インタビュー



亀川史華のデビュー戦を観た方々はどの様に感じられたでしょうか?少し不安の方が大きかったと思います。
しかし、今ではその不安も払拭し、ガールズ選手として大きく成長しています。
今回はデビューから今までを振り返ってもらいました。
自分の中での意識が変わったおかげです
-デビュー戦は相当心身ともに落ち込んだと思いますが、2016年末から決勝を外していません。立ち直れたポイントはどこでした?
 「うーん、脚的にはデビュー前の方がタイムがよかったし、正直、デビュー戦(2016年7月名古屋)はいいスタートを切れるんじゃないかなと思っていたんです。でも、それがあの結果(7事故入、4、失)になってしまって、練習も一生懸命やったのに、何でこんな結果なのみたいなすごい落ち込んでしまって…。結果だけではなくて失格までしてしまったし、落車で巻き込んで怪我をさせてしまった人もいたし、自分に対しての自信だけではなくて、レースに対しても凄い恐怖心があって、本当に辞めようかなと思ったくらいレースが怖くなっていました。自分が積極的に動いたら、また失格して、最悪、誰かを巻き込んでしまうのかなっていう恐怖心がありました。
 でも、10月の弥彦のレースの時に外国人選手リ・ケイシさんと一緒のレース(2日目6R)を走る機会があったんです。そこで、私は4コーナーからカマシ先行しに行ったんです。いつも絶対しないことだったし、なんでかわからないけど、挑戦したんです。結果は7着だったんですけど、それまで自分の中で縛られていたものがほどけたみたいになって。自分で風を切って、先頭を走れば、誰も傷つけなくて済むんじゃないかみたいな気持ちになり、自分自身も安全だし、捲られる時は怖いけど先頭にいる限り、落車の危険性はかなり低いじゃんって思ったんです。3日目の一般戦も先行して、ホーム、バックを初めて取れて、7着だったんですけど、でもすごい自分の中で吹っ切れたというか。けど、こんな成績で父もほめてくれないだろうなと思って家に帰ったら、『すごくいいレースだった』って、負けたのにそういう風に言ってくれたんです。選手だったら結果がすべてだし、負けていいことなんてないと思うんですけど、こうやって惨めに帰ってきても、ちゃんと暖かく迎えてくれる人もいるんだっていう気持ちなりました。負けるのは恥ずかしいみたいに思っていたんですけど、そこから自力を出すようになりました。
 次の一般戦では先行して2着になって、その次の一般戦で先行して、また2着だったんですけど、本当に最後の番手に差されるだけというところまで来てて、その3場所目の一般戦で、同じく先行しようと思って発進したら、上手くカマシてきた選手の番手にはまって1着だったんですよ。そこから、あ、1着だみたいな感じでした。
 その次の平塚で、同じような感覚で、高木真備選手に合わせるつもりでいって、それで高木選手の番手にはまったらラッキーだなという感じで思っていたら、なんか突っ張れてしまって、逃げ切ったんです。それから、性格的に行けば何とかなるんじゃないかって思いました。自信はないんですけど、いつも(笑)。
 どんな練習しているんですかとか聞かれるんですけど、別にデビュー前から何も変わってないし、何か変えたわけでもないけど、自分の中での意識が変わっただけって感じですね」
-好調というわけではなくて、亀川選手本来の力がでるようになったという事なんですね。
 「やっと練習で出している力がレースでも反映されてきたかなという感じです。
 兵庫の選手は、よく『練習は凄い強いのになんであんなレース弱いんだ』と言われてたんですが、『最近はレースと一致してきたよね』みたいに言われています。別に劇的に強くなったわけではないんですけどね(笑)。
 仕掛ける勇気と仕掛けるタイミングとかも、ちゃんと分かってきた、先頭で風切ったときの駆け方というか、ここで休んで、ここは踏んでとかいう感じも分かってきてという感じですかね。でも、相手によりますけどね」
-初優勝もみえていますが、課題とかありますか?
 「決勝には必ず乗るだろうという選手になって優勝して、優勝候補には上がってくるような選手になりたいですね、まずは。それが実現してから、もっと上を見られるようだったら、いいなと思っています。
 佐藤亜貴子選手もデビューして1年間半ぐらい初優勝までかかったそうだし、佐藤さんはいつも果敢に攻めていて、素敵だと思う選手の一人ですけど、普段から積極的に頑張っていて優勝したみたいなのがすごく素敵だなって思います」
-練習の方はデビュー前から変わらずという事ですが、どのように練習しているんですか?
 「わりと自分一人で考えて、一人でやってから、時々バンクに入って、アドバイスをもらって、また自分で修正して、また2週間後、3週間後に見てもらってという感じです。基本は自分で考えて、自分でやる感じですね。毎日同じことはしない事を万遍なくやっていますね。乗り込む時もあるし、単発のダッシュをこれでもかとやる時もあるし、自転車に関係ないことも、ウエイトトレーニングとかやったりしています。
 メニューは朝起きた感じの体調で決めますね。今日はこれかなとか、昨日はこれだからこれかなとか、そんな感じですかね」
-ファンにメッセージをお願いします!
 「まだまだ成績が安定しなくて、ご迷惑をかけることも多いと思うんですけど、一生懸命レースに取り組んでいます。レースが終わった後、ファンの皆様の『ありがとうー』と叫んでくれる声援が一人でも増えたらいいなって思いながら走っていますので、もっと強くなって、車券に貢献できるように頑張ります!」
亀川史華(かめかわ・ふみか)
1991年5月9日生まれ。身長170.3cm、体重62.7kg。
趣味は?「ゲームしていますね。オンラインゲームです。兵庫県の選手も同じゲームをやっている人が何人かいて、実際に練習で会うとかよりもゲーム内で会うことが多いです。こんばんはとか言って、コミュニケーションを取っています(笑)」