─今回ジャパンカップ参加のお話を聞いた時はいかがでしたか?
「もう二つ返事ですよ(笑)。競輪選手って脚が太いので、運動力学的なことを言えばロードを走るなんて不向きなんですよね。今回参加させてもらったクリテリウムはロードレースほど距離は長くないとはいえ、それでもスピードがないと勝てないわけで。でも通用するとかしないじゃなくて、僕ら競輪選手が走ることによって、こういう自転車選手もいるんだよってことをロードのファンの方々にも知ってもらえる良い機会になるんじゃないかなって思ったんです。ジャパンカップは日本最大の自転車イベントと言ってもいいくらいの大会ですし、アピールの場としてすごく大きいですよね。ロードの選手は身体も脚も細いですけど、『競輪選手はこんなに脚が太いのか』とか『がっしりした身体なんだな』とか、ちょっとでも興味を持ってくれた人の何%かでも競輪場に足を運んでいただけたら嬉しいなと」
─実際にクリテリウムを走られた感想は?
「本当に楽しかったです! もうすごい観客で、ずっと応援が途切れない感じでしたし、なにしろ宇都宮の駅前をレースで走るなんてことは普通できないので、良い経験になりました。やっぱり一度走ると、また走りたいなと思いますね。ジャパンカップだけでなく、ホビーレースと言われるような一般の方が楽しむ大会にも競輪の補助が出ていたりするんですけど、これって自転車文化を根付かせる意味でもすごく重要なことだと思うんですよ。大会がなかったら実際にレースを走ることも見ることもできないわけですから。これからも補助事業でこういうレースイベントはどんどんやっていってもらいたいなと思いますね」
─最後に競輪のお話も。大きな怪我もありましたが、現在の調子や今後の抱負など聞かせてください。
「すぐに全盛期の調子に戻すのは年齢的にも難しいと思うんですけど、少し長いスパンで見て、年内に落車する前くらいまでの力に戻れば来年は戦えるかなと思っています。自分の中で焦りはあるんですけど、焦る度にまだまだ先だぞと言い聞かせて。だから目標としては競輪祭あたりで決勝に乗れたらいいなと。そうしたら来年一年間またやっていけるかなという気はしているんで。来年は44歳になるんですけど、松本整さんの(GI獲得最年長記録)43歳を超えられる歳になったんで、そろそろ狙いにいこうかなと思っています(笑)」