インタビュー



2016年初のビッグレースとなったガールズケイリンコレクション名古屋ステージを優勝した山原さくら。新しい環境を求めて小倉の練習に参加した山原、その成果をバッチリ出した。
年末のガールズグランプリ出場を目指して、さらに脚を作っていきたいと思います
-ついにビッグレースを制しましたが、感想はいかがでしたか?

「優勝させてもらったんですけど、落車が大きかったので、あまり優勝したっていう実感はなかったですね。後から段々こみ上げてきたけど、でも、直後はあまり喜べない感じはありましたね」
-改めてレースを振り返ってどうでしたか?
「私らしくないレースで、落ち着いて走れていて、自分が一番びっくりしましたね(笑)」
-ポイントはどこでしたか?
「初手で4番手を取ることが出来て、正直、それだけで自分の中では『あぁ、頑張ってきてよかった』と思うくらい嬉しかったです(笑)。でも、その後もすごく冷静に考えることが出来て、動く選手が全員後ろにいたので、この位置にいても難しいって思い、勝手に身体が前へ前へ動いてました。
 奥井(迪)さんが1人で上がってきたのでラッキーだと思ったんですけど、先頭が石井貴子さんだったのでダッシュがあるので余裕で飛びつかれるなと思って、これは『どうしよう、浮く…』って思ったんですけど、並走覚悟で行ったら、番手に入れたので、そこはもう勝負でしたね。もうずっと落ち着いて走れていて、自分でもびっくりです(笑)」
-父・山原利秀選手やお母さんからは何て言われましたか?
「すごく喜んでいました! まさか、優勝出来ると思ってなかったみたいで、『まずは頑張って3着を目指そう』とか『落車しなければいいよ』みたいな感じで(笑)、いつも通り送り出してもらったので、すごくびっくりしていました」
-名古屋の前に小倉で練習したそうですが、小倉で練習をするようになったきっかけは?
「同期の市橋(司優人)君がいるんですけど、『いつでもおいで』って言ってもらっていたけど、他に知っている選手がいなくて、なかなか行きづらかったんです。でも、ニコ生放送のイベントで呼んでいただいて、そこで(小倉の)たくさんの選手とお話する機会があり『合宿においでよ』って誘ってもらって、行動に移したのがガールズグランプリ前の時でした。それから2月の中旬に10日間ほどお邪魔させてもらって、高橋朋恵ちゃんと一緒にウィークリーを借りて、自炊をしながら練習していました」
-高橋朋恵選手と一緒というのはどうしてですか?
「朋恵ちゃんも、佐世保に女子が1人しかいないですし、誰かと練習したいとなった時に、『じゃ、お互いに場所を求めて小倉に一緒に行かない?』って私が誘ったら、もう『行きます、行きます!』ってすぐに言ってくれて、それで2人で小倉の練習でお世話になりました。もう姉妹みたいに(笑)」
-どんな練習をしたんですか?
「バンク練習を含め、大坪(幸一)さんに体幹トレーニングのジムに一緒に連れて行ってもらったり、あとは八谷(誠賢)さんが階段トレーニングに連れて行ってくださったり、皆さんがあの練習、この練習やろうと皆さんが気を使ってくださって、色んな練習をさせてもらいました。本当に感謝の言葉しかありません」
-また行ってみたくなりますね、それは。
「はい、またすぐに行く予定です(笑)。とりあえず小倉で祝勝会を開いてくれるっていうことなので、なんでもいいから顔を出してって言ってもらって、それがもう嬉しいです!」
-小倉の選手の皆さんにもいい刺激になったんですね。
「最近、小倉の選手の皆さんの成績がよくて、松尾信太郎さんがS級初優勝されていたり、A級の選手も決勝に乗ったり、優勝や、確定板を外さずというような感じなので、それがまた私の刺激になって嬉しいですね!
 10日間の練習の内で休んだのが1日だけで、普段はもっと休むんですけど、もうそれぐらい練習したくて、したくてしょうがないというか、バンクに行きたくてしょうがないって感じで、いつも以上に力も出ましたし、本当にいい刺激になりました。
 名古屋のレースが終わってから、ちょっと落車が多かったので素直に喜べなかったんですけど、帰りのタクシーで携帯電話を開いた時に小倉の選手から連絡があったんです。優勝したら競輪場に名前を道場にはったりするんですけど、それで、小倉の道場に私の名前を貼ってくださって! それを見て、もう涙が止まりませんでした!! それを見た時に、頑張ってよかったって本当に思いました!! 別所(英幸)さんと原田礼さんが考えてくれたそうなんですけど、副支部長の吉岡(啓史)さんに頼んでくれて、『普通なら他県の選手だし、ありえないことだけど、さくらならいい』って言ってくれたそうで、副支部長の許可をもらって貼ってくれたそうで、それが本当に嬉しかったですね!」
-今後の目標を教えてください。
「やはり年末のガールズグランプリ出場と、今度はしっかり優勝を狙っていけるように、今から脚を作っていきたいと思います」
-ファンにメッセージ
「いつもたくさんの声援ありがとうございます! やっと大きな舞台で結果を残すことが出来ました。……山原は弱いと言われ続けてきて、結果を出せなかった自分も悔しかったし、応援してくれたファンの皆さんにも残念な思いをさせてしまってきたので、その屈辱を晴らせました。これも、今まで投げ出さずに応援してくださっていたファンの皆さまのおかげです」