1月26日から28日にかけ、第3回日韓対抗戦競輪が行われました。
伊東温泉競輪場、韓国・光明競輪場に続く第3回目は、京王閣競輪場で開催されました。
今回は日韓対抗戦競輪のダッグアウトの模様をお伝えします。
1月22日 共同記者会見
京王閣競輪場で、韓国選手16名全員と日本人選手から村上博幸、齊藤努が参加し、それぞれ意気込みを述べました。
韓国選手団は、この前日から京王閣競輪場に入り、地元の選手らと練習を重ねました。
今回から韓国勢は、韓国で使っている自分の自転車で参戦が可能になりました。また、日本と同様に今年からギア規制が始まり、日本と同じ最大で3.93になったそうです。
韓国は、国を懸けての参戦でひしひしと勝つという気持ちが伝わって来る記者会見となりました。
この日は生憎の雨模様で、バンクを使った練習ができずローラー台を使った練習となってしまいました。
記者会見後のフォトセッション
村上博幸選手と
練習開始
練習開始
1月25日 前検日
前検日は、身体検査、車体検査、指定練習、参加式、そして、韓国選手は共同インタビューが行われました。
日韓の対決は両国とも1勝1敗。自国開催で負けられない日本、連覇したい韓国と、お互いに気合の入ったコメントをしていました。
受付をし、練習用のヘルメットカバーを受け取る
指定練習
脇本雄太選手はさっそく日韓交流。
韓国選手のインタビュー
韓国選手のインタビュー
韓国選手のインタビュー
韓国選手のインタビュー
集合写真
1月26日 初日
オープニングで、日韓対抗戦競輪参加選手全員で、開会式を行いました
開会式
7レースから10レースまでが日韓対抗戦。
7レースは、川村晃司が先行し、番手の中村一将が交わして1着。川村が2着に逃げ粘り、林雄一が3着と日本勢の上位独占。ただ、パク ヨンボムとパク コンビらの落車のアクシデントという残念な幕開けになってしまいました。
7レース
8レースは、伊藤裕貴とチョン ジョンジンが叩き合い、チョンが最終バックを取る展開に。捲ってくる相川永伍に合わせて、キム ミンチョルが捲っていく。キムが1着、2着がウォン シンジェ。3着に中川誠一郎が入線。
8レース
インタビューに応えるキム選手
9レース、豪快な捲り追い込みで脇本雄太が1着。2着は佐藤友和。3着にイ ウクトン。
9レース
10レースは、ファン スンホの牽制にあいながらも、雨谷一樹が前に出るが、それをキム ヒョンワンが叩いて先行。一旦引いた、桐山敬太郎が早めに捲っていく、最後に村上博幸が追い込んで1着。2着はファン。3着に桐山。
10レース
日本のレースに慣れていないせいか、韓国勢は日本のレース形態に戸惑っている印象の初日でした。
ライン戦の認識のズレが、初日のレースには見られました。韓国のレースは基本、単騎戦なので、連携しての仕掛けどころが難しそうだという印象が強く残りました。
また、結果に意気消沈気味の韓国勢が翌日、翌々日にどれだけ適応してくるのかが気になった初日でした。
1月27日 2日目
2日目は、予選2が行われました。予選1と予選2のポイント上位者の各国4名が決勝戦に進出します。
まずは7レース、捲るパク ヨンボムを、直線で伸びてきた佐藤友和が1着。2着にパクの番手から追い込んだキム ミンチョルが2着。3着には志村太賀。
7レース
レースを終えて、韓国選手と話す佐藤友和選手
8レースは、中村一将が先行し、ペ ミングが捲っていく。それを捲り追い込んだ中川誠一郎が1着。2着にペの後ろから追い込んだファン スンホが2着。3着に伊藤健詞が入線。
8レース
9レース、リュ ジェヨルが先行。キム ヒョンワン、ウォン シンジェが最終1センターで落車。脇本雄太がそれを避けて捲っていき、後続を離して1着。2着に林雄一。3着に阿竹智史。
9レース
脇本選手も韓国選手とお話し!
