2015ガールズケイリンコレクション・京王閣ステージを優勝した小林優香。
先行する奥井迪の番手を狙って取り、そこから捲って出た。その後ろについた石井貴子とゴール前で接戦になったが、それを制しての優勝だった。
しかし、小林自身はこの優勝に満足はしていない。もっとこう動けばよかった、こうすればよかったと反省の思いが募るのだ。
小林優香の掲げる2015年の目標とは?
また、彼女のもう一つの目標である世界に向けての意気込みも聞いた。
もう少し余裕が持てたら、もっと自分の走りが出来ると思うんですけど…
-ガールズケイリンコレクション京王閣ステージは作戦通りでしたか?
「メンバーを見て、奥井(迪)さんは動くと思ったし、早い展開になるだろうなと思っていました。当初の作戦は奥井さんの番手に入って、彼女のスピードに乗る前に、ホームでカマして一気に自分が前に出れば、皆は奥井さんの動きしか見ないだろうし、そうしたらぶっ千切って勝てると思っていたんです。でも、そこが流れも早かったし、奥井さんもいつもより前半の動きが早かったので、そこは見て、バックから一気に行こうと思ったけど、少し行くのが早すぎたし、車間も空けてなかったので、出るのも遅くなって、ゴール前であんなに接戦になってしまい、そこはダメだったなと思います」
-今回の優勝を振り返った今の心境は?
「ビッグレースは、ガールズグランプリ以来のレースだったので、臨むのが怖かったというか…、心理的には万全じゃなかったと思いますが、結果として、とりあえず勝てたことは、あの状態で勝てたのはすこし自信になりますね」
-レース前に不安を感じていたのでしょうか?
「ガールズグランプリでの自分の一番の失敗は気持ち的なものだと思っているので、臨むにあたってしっかり練習はしてきたけど、どうしても『勝たなきゃ』っていう気持ちが大きかったので…、気持ち的にも余裕がなかったというか…」
-勝たなければならないというのは周りからも言われていますし、人気であったから?
「そうですね、私に求められているのは勝って当たり前、その内容なので。それを求められているのは自分でもわかっていますし、そこを少し余裕を持って、ここは私にしか見えない世界なんだと思えたら、まだ楽な競走も出来ると思うし、もっと自分らしい走りが出来ると思うんですけど、そこがまだまだ子供で(苦笑)、1年、1年成長できたらなと思います」
-実際に成長は感じますか?
「ガールズグランプリが終わって、悔しいというよりも、何をやってきたんだという気持ちの方が大きくて、自分に失望したというか、今まで何のためにやってきたのっていう気持ちになったんですけど、でも、負けて得るものの方が大きいなというか、だからと言って、今まで通り緊張がなくなったというわけではないですけど、でも、普通の開催の時とかは自分の中に客観視が出来る部分が出てきたと思います」
自分を越えられたら新しい世界が見えてくると思います
-ナショナルチーム合宿が3月後半にありましたが、感想や強化したいポイントはありますか?
「自分の持ち味であるスピードや持久力は、自分にしか出せないものだと思います。特に短距離の中のダッシュのいい人たちに比べて、自分はダッシュがない分、持久力があるので、そういう部分では持ち味を発揮しているかなと思います。2周もがきもコンスタントにタイムを落とさず出来ましたが、スタートがつけばチームスプリントの2走目だって、楽につければ後半上がると思いますし、今、強化したい部分はスタートですね」
-そこが今回わかったポイントでしょうか?
「…もとからわかっていたポイントですけど(苦笑)。いまいち、ちょっと難しいところでもあります」
-なるほど、これからその部分を強化していきたいですね。
「そうですね、けど、あまりコーチたちからは期待されてないと思いますけど(苦笑)」
-コーチたちもケイリンやチームスプリントで、スピードに掛かるまでのダッシュがついてきたら非常にいいなと感じているのではないかと思いますが。
「そこもイマイチ自分に自信が持てないところですね。合宿中もけっこうな頻度で怒られました。ずっと『もっと上げろー』って叫ばれっぱなしでした(苦笑)」
-そこが上がれば、チームスプリントの2走として理想的ですよね。
「しっかり頑張りたいと思います!」
-一番破っていきたい殻はどこですか?
「どうしても相手を見ての競走をしてしまうので、自分の持ち味というか、段々と自分を信じられなくなっているというか…」
-どのような部分でしょうか?
「自分を信じて思いっ切り行けたのはデビュー戦の時だけだったので、あれが一番自分のベストだと思いますし、あれが出来るからお客さんも周りの方も言うってわかっていますけど…、相手を意識してしまうので、もっと自分に自信を持つことですかね」
-では今後のガールズケイリン、競技、両方の目標を教えてください。
「ガールズケイリンでの目標は、昨年達成出来なかったガールズグランプリの優勝です。昨年は出るところまでを公言してきましたが、今年は優勝を目標に。それまでの過程でまだガールズケイリンコレクションがあと2回とサマーナイトフェスティバルがありますが、1つ、1つの舞台で成長していっている自分を見せられるように、自分を越えて、年末に優勝することが目標です!」
-自信はいかがですか?
「自分との戦いなので、自分を越えられたら新しい世界が見えてくると思うので、しっかり達成したいと思います」
-競技の方は?
「近い目標では、全日本選手権トラック競技大会(4月11日12日)に、(石井)寛子さんとチームスプリントに出るので、まずそこでしっかり記録を出したいと思います。それとケイリンと500m.TTに出るので、そこの2つで優勝することが目標です」
-では、最後にファンにメッセージをどうぞ。
「昨年は不甲斐ないレースで迷惑をかけてしまいましたが、今年の目標は自分の殻を破ることともっと大きいレースを見せることです。しっかり頑張りますので、応援よろしくお願いします!」
ガールズケイリンコレクション・京王閣ステージには髪型を一身し、少し大人でガーリーな雰囲気をまとった小林優香選手。ガールズグランプリ2014では優勝に届かず悔し涙を見せた。そのレースを活かし、今年最初のガールズケイリンコレクションを優勝した。今年もガールズのトップ選手として最高のレースを見せてくれるだろう。