インタビュー

105期の勢いが止まらない! 現在のA級戦線は、今年7月に各地でデビューした105期が活躍中だ。すでに10選手がチャレンジレースを特別昇班で卒業し(11月17日現在)、「みんな強いので負けられない」とお互いが刺激し合って、好循環が生まれている。今回は第1回目として、特班した10名の中から5選手をピックアップ。デビューからここまで、そして今後について聞いた。
 
◆野口大誠【熊本・25歳】
「富山はS級特昇がかかっていますが、一戦一戦に集中して頑張ります」
-デビューから3場所、無傷での特別昇班を決めました。
「順調にはやっていると思います。105期の在校1位として卒業しているので下手なレースはできないという気持ちがデビューする前からあったので、しっかり練習に取り組んでデビューできましたし、それが3場所連続での特班に繋がったと思います」
-不安はありませんでしたか?
「デビュー戦(7月・熊本)は不安でしたけど、初日に台風で順延してしまったんです(笑)。そこで完全に吹っ切れましたね」
-昇班後のA級1・2班戦はいかがですか?
「初戦は苦戦した部分もあって準決勝で飛んでしまいましたが、9人制の勉強にはなりました。チャレンジは力任せでなりふり構わず仕掛けていきましたが、9人制は組み立ても大事だし、ラインを味方につけた走りもできるようになったということを学びましたね」
-そして現在、10月の小倉、11月の名古屋を完全優勝で6連勝。次場所の富山は勝負ですね。
「はい。次は(特別昇級が)かかってくるんですけど、チャレンジと違って自分の力だけでは無いところもあるので、とにかく一戦一戦に集中して、1着を取りにいくことだけ考えた結果が特昇に繋がればいいなと思います」
-小倉も名古屋も、決勝は圧巻のレースでしたね。
「ちょっと危なかったんですけどね、特に小倉の方は。でも、レースの中で自分の脚を最大限出し切ることができているので、しっかり練習ができて伴ってきているかなと思います」
-練習はどういう感じで?
「師匠が松川高大(94期)さんで、一緒に街道に行ったり、バンクでもがいたりしたりしています。師匠からは『先行して、しっかりと自分のレースをして来いよ』という感じですよね、毎回。師匠とは年齢も近いので、良い励みになってくれればいいかなと思って自分も頑張っています」
-今の戦法面の考えは?
「先行基本で、レースを作れるようにという感じですね。自分はどちらかと言うと自在にも立ち回りたいので、徹底先行という感じではないですけど、いかなければいくぞというつもりでレースをしています。出切ってからの粘り、長い距離をもがけることが自分では持ち味かなと思っているので、そこをレースで活かしていければいいかなと思っています」
-現在の目標を教えてください。
「当面の目標はルーキーチャンピオンレースですね。ルーキーは、卒業記念を獲れなかった分、しっかりとタイトルを獲れればいいかなと思います。一番の目標はS級に早く上がって勝負することです」
-最後に読者にメッセージをお願いします。
「1日でもはやくS級に上がって、上の強い人と走って、良いレースができるような選手になりたいと思っているので応援の方よろしくお願いします」
(11月15日インタビュー)
今後の出場予定
富山FI   11月26日~28日
大垣FI   12月3日~5日
久留米FI 12月15日~17日
高松FII  12月24日~26日
※特昇の場合、あっせんは変更になります。ご注意ください。

◆渡邉雄太【静岡・19歳】
「地脚もついてきたので、これからも先行一本でいきたいです」
-デビューからここまでを振り返ると?
「みんな強いなと思っています。でも、元々は追い込みの方が向いているのかなと思っていたんですけど、今は先行でやれているので意外といけるのかなという感じはあります」
-追い込み志望だったんですか?
「最初は競輪のことを何も知らなくて、後ろの方が絶対に有利だよなと思っていましたね」
-では、先行に力を入れ始めたきっかけは?
