インタビュー

前回に続き、今回もA級戦線をにぎわす105期の面々をご紹介します。つい先日も小笹隼人選手が11月の佐世保で3場所連続完全優勝を成し遂げ、105期11人目の特別昇班者となりました。今回の6名も今後の競輪界を背負って立つ可能性大の逸材揃い、その走りは今から要注目です。
 

■畑段嵐士【京都・24歳】
    「鎖骨骨折をしましたが、これで一人前になれたと考えています」
-まずはデビューからここまでを振り返って感想は?
「正直、学校時代も同期の中では強い方ではなかったので、ここまで結果が出るとは思っていませんでしたね。もっと苦戦するかなと思っていました」
-でも在校成績は2位でしたよね。
「あまりタイムが良くなかったんです。競走では、まくりがけっこう決まっていたんですけど、逃げ切りができていなかったので、そこまででしたね(笑)」
-8月の岸和田で9連勝、特別昇班を決めました。
「緊張は特にはしなかったですが、あれもけっこう運が大きかったとは思います。接戦も多かったですしね。でも早いうちにA級の9車立てを走れたことは良かったと思います」
-A級1・2班戦はいかがでしたか?
「やっぱり7車と9車は違うので、最初はやりづらかったですが、最近は慣れてきて、負けるパターンも勝てるパターンもちょっとずつ分かってきたという感触ですかね」
-2場所目の和歌山では準優勝、あと一歩でした。
「1場所目で決勝5着だったので、2場所目も決勝に乗れて、もしかしたら優勝もできるかもしれないなとは思いました。もう少し展開が動いたら、優勝できたかなという展開だったのでちょっと悔しかったですけど、嬉しかったは嬉しかったです」
-ですが、残念なのは10月の四日市。準決勝で落車して、それから長期欠場となっています。ケガの状況はいかがでしょうか。
「左側から落ちてしまって、鎖骨が折れてしまいました。でも選手になった段階から、いつかはあるかなと思っていたので、それは仕方ないですね(苦笑)。鎖骨一本折れたので、これでやっと一人前になれたかなとは今は考えています(笑)。思ったよりも回復が遅いみたいで全然骨がくっついていないので復帰はまだ分からないですが、今はリハビリしています」
-まずはケガの完治が最優先ですが、今後のお話も。まず戦法については?
「何でもできるようになって、常に勝ちを狙いに行く選手になることが目標です。今はいけるところからいこうと。後ろに3人付いてくれることも多いですし、まずは出切ってからの方がいいかなと思っています。でもタテ脚がまだまだないので、もっと自力をつけて、タテ脚を強化していきたいですね」
-現在の練習環境は?
「今はまだ練習できてないですが、川村晃司さんのグループで、師匠の武田哲二さんと、若手だと三田村(謙祐)さんや中川(繁樹)さんと主に一緒にやらせてもらっています。みんな強いので、自信を無くしてしまうんですけどね(笑)」
-まずは復帰ですが、今後の目標については?
「とりあえず年明けからチャレンジの点数も影響されなくなるので、次の半期でS級の点数を取りたいと思っています」
-最後に読者にメッセージをお願いします。
「一戦一戦、勝ちを狙って一生懸命頑張りますので、ぜひ応援をよろしくお願いします」

(12月1日インタビュー)
今後の出場予定
向日町FI 12月17日~19日
熊本FI 12月25日~27日
玉野FI 1月4日~6日
大垣FII 1月12日~14日


