インタビュー

『俺はこれで生きている』
競輪に対するこだわりや、競輪競走を走るポリシーにポイントを置いたインタビューです。
今回は岡村潤選手に、競輪選手を目指そうと思ったきっかけや、追い込み選手としての目指していることなどを話していただきました。
ラインで決めたいという強い想い、そこから見えてくる岡村選手の優しさと信条を守り抜く芯の強さを感じられます。
伊東温泉競輪で行われるサマーナイトフェスティバルでもその頑張りに期待したいですね。
前が駆けて、自分が出来る限り仕事してワンツーが理想ですね
-岡村潤選手が、競輪選手になろうと思ったきっかけは何だったんですか?
「中学3年生の進路を決める時に、友達が『競輪選手になりたい』って言っていて、自分も自転車好きだし、目指そうかなと思ったのがきっかけでしたね。それから、アトランタオリンピックで十文字(貴信)選手がメダルを獲ったのを見ていて、そういう世界もあるんだって知ったこともありました」
-86期で競輪学校に入られていかがでしたか?
「皆、強かったですからね。こうしようとかって考えていたわけではなくて、その日、その日を過ごしていた感じでした」
-86期は個性的なメンバーがそろっている印象ですが、学校時代はどうでしたか?
「今より個性はそこまで強くなかったというか、まぁ、グループも分かれていたし、学校の時は話さなかった人もいましたし、僕は年齢が下で入ったので年上で話しづらい人がいたし、選手になってからだいぶ話せるようにはなりましたけど」
-では、デビューしてからは振り返っていかがでしたか?
「B級は特進したし、S級も比較的に早い方にあがったんで、前半はいい感じだったと思うんですけど、途中でA級に落ちたりとかしました。今思えば、もう少し考えながら、今みたいにしっかりやっていたらよかったかなという気持ちはあります」
-岡村選手が今の戦法を変えようと思ったきっかけは?
「もう単純に先行が通用しないっていうのと大ギアでした。特に、大ギアになって先行が通用しないって、ぶち当たって。3年か、4年前くらいですね。とにかくギアが重くて、先行してもバックまでもたないことが続いたので、それからちょっとイン粘りとかするようになった感じでした。もう自分の頭の中で1周はもたないって、そう思って走っていたので、余計にそうなっちゃったのもありますね。もう少し考えられていたらよかったけど、その時はそう考えられなかったです」
-今の岡村選手の走りを見ていて感じるのは、きっちり後ろをかためる走りだと思うんですけど、どんなことを考えて、岡村選手は走っているんですか?
「当時、自分が自力の時は後ろが仕事しなくても、自分が弱いって思っていた部分もありましたけど。自分が後ろになった時に何かしてあげたいっていうのは常に思っていることですし、それで先行選手の着もだいぶ変わりますし、仕掛けも変わるだろうし、そういうところは意識していますね」
-どんなレースが出来たら一番嬉しいですか?
「ワンツーがいいですね。前が駆けて、自分が出来る限り仕事してっていうのが理想というか、上手くいったなって感じますね。そういうレースはまだないんですけどね。全て完璧に出来るかわからないけど、それに近づけ続ければいいと思います」
-一歩ずつというのは岡村選手らしいですね。
「急にドーンって強くなるわけでもないと思っていますし、地道に。自分がそういう風にやってきた結果が、33歳、34歳で出ているものもあるので、そこは地道にやっていければいいかなと思います」
-最近の南関東の盛り上がりはどう感じますか?
「若手があがってきたり、中堅の人たちも盛り上がっている感じがするので、自分としてはそこにしっかり乗っていって、しっかりアピールしたいと思います。でも、静岡からっていうとちょっと寂しい感じもしますね」
-伊東温泉のサマーナイトフェスティバルも静岡勢は2人だけですね(苦笑)。
「そうですね(苦笑)。地元の開催で少し寂しいですけど、(渡邉)雄太も、僕も、戦える力はついてきているので、2人ともそんなに悲観的な感じではないです。なんとかなるかなっていうのは、高松宮記念杯の時も2人で話していました。高松宮記念杯で色々と話をして、お互いのクセなんかもだいぶわかったりしてきたし、準備はだいぶ出来てきたんじゃないかと思います」
-また、岡村選手は3月に伊東温泉競輪で完全優勝されていますね。
「あれは小埜正義が頑張ってくれたおかげですね」
-話していて感じるのは岡村選手は優しいですよね。
「いやいや(笑)」
-でも、その優しさがレースでいい時も悪い時もあるところが競輪は難しいですね。
「うーん、もっとシビアにいけばいいんだろうと思うんですけど、なかなかそこにいけないというか、そこにいかないといけないというのであれば、そうせざるを得ないんですけど、でも、僕は僕ですし、甘いのかもしれないけど、僕のスタイル的にはラインで決めたいという思いがあります」
-では、今の岡村選手の目標を教えてください。
「特別の決勝とか、なるべく上のクラスで戦うっていうことが常にいま思っていることです。今までは凡走しても思わなかった悔しさがかなり出てきているので、だいぶイメージが自分の中で出来てきているのかなと思います」
-最後にファンにメッセージをお願いします。
「今年、来年に向けて、GIの決勝に乗れるように頑張りますので、応援よろしくお願いします!」
岡村潤 (おかむら・じゅん)
-趣味や癒しの時間は?
「本当は釣りなんです。けど、なかなか釣りに行っている時間がないので、子どもと遊んでいる時間ですかね。長男とはキャッチボールしたり、下の子とも遊んだりするので、そういう時に癒されますね」