「静岡は新田(康仁・74期)さんや片寄(雄己・79期)さんとか、強い先行選手は年齢的にベテランなので、自分に会うと『今度はそろそろ後ろを回りたいなぁ』とか言われるんですよ(笑)。それは自分を認めてくれているから言ってくれているのかなと。みんなに言っているかもしれないので分からないですが(笑)、そういう風に捉えて、今は先行で頑張りたいなと思っています」
-9月の弥彦では特別昇班を決めました。特班場所を迎えたときの心境は?
「ここで逃げて勝てなかったら上でも勝てないなと思っていたので、とにかく3日間、逃げようという気はありました」
-最終ホームで主導権を奪われた準決勝は大ピンチでしたね。
「あそこで合わせるつもりだったんですけど、踏み遅れてしまって。でもちょうど番手にはまれたので、これは差せるかもとは思いました」
-その分、決勝は見事な逃げ切りでした。
「緊張はしましたね。単騎だと思っていましたが、須永(優太)さんも付いてくれて。特別昇班は、あのとき同期も3人くらいしていたので、良かったなと。それに師匠(渡邉晴智)からも、ずっと『すぐ特昇しろ』と言われていたので、ホッとしました」
-A級1・2班戦はいかがですか?
「チャレンジほど甘くないなと思いました。先行したくても、脚をすごく使ってでも先行させないような走り方をされてしまいますし。違いますね」
-それでも4場所目の11月・別府では準決勝1着で初の決勝に進みました。
「まだ競走は下手ですけど、ここで踏んどけばいいという位置はなんとなくですが分かってきました」
-今後の戦法については?
「まくりも好きですけど、決まらないときもけっこうあるし、(ダッシュ型から)今は長い距離をもがけるような脚質になってきたので、これからも先行一本でいきたいとは思います」
-練習ではどういった取り組みを?
「今までは全開でいけるところまでという感じだったんですけど、ゴールに向かってあげていけるような練習の仕方にしています。レースでも、そこは意識していますね。練習は師匠や兄弟子の藤巻和大(91期)さんとやっています」
-もっとここを伸ばしていきたい!と思うところは?
「脚力も伸ばさないと全然ダメだし、今までは引いて外ではなく内に差してしまうレースが多かったので、こうなったらどういう対応をしたらいいか、競走も勉強していかないといけないと思っています」
-今の目標は?
「とりあえず2年くらい先ですか、ヤンググランプリを目指して頑張ります」
-ルーキーチャンピオンよりもヤング?
「はい(笑)。もちろんルーキーも10人目が特班して点数で(出場が)決まるので、頑張らないと出られないですけど」
-最後に読者にメッセージをお願いします。
「最後まで諦めないで頑張るので、応援よろしくお願いします」
(11月13日インタビュー)
今後の出場予定
前橋FII    11月22日~24日
いわき平FII 12月4日~6日
取手FI    12月17日~19日
静岡FI    12月25日~27日

◆神田龍【三重・25歳】
「師匠の操さんと同じ舞台で、早く一緒に走りたいです」
-デビューからここまで振り返っての感想は?
「順調な方だとは思います。在校順位(8勝で16位)からして、ちょっと躓くかなとは思っていました」
-9月・和歌山で特別昇班を決めました。
「別に特班は意識していなくて、できたらいいなくらいの感じでした。周りには『特班して来いよ』みたいな感じでは言われてきましたけど。(特班は)できすぎの感じはしましたね」
-決勝は最終ホームで後方におかれて、ちょっとヒヤヒヤした展開になりましたが。
「いけるところでいこうという感じでしたね。ちょっと(ヒヤヒヤ)したところもありましたけど、あのときは踏み出したら進んでいった感じでした」
-A級1・2班戦はいかがですか?
「出るのに脚を使ったりと、いろいろなところで違う感じがありますね。でも、それよりも、特班をしてちょっと気持ちが抜けた感じもあって、調子がガクッと落ちて、うまいように自分で走れなかったりしました」
-では、ここから立て直しですね。
「はい、もう一回ですね」
-戦法面はどう考えていますか?
「先行で勝てる感じにはしたいと思っています」
-まくりも豪快に決まっていますよね。
「でも、まくりは得意というほどではないので、たまたま決まっている感じですね」
-今の取り組んでいる課題は?