■吉川嘉斗【徳島・21歳】
    「逃げ切れる脚力をもっとつけていきたいと思います」
-ここまでの戦績を振り返ると?
「チャレンジのときはけっこう手応えがあったんですけど、1・2班戦に上がってからは苦戦しているかなというのは感じていますね」
-チャレンジ戦についてはデビュー前から自信はあったのですか?
「無かったです」
-それでも8月の広島では特別昇班を決めました。特班場所はプレッシャーなどありませんでしたか?
「特班については、師匠(米澤大輔)にもあまり狙うなよと言われていたので、あまりこだわらずにやってきたようには思います。(8連勝したときは)意識はするところはありましたが、下積みも大切かなと思うので、あまり意識はしないようにやってきました」
-レースではうまく3番手から仕掛けていきました。
「本当は先行で勝ちたかったですけどね。まくりになる展開も多かったので、(特班の)内容は二重丸ではないです。今は競走では長い距離を踏めるようにと思ってやっているんです。自分自身は長い距離を踏めるようなタイプではないので、ここがけっこう課題ですね」
-先ほど1・2班戦では苦戦とのことでしたが、違いはかなりありましたか?
「そうですね。チャレンジで踏んでこないところで踏んで来たり、踏み直す回数も多いかなと。1・2班戦で勝ったときは(決まり手が)まくりとかなので、逃げ切れるような脚力をもっとつけたいですね」
-「逃げ」という言葉がよく聞かれますが、戦法面では今後も先行を主体に?
「やっぱり、四国は先行選手が多くないで、どんどん自分が頑張っていけたらなとは思っています。自分自身では徳島の原田研太朗さんを目標にしてやっています」
-そのためにも、どこを伸ばしていきたいですか?
「抑え先行ができたらと。(課題は)トップスピードとか持久力的なところですね。1・2班戦でも勝てていないので、まだ全然です。脚質にもあまり特徴が無いので、これから次第です」
-現在の練習環境は?
「高校のときから知っていたので、100期の久米(康平)や表原(周)さんとメインで今はやって、バンクに入ったらバンクに来ている選手と一緒にやっています。師匠(米澤大輔)とは、時々バイク誘導をしてもらっています」
-では、今後の目標も教えてください。
「とりあえずルーキーチャンピオンレースに出て、ルーチャンを獲りたいと思います。頑張らないとダメですね」
-10月の佐世保の最終日に落車で、その後2場所を欠場しましたが、現在の状況は?
「まさか落車するとは思っていませんでした。けっこう打撲もあったので休みましたが、今はもう練習も影響なくできています」(12月3日からの大垣で復帰)
-最後に読者にメッセージをお願いします。
「1日でも早くS級に上がって先行として頑張っていけるように頑張ります!」

(12月1日インタビュー)
今後の出場予定
高知FII 12月10日~12日
豊橋FII 12月25日~27日
小倉FI 1月13日~15日
広島FI 1月28日~30日


■高木翔【岩手・20歳】
    「もっと組み立てを勉強して、レースを覚えていきたい」
-デビューからここまでをどう評価していますか?
「まずまずですかね、結果的に」
-では、納得できる部分とできない部分があると?
「そうですね。レース内容としては、納得できるものが全くないんです。走る前に、展開を考えて、その通りに走れたらいいなというのが理想ですが、自分もそうですけど、相手の動く位置も全然違いますし。まだ10場所しか走っていないので、なかなかうまくいかず難しいです」
-その中でも、10月に静岡で特別昇班を決めました。
「できたらいいなくらいで、特班はまったく狙っていなかったんですよ。でも静岡に入ったときに、みんなに言われて、8連勝までいったら『あと1つだな』とまた言われて、プレッシャー的なものはありましたけど、一戦一戦自分の力を出し切れたらなと、それだけを考えてやっていました。意識はしちゃいましたけどね」
-特班後、最初の1・2班戦は10月の青森。7車立てのミッドナイトで、決勝2着でした。
「何だかチャレンジのままで走れましたが、レースの展開も早いし、道中のスピードも速いし、違うなと。決勝はラインを連れていければいいかなと思っていました」
-そこからは松山(143着)、宇都宮(713着)と9車立てでしたが、いかがでしたか?
「(隊列が)長くなるし、細切れだとみんな前々に踏んで、展開も早くてスピーも上がるので違いましたね。難しさもあって、もっと考えないと」
-では今は組み立て面が課題ですか?
「そうですね、まずは組み立てです。内に詰まったりして、自分の力を出し切れずに終わる可能性もあるし、まだ下手なので、いろいろレースを見たり、教えてもらったりして覚えていかないといけないです。まだまだ全然ですね」
-練習ではどういった取り組みをしていますか?
「長い距離を踏むような練習をしているので、徐々に伸びてきているんじゃないかなとは思います。でもまだ足りないと思うので、練習しないといけないですね。佐藤友和さん(師匠)もいろいろ教えてくれたりするので、存在は本当に大きいです」
-今後はどういった戦法でいきたいと考えていますか?
「先行で戦っていきたいです。自分の最終地点としては、抑え先行もカマシも、まくりもイン粘りも、番手の仕事も何でもできるようなオールラウンダーな選手になりたいと思っているので、最初は先行から基本を作っていかないといけないかなと」
-では今の目標を教えてください。
「まず近い目標だとルーキーチャンピオンレースとヤンググランプリですね。ルーキーは獲ることが目標で、ヤングはまず出ること。最終的にはGIの決勝で師匠とワンツーを決められるような選手になりたいですね」
-GI決勝の舞台で岩手ライン、期待しています。
「僕も見たことがないですからね。できるように頑張ります!」
-最後に読者にメッセージをお願いします。
「しっかりとお客様に魅せれるレースができるように頑張りますので、応援よろしくお願いします」

(12月2日インタビュー)
今後の出場予定
取手FI 12月17日~19日
前橋FII 12月25日~27日
いわき平FI 1月2日~4日
京王閣FII 1月10日~12日
大垣FII 1月26日~28日