10レース、伊藤裕貴の番手から相川永伍が捲り発進。直線、村上博幸が交わして1着、桐山敬太郎が2着、3着に相川。
10レース
10レースでイ ウクトンがゴール直前で落車と、9レース、10レースと残念ながら落車が続いてしまいました。
戸惑いながらも、徐々にライン戦に慣れつつある印象があった韓国選手達でしたが、ここまでは韓国勢とはいかず、苦戦。しかし、徐々に慣れてきた感じもあった二日目でしたが、韓国勢の表情は、ますます暗くなっていたのも事実でした。が、逆に日本勢の表情は明るかったのですが、油断大敵的な感じも拭えないと感じたのも事実です。あまりにも二日間圧勝していましたからね。
1月28日 最終日・決勝戦
最終日、7レースは、雨谷一樹が先行。コン ミンウが捲ってくると屋良朝春が牽制。直線で外伸びたカン ジンナムが1着。2着に志村太賀。3着に屋良が入った。
7レース
8レース、最終ホームから仕掛けた川村晃司が逃げ切って1着。2着に川村マークの齊藤努。3着にパク コンビ。
8レース
9レース、桐山敬太郎を叩いてチョン ジョンジンが最終的に主導権。最後、ユ テボクが交わして1着。チョンが2着に逃げ粘った。3着にペ ミング。
初日、2日目とは打って変わって、韓国勢が優勢な結果になりました。ヨコありなどレース形態の違い、400バンク、室外など、違いがたくさんあり、その違いにやっと慣れたと言っていた選手が多かったです。
9レース
7レースを走ったカン ジンナムは「1着はすごく嬉しい気持ちでいっぱいです。次にまた日本で戦えることがあったら、次はもっと成長したいです。今回はあまり韓国勢はいい成績を出せなかったので、もっと皆といい成績を出したいです。やはり慣れるのは時間が掛かったけど、もう少し戦えば慣れると思います」と言っていました。
1着のカン選手
10レース・決勝戦、ウォン シンジェが打鐘から仕掛け、後方から脇本雄太が動くが、それに合わせて最終ホームからリュ ジェヨルが発進。最終3コーナーでリュの後ろからキム ミンチョルが捲って1着。2着に佐藤友和。3着にファン スンホが入線。
・1着のキム ミンチョル
「決勝戦、作戦通り走ってくれて、本当に素晴らしいレースだったと思います。初日、2日目は苦労して、ラインに苦戦しましたが、色んなことを勉強になって、それをどう補っていくのかを考えたいです。連覇のことは考えてなかったので、本当に嬉しいです。私が優勝出来たのは、16人の韓国選手皆の助け合いや力があったからこそなので、皆に私の栄光を果たしたいと思います。今回の開催で色んなことを勉強できました。日本人の素晴らしいテクニックを学んでいきたいと思います。また、このような機会があったら、ぜひ参加したいです。その時ももっと素晴らしい姿をお見せしたいと思います」
・2着の佐藤友和
「3段掛けだと思って、5番のところにすぐに行きたかったけど、アンコになっちゃって行けませんでした。あとはワッキーの全突っ張りにかけたけど、でも、そこは別線だったんで何も言えません。今日は」
・3着のファン スンホ
「決勝戦は思った通りに走れました。(ヨコの動きは)日本勢の動きを予想してやりました。最初の頃は大変だったけど、今は慣れて、いい走りが出来たと思います。日本の選手はテクニックが上手いけど、自分たちが勝つために考えて走った結果が出せてよかった」
・4着の中川誠一郎
「失敗しました。ワッキーがいけないと思わなかったので、そこが想定外でしたね。博幸が降りた時に外を仕掛ければよかったですね。ちょっと不完全燃焼でした」
・5着のリュ ジェヨル
「決勝戦は作戦通り走れました。この優勝が、2日間トラブルがあったりしたけど、それを一気に吹き飛ばしました。最初の頃は慣れてなくて大変だったけど、慣れるように努力して、決勝ではいい結果も出たので少しは慣れたんだと思います」
・6着のウォン シンジェ
「決勝戦は思った通り走れたと思います。最初の時は慣れなくて大変だったし、2日目はトラブルがあって、3日目は自分も韓国チームの力になれる何かをしないといけないなと思って勝負に出ました。今回、韓国以外で走ることはないので緊張していましたが、楽しみながら走ろうと思っていました。また機会があったら走りたいです」
・7着の村上博幸
「レース展開が韓国競輪のような感じになってしまいましたね。そうなれば韓国の選手の踏み出しとトップスピードが高いことを感じました。ちょっとレースの流れも支配されてしまった感じでしたね。でも、その強さを味わえたし、また、同い年のキム ミンチョルさんが優勝したので、いい刺激をもらえました。すごく悔しいけど、いい勉強になりました」
・8着の脇本雄太
「相手がどうより、自分のレースをしようと思いました」
検車場では、すでにレースが終わった韓国選手全員で決勝戦を見ており、優勝を決めた瞬間はすごい歓声があがりました。
また、佐藤が「決勝戦は作戦負けでしたね、また負けた…」と悔しそうな顔をしていました。日本勢には悔しい結果になってしまいましたが、次の対戦ではぜひ日本のリベンジに期待したいですね。
決勝戦で、見事なライン戦を見せたのが韓国勢でした。4選手の連携でどのように決めるのか? 一晩しっかり考えて組み立てたようです。逆に細切れ戦で臨んだ日本勢は、見事にやられてしまったと思います。
また、宿舎で日本の選手達と交流はあったのか?と終わってから韓国選手に聞いて回ったのですが、韓国選手は体調面を考えてしっかりと休息をとって翌日のレースに合わせていたとの事でした。
日本勢がしっかり勝って次に繋げたかったのですが、これも勝負。次の日韓対抗戦競輪では日本勢に勝って欲しいと思います。
10レース
決勝戦を観る韓国選手たち。勝ったところで歓声が上がった
優勝したキム ミンチョル選手
胴上げ!
脇本選手が日韓交流!