「全体的なんですけど、やっぱりスピードですね。もうちょっとスピードが要るなと思っています。まだまだやるべきことがあるなと感じています」
-練習はどなたと?
「師匠が萩原操(51期)さんなので、グループの方と練習させてもらっています」
-師匠からは何かアドバイスを受けたりしますか?
「そんなにいろいろどうしろというのはないですが、『今のまま行け』みたいな感じでは言われています」
-その萩原選手は「後輩の指導をして、自分も刺激を受けている」とインタビューで応えていましたよ。
「僕らもそうですね。操さんがあれだけやっているので、もっと頑張らなくちゃいけないと思っています」
-同じ舞台に立ちたいですよね。
「それはもちろんあります。早く一緒に走りたいですね。そのためにも、先行して特昇できるように。一番近い目標はそんな感じ(特昇)ですね」
-先行へのこだわりはどういった部分で?
「やっぱり先行が一番格好良いと思いますし、自分の中でもすごいと思うことなので、先行でやりたいという気持ちがあります」
-最後に読者にメッセージをお願いします。
「先行で勝てるような選手になるので、応援よろしくお願いします」
(11月13日インタビュー)
今後の出場予定
玉野FII 11月25日~27日
高知FI  12月3日~5日
小倉FI  12月12日~14日
高松FII 12月24日~26日

◆野口正則【奈良・24歳】
「体は小さいですが、パワフルな選手に成長したいと思っています」
-ここまでのレースの感触は?
「デビュー戦(7月・豊橋)で優勝できましたが、そのあとの8月はちょっと成績が低迷しまして。決勝には乗っていましたが、なかなか思うように走れませんでした。それで、9月10月からボチボチという感じです」
-それでも10月には松阪で特別昇班を決めました。
「自分の中では年内の特昇を目指していたし、105期はみんな強いので、その勢いをもらって、僕も頑張りました(笑)。けっこうみんな(2班に)上がっているので、ルーキーチャンピオンも上がらないと(権利が)取れないかなと」
-松阪での決勝はいかがでしたか?
「緊張しましたね。緊張しやすいタイプで、けっこう周りからも『特班かかっているな』と言われていて(笑)。でも自分らしく全力を出せればいいかなと思っていました。あとは藤野(孝彦)さんの牽制が厳しいと思っていたので、しっかりとそこを乗り越えていこうと思っていましたね」
-9車立てになるA級1・2班戦ですが、2場所走った感想は?
「(105期は)みんな上がってきているので、ルーキーへは点数が重要なのに、今は思うように成績を出せていないところがありますね。当たり前ですけど、7車から比べると自分の中でもまだ慣れてないのかなという感じがあります。でも少しずつ慣れてきているので、しっかりと自分の思うようなレースはできてきたかなと思います」
-やはり主導権が取りにくい?
「そうですね。前回の奈良もけっこう厳しかったですね。ちょっと中途半端なレースをしてしまって、弱い自分が出てしまいました」
-11月・岸和田の最終日は逃げ切りで1・2班戦初勝利も挙げました。
「そうですね。敗者戦でしたけど、逃げ切れたことは嬉しかったですね。これを良い弾みにできればなと思っています」
-今後の戦法に関しては、今まで通り「先行」で?
「自分自身でも先行主体でいけるところまでいこうと思っています。しっかりここで脚を作って、先行で基礎を作っていきたいです。脚質は一応、地脚ですが、ダッシュもしっかり付けられればいいですね。まだまだ自信はないですけど、自分のスタイルを確立できるように、とりあえず果敢にいこうと思って走っています」
-今の課題を挙げると?
「やはりスピード持久力が欲しいですね。高いスピードで我慢できるように、9車立てはテンポも速いので、そこでもしっかり戦えるように高めていきたいです」
-練習はどういった感じで取り組まれていますか?
