インタビュー

佐々木龍が特昇を決めた!それも父・佐々木龍也の目の前で!!
ずっと追ってきた父の背中にまた一歩近づいた。父のすごさに選手になって、もっと気づいたという龍。もっともっと上を目指して頑張っていってほしいと願う父。お互いの熱い気持ちを、特昇を果たした直後に語ってもらった。
龍也――「競走は勇気があるものが勝つ!そればっかり言っています」
龍――「その言葉を一番大事にして、しっかり勇気を持って戦えるようになりたいです」
-まずは佐々木龍選手に、デビューからここまではいかがでしたか?

佐々木龍

龍「ようやく9連勝をすることが出来たんですけど、早くに出来るにはこしたことないとは思っていたけど、なかなか連勝することが出来なくて、それはもう実力だと思っていたので、しっかり力をつければ連勝はついてくると思ったし、特に意識することなく、練習するだけでした」
-父である佐々木龍也選手から見て、ここまでの龍選手はいかがでしたか?

佐々木龍也

龍也『まだ自転車競技の脚が残っていたので、競輪の脚に変えるのにてこずって、デビューした時も先行しても粘れなかったけど、徐々に練習で力をつけてきて、やっと特昇出来たかなと思います』
-目の前で特昇を果たしたところを見た感想はいかがでしたか?
龍也『もう感動しました!勇気をもらった感じがしますね。でも、ここからが本当のスタートなので、次の日から、もう気を引き締めて頑張ってほしいと思います』
-次の日からですか!?
龍也『はい。上を目指しているので、ここで緩めることなく、ここまでは通過点なので』
-龍選手、特昇を決めた感想は?

11月30日取手8R、ゴール前

龍「素直に父の前で決めたことが何より嬉しいです!でも、まだやっとスタートに立ったところだと思うし、やっと9車の競輪が出来るので、また力をつけて、同級生たちに追いつけるように頑張りたいです」
-同級生は誰ですか?
龍「神奈川だと郡司浩平君や和田真久留君が、すでに競輪祭で活躍していますし、早く同級生に追いつくつもりで頑張りたいです」
-今回は、やはりお父さんの目の前で決めたいと強い意気込みがあったと思いますが。
龍「まさか、父と同じ開催でリーチがかかると思っていなかったですね。でも、取手はデビュー戦で優勝出来た場所ですし、今回も父の前で特昇出来たし、何かここに縁を感じます」
-これからの目標は?
龍「早くS級にあがりたいですし、父が常に自分の手本になってくれて、勝負をしている姿を見ているので、その気持ちを受け継げるように、早く父を楽にさせてあげられるように頑張りたいですね」
-龍也選手の目標も教えてください。
龍也『今回、親子開催を初めて体験したんですけど、次はきっと龍がS級にいかない限りないと思うので、早くS級にいって、また一緒の開催に行きたいなと思いますね。今度は反対に龍から勇気をもらって、頑張らないといけないですね。そのためには弱気な競走は出来ないので、気を引き締めていきたいと思います。龍に関しては、スタートラインなので、一戦一戦を大切にして、ファンの皆さんから愛される選手になってほしいです。上を目指して、努力精進してほしいです』
-龍選手の決勝は、どんな心境で見ていましたか?

息子の優勝を実感し、ゆっくりと涙があふれてきた父

龍也『いやー、もう、自分のレースよりもドキドキ、ドキドキしました。家で見ていてもドキドキするんですけど、生で見ているともっとドキドキしますね(笑)。それで、感動して、ちょっと時間差で涙が出てきました。でも、また次の日から精進して、僕も9連勝でS級に特進したので、やっぱり9連勝であがってほしいですね』
-龍也選手のレースを見ていて、走りでエールを送っているのを感じました。
龍也『お父さん、危ないレースはしないでって言われるんですけど(笑)、やっぱり、息子に偉そうなことを言っているのに、目の前で変なレースは出来ないですからね』
-龍選手は、一緒の開催はいかがでしたか?
龍「自分も一緒で、もう昨日も見ていてヒヤヒヤしました(苦笑)。でも、最終日のレースも見ていて、バッと内にいって、位置取りもすごいなと思いました。…何か、言葉じゃなくレースで示してくれているなっていうのはすごく感じたので、レースで気合が入りました」
-決勝のレースを振り返っていかがでしたか?
龍「吉竹(尚城)君とは何度も過去に対戦していて、積極的なのも知っていましたし、脚もあるので、作戦は後ろからで、あとは流れを見てという感じだったんです。でも、本当は行かなければいけないポイントで行けなかった。仕掛けるポイントで躊躇してしまったのが、まだまだ自分の弱さだと思います。その後は、齋藤(輝彦)さんを連れて、ゴールまで行けたので、よかったと思います」
-次のA級1、2班戦は何場所で通過したいですか?
「まだまだA級1、2班戦でも通用すると思っていないので、何場所でというよりも一走一走しっかり力を出し切って、力をつけて、上にあがりたいと思います」
-チャレンジ戦では、少しレースになれるまで時間がかかったような印象がありますが?
龍「優勝は出来ていたんですけど、大事なところで行けなかったとか、まだまだ気持ちの面でも弱いところがあったから、こういう風に時間がかかってしまったと思います。連勝しはじめてからは落ち着いて、流れも考えて、慣れてきたのかなと思います」
-その辺は龍也選手から見て、どう思われましたか?
龍也『デビューしてから、競走のギアに慣れるのになかなか時間かかったかなと思います。ちょっと末がたれちゃったり、アマチュアの時はタイムトライアルとかが多いので、競輪はスピードじゃなく、緩急をつけた走りが必要なのに、そういうところが踏みっぱなしだったりとか、そういうのが最近わかってきたなと思います。悪いところを直そうだけじゃなく、いいところを伸ばそうと、そういういいところも出てきたと思います』
-家でも2人で競輪を見て、話したりするんですか?
龍也『そうですね。でも、あまり家で色んなことを言われて、ストレスになってもいけないので(笑)。兄弟子の松谷(秀幸)もいるので、ここはこうとか、競輪は流れが大事ですから、スタートしてから、打鐘がなってから、そういう選手同士の心理を読む。でも、競走は勇気があるものが勝つ!そればっかり言っています』
龍「デビューして取手にきた時に、勇気を持って行けって言われていて、わかっているつもりでいたんですけど…、なかなかその意味をしっかりは理解出来ていなかったと思います。走っている内に、ここは勇気がなくて行けなかったんだとか、そういうことが段々わかって、色々と反省して、やっと最近気づけてきたので。まだまだだとは思うんですけど、少しずつわかってきたので、A級1、2班戦でも、その言葉を一番大事にして、しっかり勇気を持って戦えるようになりたいですね」
龍也『本当に、勇気と感謝の気持ちだけは忘れないように頑張ってもらいたいですね』
-松谷選手という兄弟子がいたことも大きかったですね。
龍「松谷さんのおかげなので、アマチュアの時からずっと面倒を見てもらっているので。本当は、父と松谷さんと一緒に川崎記念・桜花賞の決勝に乗るっていうのが目標なんですけど、松谷さんにも恩返しが出来るように頑張りたいです」
龍也『僕はタイトルが獲れなかったんですけど、でも、獲るまでの失敗や色んな話は出来るので、龍にはもっと上を目指して頑張ってほしいですね』
-タイトルを獲ってお父さんに恩返ししたいですね。
龍「そうですね、そうしないと父を越えたと言われないので、頑張りたいです!…選手になってこの壁は大きいなって本当に実感しました」
龍也『どんどん上にいって、頑張ってほしいです!』