■清水裕友【山口・20歳】
    「先行で勝つことを意識してガムシャラに頑張ります」
-デビューから現在までの感想からお願いします。
「あっという間でしたね」
-手応えは感じていますか?
「デビューしてからずっとカマシばかりしていましたが、最近はちょっと抑え先行を基本に考えだして、それからレースも楽しくなったというか、競走でいろいろ力が付いているかなと思っています」
-意識が変わったのはなぜですか?
「8月の防府決勝で、勝ちにこだわって後手を踏んでしまって落車をしたんです。そこから先行を心がけるようになりました」
-そこから成績も一気に上がっていますね。
「先行を意識するようになってから特班もできました」
-特班場所は熊本でしたが、振り返ると?
「予選は意識していなかったですが、準決勝は『ここで1着じゃないと明日権利が無いな』と思ったらちょっと緊張してしまって、体が全然動かなかったですね」
-でもその分、決勝はスムーズなレース運びで好位置から仕掛けて優勝でした。
「本当は逆のことをしたかったんですけどね。スタートで牽制が入って、自分でいきましたが、そこからは落ち着いていたとは思います。最後まで何があるか分からないので、全力で走りました」
-特班後、A級1・2班戦を走った印象は?
「やっぱりちょっとレベルが違いますね。名古屋の準決勝では初日特選の人がカマして、合わせきれずに出られてしまって。チャレンジなら前に出てから自分の中で落ち着けるところがあったんですけど、今は前に出たら後ろから飛んでくるんじゃないかなと思って、気持ちに余裕がなかったりしますね。でも2場所を走って、2場所目は落ち着いて走れたかなというのが自分の中にもありますし、今のところ全部は先行していますので」
-戦法については、今後も変わらずに?
「そうですね。先行主体で頑張っていきたいですね」
-ここをもっと伸ばしたいという部分は?
「カマシは得意ですけど、抑えて駆けると、あまりかかりきらないんですよ。抑え先行でも勝てるように、自分で思っている走りができるようにしたいです」
-先行にこだわる理由は?
「今しかできないレースというのもあると思いますし、今はガムシャラにやろうと。先行 してレースやペースを覚えていかないといけないですし、先行で勝てるようになればレースもいろんな展開で楽になってくると思うので、今は先行にこだわってやっていこうかなと思います」
-今後の目標はありますか?
「先行で勝てるように、先行で勝って早くS級に上がって活躍したいです。上に上がって、選手をやるからには最終的にグランプリを獲れる選手になりたいと思います。あと、ルーキーチャンピオンは1回しかないことですし、同期と走るのはここしかないと思うので、そこは目標にしています」
-最後に読者にメッセージをお願いします。
「一生懸命頑張っている姿をぜひ本場で見ていただけたら嬉しいので、ぜひ競輪場に僕のレースを見に来てください」

(12月1日インタビュー)
今後の出場予定
岐阜FII 12月26日~28日
玉野FI 1月4日~6日
広島FII 1月15日~17日
松阪FI 1月28日~30日


■坂本周作【青森・22歳】
    「名前負けしないように、先行で強くなっていきたい」
-ここまでのレースにどういった感想をお持ちですか?
「デビュー戦では失敗(弥彦443着)したんですけど、次の青森ミッドナイトからは調子が良くて、うまくいきすぎているなという感じはありますね」
-では、在校時と比べてもかなり自信もついてきましたか?
「そうですね。デビューまでの3カ月間は、ちょっとなあなあで練習していた感じがあったんですけど、デビューしてからは『これはもっとやらないといけないな』と思って、次の青森では頑張って、それからは練習していますね」
-11月の前橋で特別昇班されましたが、これも大きなきっかけに?
「あんまり意識はせずに、松戸を戦って、次のいわき平では決勝で伊早坂(駿一)君と戦ったんです。勝てると思っていなかったんですけど、自分の好きなように走ってみようと先行で勝負してみようと思ったら勝てたので、次の前橋もメンバーが良かったですけどリラックスして走れたのが大きかったかなと思います」
-特昇がかかる決勝でも緊張はしませんでしたか?
「むしろ、一番緊張せずに決勝は戦えましたね。一戸(康宏)さんと力勝負して先行しようと思っていたんですけど、一戸さんが早めにいったので、あいた中団を取ってからのまくりになってしまいました」
-踏んだときのスピードもかなり良かったですね。
「そうですね。あのスピードは気持ちよかったですね(笑)」
-それからA級1・2班戦に上がりますが、伊東と立川の2場所走った感触はいかがですか?
「全然、競輪のセオリーを分かっていなかったので、チャレンジとは違いましたね。チャレンジならここで踏んだら楽勝で合わせられるというところでも、1テンポ、2テンポ、上は速いですね。まだチャレンジが抜けてないんだと思います。違いますね」
-対応するためにも今後、上げていきたいところは?
「今は早めに踏んで、長くもがける練習をしています。その効果が出てくれば、自分も良い勝負ができるかなと思っています」
-そこは苦手な部分だったのですか?
「いえ、地脚タイプなので長くモガくのは嫌いではないんですけど、それでもまだちょっと足りないと思っています」
-戦法面の考えは?
「とにかく先行しようと思って今はやっています。力をつけていきたいというのもあるし、自分の競走を見せたいと思っています」
-今後の目標を教えて下さい。
「とにかく先行で勝負して、勝てるようになること。あと同期がみんな特昇して、どんどん迫ってきているので、先に特昇した人も自分が越えられるように、もっともっと練習して頑張りたいですね」
-同期の活躍はやっぱり気になりますか?
「気になりますね。けっこうチェックしています(笑)」
-ではルーキーチャンピオンも狙っていく?
「いや、あまり意識はしていないです。点数的には厳しいので…。もちろん乗れたら嬉しいですけどね」
-では最後に読者にメッセージをお願いします。
「青森の坂本というと、自分の父(典男)や叔父(勉)も強かったし、いとこや兄も強いので、名前負けしないように、もっと先行で強くなって頑張るので応援してもらいたいですね」