「奈良で朝から夕方までという感じで、103期の先輩や師匠(武田和也・92期)と若手中心に集まってやっていますね。あとは奈良に集まった選手と練習する感じですね。103期の3人は勢いもありますし、その勢いに自分も乗っていますね」
-今後の目標を教えてください。
「まだちょっと見えてこないと言えば見えてこないですが、やっぱりS級を目指していきたいんです。しっかりとS級を目指して、まずは決勝に乗りたいなという思いはありますね」
-読者にメッセージをお願いします。
「一戦一戦しっかりと全力を出し切れるように頑張ります。あと自分自身、体が小さいですが(身長160㎝)、パワフルな選手に成長したいと思っているので、頑張りたいと思います」
-それを感じさせないくらい、今のレース内容はかなり大きいですよね。
「はい、挑戦者の思いでこれからも果敢にいこうと思っています」
(11月12日インタビュー)
今後の出場予定
別府FI   12月3日~5日
久留米FI 12月15日~17日
小松島FI 12月24日~26日

堀兼壽【岐阜・20歳】
「守られている側なので、ラインに信頼してもらえる先行選手になりたい」
-7月のデビューからここまでの感想は?
「思った以上に厳しい世界だなと思っています。チャレンジはそれなりに成績を出せましたけど、勝つという結果よりも内容がすごく要求される世界なので、納得のいくレースができるまでに時間がかかりましたね」
-理想とするレースはどういったものですか?
「抑えて先行して、ラインでワンツースリーを決めることです」
-前回は失敗してしまいましたが、10月岐阜で特別昇班に成功しました。
「名古屋は欠場で、岐阜でしたが、自分の中では凄いプレッシャーになりましたね。だいぶ緊張しました」
-それは初日から?
「いや、前検日からでしたね(笑)。でも走路を見ると、いつも練習で使っているバンクだし、『いつも通り、いつも通り』と自分に言い聞かせて走りました。なんとか結果が出て良かったです。発走機に付くまでにすごく緊張して、発走機についてからは真っ白で何も覚えていないですね。決勝も流れでした」
-A級1・2班戦の初戦は11月の別府でしたが、そこでも緊張?
「しましたね。でも、もっと上で先行にこだわりたかったです。準決勝はまくりという風になってしまったので、決勝は意地でも先行しようと思っていました。魅せるレースをしようと思って先行しましたが、その結果が末着だったので…。チャレンジではごまかしがきいていた部分があったけど、上ではきかない。だから一から練習し直しているところです」
-やはり1・2班戦は違いましたか?
「打鐘からホームまでのスピードが違いますね。自分が持っていきたい態勢になかなか持っていけませんでした。決勝までいけたのは良かったところですが、力不足ですね」
-そのためには、どこを強化していきたいですか?
「最後まで踏み切れる地脚に、スピードも全体的に一回り上げないと、なかなか厳しいと思います。やっぱり先行できるように頑張りたいですし、ラインに信頼してもらえる先行選手になりたいです。守ってもらっている側なので、しっかりそういうところは頑張りたいと思います」
-今はどういった練習環境ですか?
「今は88期の師匠・永井(清史)さんが中心になって練習しています。いろいろな方がたくさんいますが、主に岐阜の自力の人ばかりで、午前中は街道に行って、午後からバンクという感じです」
-師匠からのアドバイスは?
「『小さくならずに、魅せる競走をして来い』と言われています。思い切りよくはできましたが、9着になる先行は誰でもできるので、『力を付け直さないといけない』とも言われましたね」
-では現在の目標はどこに置いていますか?
「一番近い目標はルーキーチャンピオンレースですね。そこにしっかり出て、思い切り走れればいいなと思います。あとは、しっかりと1・2班戦で決勝に毎回乗ってしっかりと、自分の形を作りたいですね」
-一戦して手応えは?
「今回(別府)の競走が終わって地脚やスピードといった課題点がはっきり見えたので、そこをしっかりやっていけば、まだもっとやれるのかなと思いましたね」
-最後に読者にメッセージをお願いします。
「思い切りのいいレースをして、車券に貢献できるように頑張るので、これからも応援よろしくお願いします」
(11月13日インタビュー)
今後の出場予定
富山FI  11月26日~28日
福井FII 12月3日~5日
奈良FII 12月19日~21日