インタビュー

もっと、もっと上を目指して!
近藤隆司(千葉・90期)
今年に入ってから好成績を残している近藤隆司。ギア規制がいい方向に向かっていることもあるが、それ以上に大きな理由があった。
今、好調をキープしている近藤が目指すところとは!?
GIに出たいという気持ちは強くなってきました
-昨年から活躍していましたが、ここにきて一気に目立つ成績になってきた理由は何かあるんですか?
「練習方法を少し変えたんですけど、ギア規制に向けて、昨年の11月頃から長い距離を踏む練習をしていたんです。
一昨年6月のFIで9着9着9着をやってしまったんです。そのちょっと前の4月くらいに千葉の先輩に『家にウェイトトレーニング器具とか買ってやるといいぞ』って話を聞いて、それで引っ越し先の賃貸マンションに、僕的には思い切って買って、7月から練習とウェイトを始めたんです。それで、8月の立川FIで短期登録の選手と同じ開催になって、そこで思い切って、静岡の二藤元太選手と一緒に部屋へ話を聞きにいったんです。世界トップクラスの人たちはどんな練習をしているのかとか、どういうサプリメントを飲んでいるのかとか、どういう風に自転車のセッティングをしているのかを聞きにいったんですけど、そこで聞いたことをトライしてみようと思って、やり方をガラッと変えてみて、そこから段々と成績がよくなってきたって感じですね」
-その一念発起した理由は?
「9着9着9着で本当にやばいなっていうのを感じたのと、たまたま引っ越したマンションが前のアパートよりもよくて、やる気も出たというのもあります。家にあるとやらないって人もいたんですけど、僕は、いつでも自分のやりたい時に出来るというのが自分にぴったりだったみたいです。休みなしで自転車の練習とウェイトを交互に繰り返して、競走前もウェイトって決めて今もやっているんですけど、その成果が出てきているのかなと思いますね。
色んな選手が色んな考え方を持っているので、何が自分に合うかわからなかった頃があったので、どの人の練習が自分に合うのかなとか、どれからやったらいいかわからない、というのがあって、ちょっとやれてなかったんです。でも、世界のトップクラスの人たちに聞きにいった時は、思ったほど長い距離を乗っていなかったり、自分の中でなるほどなって思うところがあったので、あとはやってみればよくなるんじゃないかなと思って、若干は半信半疑でしたけど、続けてみたところ、すぐ2ヶ月くらいで成果が出てきて、初めてS級で決勝に乗ることが出来たんです。S級に上がって5年くらい決勝に乗ることが出来なかったので、それが信じられなくて、その後に11月に郡司(浩平)君の番手を回ることがあって、S級初優勝まで出来て、それでやる気が上がりました。それまではS級とA級を行ったり来たりしていたので、目立ったところはなかったんですけど、そこからは、今までこんなに稼げることがなかったので、こんなに稼げるならサボれないなみたいな感覚で、ずっと練習を続けていられることが今日までの調子を続けていられる理由だと思います。
それから、ギア規制も、自分はずっと3.92だったのでいい方向に向かったと思います。3.92だと、少し早目から踏んでいっても逃げ残れるチャンスがちょっとあるなって思ったので、この半年くらいはずっと千葉競輪場で1周半もがく練習をやっているんです。前はもつイメージがなかったけど、今は踏み出しから思いっ切り行けば、スピードに乗るまでに脚を消耗することは余りなくなったって感じます。前は太っていたので、今は肉体が変わって、こうやって進むんだって感じられて、まだまだいいところが見つかりそうな感じはしますね」
-共同通信社杯が初ビッグ参加でしたが、感想は?
「記者の人が多いなっていうのと、あとは強い人ばかりなんで、練習の情報交換とか、そういうのが出来ました。お客さんの多さや相手に怯んだらどうしようと思ったけど、普段と同じようにリラックスして臨めたことは収穫だと思います。GIIはGIとは違うのかなと思いました。だからこそGIも出てみたいなって思いました」

初ビッグになった共同通信社杯初日の4番車・近藤

平原康多を捲って1着を取った
-今の課題は?
「最近までは身体を絞ることを意識してやっていたんですけど、今は体重を落とし過ぎたかなっていうのがあって、ちょっと難しいんですけど、もう一回り大きくなった方がいいのかって悩んでいるところですね。石井秀治さんや浅井康太みたいなムダな脂肪がない方がもっといい自転車の乗り方が見つかって、もっと強くなれるのかなって思ったけど、深谷君や新田(祐大)君の身体を見ていると、ワンランク上にいくには、もっと筋肉や体重がいるのかなって、最近、ちょっと考えているところですね」
-今の体重は?
「72kgくらいです。2年前は88kgくらいで、10kg太っていても(今よりも)ウェイトとか全く挙げられなかったので、筋肉が5kg増えて、脂肪が15kg落ちて、10kg減っていう感じがしますね。その分、昔よりいいんだろうなって思いますね。上位の自力の選手は、稲垣(裕之)さんを見ても筋肉がキレキレなんで、自力で動く以上、やっぱり何でも出来るように絞ろうと思っていたけど、でも、もうワンランク上にいくには増やさないといけないのかなって、ちょっと考えているところですね」
-今後の目標は何ですか。
「まずはS級1班に上がりたいっていうのはあるんですけど、それと特別に出るチャンスがあった時は活躍したいなっていう気持ちが強くなってきました。やはり上で戦う方が賞金も違うなって今年はすごく感じているので、今はどんなに寝不足だろうが1日1回は練習していますね。昔から強い人は特別で何百万と稼いでいるので、20代前半からそのお金をもらえていたら、絶対に練習していたなって思います。上の人たちはどんどん強くなるし、下の人たちは賞金が少なく(獲得賞金額の)差がすごいな、と感じました。最近は二日とかは練習をさぼることはなくて、少しでも多く賞金を稼ぎたいなって思って、頑張れちゃいますね」
-モチベーションにつながりますよね。
「はい、モチベーションは変わりましたね。それがもっと自分を強くしてくれそうな感じがしますね。ありがたいですね」
-最後にファンへのメッセージをお願いします。
「負けてしまった時にすごい野次をもらいましたが、走っている自分もすごく悔しかったです。一戦一戦、1着を取る気持ちで走っていますので、これからも一生懸命頑張るので、応援よろしくお願いします」
近藤隆司 (こんどう・りゅうじ)
1984年1月25年生まれ。体重175cm。体重は現在72kgくらい。食生活にも気を使うようになったそうで「冗談で記者の人に話していたんですけど、昔は週3回くらいでマックを食べていたけど、今は年に3回くらい(笑)。前はけっこうジャンクフードとか甘いものとか好きで食べていたけど、今は我慢していますね。ものすごく食べたい時は少し食べるようにして、気を使うようにしています。でも、それが結果につながっているので、苦じゃなく出来るようになりました」