インタビュー

デビュー当時、一人の天才が現れたと言われたのが深谷知広だ。
高校生時代には数々の記録を残し、自転車競技界の星でもあった。
デビュー後、破竹の連勝を重ね、最速の18連勝でS級に昇級。
その後の活躍は周知の通りだろう。
そして、東京オリンピックでメダル獲得を目指し、いままた世界に向けて羽ばたく。
「親が競輪ファンだったので、物心ついた頃から競輪選手になるというのは植え込まれていました」
─と、競輪選手になった理由を語ってくれた深谷選手。競輪選手になってどうですかと聞くと。
「自分にすごく向いているなと思っています。充実しているんで。楽しめています。競輪には毎回チャレンジできるチャンスがあります。他の競技だと頑張っていても出場のチャンスが無いのもありますし、競輪だと毎月2回チャンスが与えられる、それで毎回毎回、成果を発揮できる場があるというのは自分の中でもずっと楽しめている要因でもあると思います」
─走ることが好き?
「そうですね、自転車自体も小さい頃から好きでしたし、本当に趣味を仕事にできているという感じですね」
─競輪選手になって良かったこととは
「真面目なとこで行くと、みんなに応援してもらえるというのと、応援してもらっている形がすごく手にとってわかります。車券でオッズにしろ、ファン投票もあるし、お客様も近いですし、出会う機会もあるので、そういうところでやりがいや楽しさがあるので」 真面目では無いところでいくと、好きな車が買えるというところでですね」
─ちなみにいままで何台ぐらい?
「20台は超えていますね」
─今まで会心のレースはありますか?
「結果で考えれば、金子さんが優勝したグランプリもそうですし、松戸のサマーナイトを優勝したときは先行して逃げ切って。
自分の中で理想としているのは、観音寺記念の優秀戦(2011年10月29日)のときに自分の中の本当の理想の先行ができたので、あれを追い求めてずっとやっていますね」
─心残りのレースは?
「ありすぎて上げれないぐらいです」
─その自分の中の理想のレースとは?
「結果とか内容で行けば、しっかり先手とって、全部突っ張り切って1着でゴールするということですね。その中で観音寺記念の優秀戦のときは、打鐘から全開で行って、タイムが11秒5(バックからホームの200m)、4(ホームからバックの200m)、3(バックからゴールの200m)の600mを全部上げて回れたので、あの先行ができれば捲られることはないだろうなと思っているのでそこを追い求めています」
─競輪選手として目指すところはどこでしょう?
「GI優勝、グランプリ優勝を毎年目指すことです」
─それは仕事としてでしょうか、それとも自分が追い求めるものとして?
「両方ですね。やっぱり先行してグランプリを優勝するのが一番の理想なので、その中でしっかり自力でタイトルを獲りに行きたいです」
2017年11月12日Tissot UCI WorldCup Manchester
三日目1kmTTを走る前の深谷。
─そして、今また世界を目指しています。
「自転車競技はずっと好きでしたし、離れている間もレースはずっと観て。その中で新田(祐大)さんとずっと競技の話はしていたので、その中でドリームシーカーに誘ってもらって、加入するタイミングも自分の中で気持ちが高まって、東京オリンピックも決まっていましたし、自転車も競技用の新しいのを買ったタイミングとすべてがマッチしてトントン拍子に戻ってこれました」
─競技の方に戻った感想は?
「やっぱり楽しいですね。やりがいもあって、周りは強い選手ばっかりで。こんな環境があったんだなと思って、刺激が入っています」
─それは競輪にも生かされている?
「そうですね、トレーニングが変わってからも競輪では自分でもある程度強くなっている実感もあるので、これがもっと続いていければ楽しみだなと思います」
─いま目指しているものはどこでしょう?
「そうですね、やはり東京オリンピックがあるので、東京オリンピックで日本がメダルを獲れるように、その中に自分が入っていけるように頑張ります」
─さて、深谷選手にとって競輪とは?
「んーー、まあよくある言葉ですけど『生きがい』だと思います」
─走ることが生きがい?仕事としても生きがい?
「両方ですね。自分がいまあるのは全部競輪のおかげだと思っています。競輪をやっていなかったら、考えられないぐらいの、何をやっていたのかわからないぐらいなんで。本当に競輪がすべてですね」
─ファンに向けてメッセージをお願いします。
「東京オリンピックまで時間もないのでしっかり頑張って、競輪も盛り上げて、自転車競技を盛り上げられるように、一生懸命頑張りますので応援よろしくお願いします」
深谷知広(ふかや・ともひろ)
1990年1月3日生まれ 169cm 90kg
リフレッシュの時間はと聞くと「音楽を聴くこと、車にのることです」でした。