。それはファンの皆さんも納得出来る事でしょう。脇本がグランプリに乗れば、このオールスターの再現もあります。やはり勝負する選手に勝って欲しい。それが私の願いでもあり、競輪の繁栄にも繋がると思います。古性に憧れる若手も増えてくるでしょう。レースが面白くなる。それが私の願いでもあります。
古性優作おめでとう。