(12月3日インタビュー)
今後の出場予定
平塚FII 12月13日~15日
取手FII 1月1日~3日
川崎FI 1月19日~21日


■小笹隼人【京都・24歳】
    「同期で特班は11人目、負けられないという感じはあります」
-初優勝は2場所目(7月松阪)と早かったですよね。
「そうですね。展開に恵まれた感じでした。ここまで順調といえば順調ですが、自分の中では苦労しているところもあります。デビューしてから半年経ちましたが、自転車経験が少なかったので、競輪というものに慣れるのに時間がかかりました。はじめは力が出せなかったですが、最近はちょっと自分のスタイルが分かってきた感じもしますね」
-分かってきたスタイルというのは?
「基本的にダッシュタイプで、先行基本に考えると抑え先行、カマシになるので、自分の中でこれをやったらいけないとか踏む場所も分かってきた感じです。でもまだ9車では分からない部分もあるので、これから自分のスタイルは変わっていくかもしれないですし、まだまだ自分はこれからだと思います」
-ダッシュタイプということですが、練習ではどう取り組んでいますか?
「練習では基本的に長い距離をしっかりと練習しています。あとレースは気持ちの面が大事だと思うので、しっかりと出し切るところで出し切れるよう、今はしっかりと練習はできていると思っています」
-ちなみに、今はどういった練習環境ですか?
「今は村上博幸さんに面倒をみてもらっています。しっかりといろいろな面でお世話になっていますね」
-村上さんからのアドバイスは?
「チャレンジのときは仕掛けるタイミングなどを教えてもらっていました。上に繋がるようなレースをしろ、といつも言われています。将来的には村上博幸さんのようなスタイルでいきたいなと思っていますが、今は先行をしっかりと考えてやっています」
-そんな中、11月の佐世保で見事特別昇班を決めました。
「すぐ特昇できると周囲には言われていたんですけど、自分の中では時間がかかったかなと思いますね。佐世保に行くときは、絶対に特昇することが最低限と思っていて、年内に特昇するのが最低限の目標だったので、これを逃したらヤバいなと思っていたけど、予選からずっと緊張していましたね。そんな緊張するタイプではないけど、珍しくしてました」
-決勝では秋永(共之)選手の突っ張りや、下岡(優季)選手のカマシなど展開が動きました。
「突っ張られるタイプではないですが、下岡がいたので、そこに合わせながら出て、あとは自分のタイミングと思っていたのに、すべてが予想外でしたね(笑)。自分の形では無かったですが、何とか勝てました。まだまだ経験が浅いのでこれからですね」
-まだ1・2班戦は走られていないですが、これからについて目標はありますか?
「とりあえずこの1年で、S級に上がること。できれば1・2班戦でも特昇して上がることを視野に入れています」
-ルーキーチャンピオンレース(選考は12月まで)のチャンスもまだありますよね。
「そうですね。しっかりと12月も戦いたいと思っています。同期の活躍は気になりますし、僕で特昇は11人目。やっぱり負けられないという感じはあります」
-最後に読者にメッセージをお願いします。
「いち早くS級に上がって、しっかり上位で活躍できるように頑張っていくので応援よろしくお願いします」

(12月3日インタビュー)
今後の出場予定
未定