過去の競走データを基にして、注目選手を分析する「選手分析シリーズ」。今回は徳島・98期の原田研太朗選手に注目しました。A級時代から抜群の成績を残して、今年7月に初のS級昇格を果たした原田選手。徹底した主導権取りから勝ち星を量産し、9月奈良FIでは逃げ切りでS級初優勝も決めました。年末にはヤンググランプリへの出場も決まり、今後ますます旋風を巻き起こしそうなニュースターです。
これからもガンガン先行して、車券に貢献していきたい
最近の成績
2010年7月に熊本でデビュー。そして今年7月にS級に初昇格した。果敢に風を切って主導権を握る先行勝負で台頭し、9月の奈良でS級初優勝を飾るなど成長著しい。四国地区が待望する先行選手の登場といえよう。
直近4ヶ月の成績(11月6日現在)
勝率 |
45.0% |
連対率 |
55.0% |
3連対率 |
60.0% |
バック本数 |
15本 |
平均競走得点 |
106.85 |
「思っていたよりも、S級でやれていて、自分でも驚いている感じですね。S級ではほとんど勝てないのかなと思っていたんですけど、FIでも決勝に乗れているので、意外にいけるのかなという感じです。一番最初のS級のレースが地元の小松島記念だったので、今まで味わえなかった雰囲気もあって、競走も姿勢も上の人たちは違うのが分かったので良かったと思います。(今の成績は)出来すぎですね。(奈良で)初優勝もまさか出来るとは思っていませんでした」
バンク周長別
S級戦は7月に初昇格につき、500バンクはまだ熊本記念の4走のみなど、まだまだサンプル数は少ないデータなので、参考として今後の数字の変化に注意したい。勝率の比較では短走路で好成績を挙げていると判断できるが、当人の捉え方はどうだろうか。
バンク別の成績
|
333m |
400m |
500m |
勝率 |
50.0% |
45.0% |
25.0% |
連対率 |
66.7% |
50.0% |
50.0% |
3連対率 |
66.7% |
60.0% |
50.0% |
「僕的には400バンクが一番走りやすいですね。400はいろいろありますけど、地元が走りやすいと思います。練習しているバンクですし、そういうことにしておきます(笑)。500は熊本で走ったんですけど、あまり気にならなかったです。まだダッシュが全然ないので出切るまでに脚を使ってしまうので、実は333が一番嫌いだったんですよ。でも奈良で優勝することが出来たので、ちょっとは苦手意識はなくなったのかなと思います。
今は先行で頑張っているので、風が強いのは嫌なんですけど、僕自体もそんなに体が大きくないので、その分、ハンデは少ないと思っています。空気抵抗が少ないので、逆に僕の後ろの選手はしんどいかなと思いますけど(笑)。風向きも考えて、いつも走っています。バンクもやっぱり軽い方が良いですね」
グレード別成績
年末にはヤンググランプリへの出場が決まっているが、現時点ではビッグレースへの参戦はないので、FIと記念のみの比較となる。記念でも小松島と向日町で2回準決勝まで進出するなど善戦している。
グレード別の成績
|
FI |
GIII |
GII |
GI |
勝率 |
50.0% |
33.3% |
- |
- |
連対率 |
61.1% |
41.7% |
- |
- |
3連対率 |
66.7% |
50.0% |
- |
- |
「記念の準決勝を経験させてもらったんですけど、そこまでいくと、まだまだ脚力の差があると実感したというのはありますね。対応するにはもっと練習しないといけないし、ギアも上げていかないといけないのかなと思います。今はずっと3.71を使っているので、みんなよりだいぶ軽いんですけど、最終的には考えて徐々に上げていこうかなとは思っています。今のギアでは、飲み込まれてしまうという感覚があって、かかればかかるほど後ろが楽になるというのも辛いですし。S級は流れが速いし、展開も早く、ペースも上がってきますからね。大ギア、4倍以上の相手が切ってきたり、カマしてきたりしたら、何も出来ないような感じになっているので、そこに対応しないといけないです」
開催日別
初日予選は勝率62.5%、連対率75%と圧巻の数字を残している。初日に勝ち上がりを逸したのは7月の佐世保のみ。FI決勝にも6場所走って4度決勝に進出しており、安定感ある走りが光っている。
開催日別の成績
|
初日 |
二次予選 |
準決勝 |
決勝 |
敗者戦 |
勝率 |
62.5% |
33.3% |
57.1% |
25.0% |
28.6% |
連対率 |
75.0% |
33.3% |
57.1% |
25.0% |
57.1% |
3連対率 |
75.0% |
66.7% |
57.1% |
25.0% |
71.4% |
「調整は前検日の前の日くらいしかしていないですね。だいたい今は2日目くらいに軽くなってくるんですけど、けっこうまちまちなんですよ。最終日が一番軽かったり、初日から軽かったりして。そこはまだ考えながら、開催を振り返って、こんな練習したら初日は軽かったなと、自分の体を知る感じでやっています。記念だと4日間走るので、そこも考えてやっています。最終日はしんどいですからね(笑)。
初日予選は期待されている部分もあるので、そこは頑張りたいというのはありますね。予選の方がプレッシャーがあります。勝たなくてはあかんというのがあるし、けっこう後ろの先輩に迷惑をかけているので、そこもプレッシャーになりますね。逆に準決勝、決勝は気楽に走れています(笑)。
敗者戦については、やっぱり負けたら落ち込むんですけど、次の日になったら、そこは切り替えて、気持ちの面で逆に吹っ切れて走れていると思います。向日町記念の最終日は、先行だけではないというのも相手に思われたら良いかなと思って捲りでした。いろいろ考えてやっています」
戦法
これは一目瞭然のデータといっていいだろう。しっかりとホームバックを取ったときは勝率も52%と高く、逆にホームバックが取れなかったときは勝率25%と数字は半分以下に落ちている。
ホーム・バック数から見る成績
|
Hのみ |
Bのみ |
HB |
HBなし |
番手 |
勝率 |
0.0% |
33.3% |
52.4% |
20.0% |
- |
連対率 |
0.0% |
66.7% |
61.9% |
20.0% |
- |
3連対率 |
0.0% |
100.0% |
66.7% |
20.0% |
- |
「今は先行で頑張っているのて、まずは風を切らないと。脚的にもそういう脚質なので、後方におかれると何も出来なくなってしまうというのがあるんですよね。今は、自分が先行をする、というのが強いです。カマされることが多いので、課題はトップスピードです。よく先輩からもキレがないと言われるので(笑)、やっぱりそこなんでしょうね。ただ、まだS級になってから徹底先行の選手を相手にしたことがないんです。そういうメンバー構成になったことがないから、今は潰しにこないで出させてもらっていると思っているので、まだまだ上では通用しないのかなと思っています。
デビューしてすぐは捲りで、途中から先行になったんです。昔は捲りが好きだったんですけど、今はダッシュがないので(得意、不得意は)分からないですね」
メッセージ
今後の出走予定
小松島FI |
11月24日~26日 |
松山FI |
12月2日~4日 |
京王閣YGP |
12月29日 |
「(調子のバロメーターは)やっぱり主導権を取って、誰も出させないで、そのままゴールしたときだと思います。
年末にはヤンググランプリがありますし、良い時期に新たな目標が出来たと思います。一発勝負は今まで9着8着と弱いんですけど(苦笑)、どっちも主導権を取ったんですよね。今回はちょっと考えて走ろうかなとは思っています。これからもガンガン先行して頑張っていくので、車券に貢献できるように頑張ります。応援よろしくお願いします」
※12年7月から12年11月5日までのS級戦の成績を集計したものです。