世界選手権男子ケイリンで銀メダルを獲得した河端朋之選手。
メダルを獲ったからインタビューをしたのではありません。その前の段階で、競技に打ち込む河端選手のインタビューをしようと決まっていました。
そうしたら何と25年ぶりの快挙を達成しました。
本当におめでとうございます!
そして、自転車競技でメダルを目指したいという方もこのインタビューは必読です!
ガツガツしていないんですよ。
日々のトレーニングをしっかりやった結果
-まず自転車競技を始めた理由は?
「高校で、最初は陸上をやるつもりでいたんです。でも、春休みくらいに一回行ったけど全然ついていけなくて(苦笑)、部活をやることをやめるかと思っていたら、ちょうど担任の先生が自転車部の顧問だったので、それで自転車部に入ろうと思いました」
-そして競輪選手になろうと思ったのは?
「高校卒業した時は思ってなくて、競輪選手っていうのも全然知らなかったんです。でも、僕は早生まれだったので、次の年のジュニアアジア選手権に出られたんです。そこで、競輪選手に会ったり、他のジュニアの子たちは皆が競輪選手になるって言ってたのを聞いて初めて競輪選手を知って、そこから競輪学校の試験を受け始めたんです。その時のアジア選手権には井上昌己さんや太田真一さん、矢口啓一郎さんとか稲垣裕之さんらがいて、そこから目指してみようと思いました」
-競輪選手になってから、競技もやろうと決めていたのでしょうか?
「いえ、全然決めてなかったですね。たまたまというか、鳥取の先生が、チャレンジ・ザ・オリンピックがあるから高校生と一緒に行ってみるか? っていう話になって、それで久しぶりに行ってみようかなってなったんです。そこで強化育成に選ばれまして、やってみようかなという感じでした。思っているよりガツガツとした感じじゃなくてすみません(笑)」
-いままでもいまも競輪と競技の両立は大変だったと思いますが、いかがでしたか?
「でも、高校から競技はやっていて好きだったし、両立で苦しいとかはなかったですね。忙しいというのはあっても、楽しくやらせてもらっています」
決勝発走前
1-6位決勝。残り2周。最後方を走る河端。
ゴール前。差せば金。しかし捲り追い込みはとどかず銀。
-さて獲ったばかりですが、世界選男子ケイリンでの銀メダル獲得の感想は?
「難しいですね…、嬉しいしかないですけど、でも、終わってすぐに思ったことは周りの選手が強かったなということでした。他の選手が、一回脚を使って動いて、という中で僕一人が脚を溜められる状態だったので。本当に周りの選手の強さが凄かったんですけど、でもこういうチャンスとか自分のタイミングさえ逃さなければ獲れるということが分かったのでそれが自信につながりました」
-河端選手にとって今回の新体制は大きかったですか?
「だいぶ変わりましたね。練習自体もそうですし、練習環境も伊豆でみんなでまとまってずっと一緒にトレーニングを続けていくという環境ができたことが凄く刺激になっていますね。
学生のころから、ジュニアで優勝もしていないし、優勝したのはたぶん競輪学校入る直前の国体とか、それまで日本一はなくて。選手になって、全日本選手権で、たぶんロンドンオリンピックでみんなが出ない時にポンポンポンと優勝できて。アジアで15年くらいに優勝してという感じなので。ガっといきなり強くなってきた選手ではないんで。一日づつという感じですね。それが実を結んでいるのは。」
-遅咲きというのはそれだけ日々きちんとやってきたからなのでは?
「トレーニングはしっかりやってきたと自分では思っていますし、周りの環境も凄く恵まれていたかなと思います。タイミング的にも。それこそジュニアアジア出た時も、本当は全然僕出れないとこだったんですけど、北津留(翼)とかがいて。SARSでアジア選手権の日程がずれたんですよ。それでインターハイと被ったから、北津留がインターハイに出ると言ったから、それで僕がそこに行けるみたいな、ラッキーみたいな! それでそこに来ていた競輪選手みんなを見て選手になろうかなみたいな。で、ナショナルチームに入って、オリンピック選手がいない隙に全日本を獲って」
-言い方を変えると与えられたチャンスはみんなものにしているみたいな。
「今回もそういうレースの中でもチャンスが出てきたときにしっかり獲る準備が出来ていたというのが、すごくうれしかったですね」
-競輪と競技のそれぞれの目標をお願いします。
「今回は銀だったけれども、もちろん上がありますし、今の自分の競技の到達点はオリンピックのメダルを目指しているのでそこに向かって、今回の結果を力に更に変えて。まだまだ足りない部分が見つかったので、まだこれから精進していきたいと思います。
競輪は走る機会が少ないんですが、競技のほうの力をしっかりと存分に出せるように沢山の期待に応えられるように走りたいです」
-勝たなければいけないプレッシャーを感じますか?
「こうなったら本当にそういう気持ちになって頑張ります!」
-ファンにメッセージを
「行けるところまで力の限り頑張っていきます」
河端朋之(かわばた ともゆき)
1985年2月7日生まれ 身長170㎝ 体重73㎏
世界選後、少しオフになりますがしたいことは?という質問に
「確定申告ですね(笑)。それとしばらく会っていなかった人と会ったり、家の関係ですね用事がたまっているので」
だそうです。