佐藤水菜選手は7月にデビューしてから早くも3回の優勝を飾っており、114期で一番優勝回数を重ねている。今、大注目の新人選手となった佐藤選手、その基礎を作ったもの、彼女の今後の目標やレースに臨む気持ちなどを語ってもらった。
-自転車を始めたきっかけは?
「父が、私が幼い時から趣味として自転車に乗っていたんです。それで、その姿を見ていて、高校2年生の時にこれならって思ったことと、それと、冬にそういう思いがあって自転車に乗っていた時にたまたま尾崎睦さんが一緒に走ってくださって、その時に同じ舞台で戦いたいなって思って、選手を目指しました」
-では、デビューしてから3回も優勝と活躍していますが、ご自身ではどう感じていますか?
「自分ではあまり活躍しているとは感じていなくて、1レース1レース、自分の走りが出来るように頑張って、結果が後からついて来たらいいなっていう思いで毎回走っていて、自分の中では毎回満足出来ていますね。活躍というよりか自分の走りには満足しています」
-デビュー戦を振り返ると?
「初日はカマシで1着を取ることが出来て、それを自信に2日目も1周半逃げ切れました。でも、最終日の決勝戦は、学校とは全然レースが違っていたので、それにちょっと惑わされてしまい、ペースを崩してしまって4着という結果になってしまいました。逆に、そこで4着になったことが今の自分の走りにつながっているので、いい経験をデビュー戦から出来たと思います」
-初優勝はいかがでしたか?
「川崎では、初日、2日目と1着で、四日市のこともあったし、自分のペースを惑わされずに走り切ろうという気持ちで、(高木)真備さんを破ることが出来て、1着でゴールを駆け抜けられたのは、達成感というか、通用出来るんだなってホッとしました。でも、まだまだ自信はないんですけど、一戦一戦、自分のしたいレースをして勝てているので、毎レースいい勉強になり、自分の自信に少しずつつながっています。
初優勝が地元だったので、正直、勝ちにこだわるレースをしようか、先行でファンの皆さんに見せるレースをしようかで迷ったんです。でも、ここで競輪学校に入る前から応援してくださった方も多かったし、自分が先頭に立って自分が成長したって姿を見ていただけたらという思いで走ったので、それで優勝することが出来たので嬉しかったですね」
-それも師匠の目の前での優勝でしたね。
「自分よりも喜んでくれました(笑)」
「少し川崎の完全優勝に浮かれていたところもあったので、どこからでも行けるんじゃないかって悪い意味で思ってしまい、それをもう1回自分の気持ちを叩き直すっていうか、いいきっかけになりました。私から買ってくださった方には大変迷惑をかけてしまって、とても申し訳なく思っているんですけど…、次につながるレースだったと少し思います」
-その後に連続優勝されていますが、それで自信とは言えないんですか?
「そうですね。やっぱりトップで戦っている方々は後続を突き放しての走りが多いですし、それを今の走りで出来れば自信になると思うけど、けど、前回の伊東とかもギリギリの優勝だったし、そこまで力はまだまだなのかなって感じます。あれで粘り勝てたのは気持ちでは負けてないって証拠になったと思うんですけど、でも、まだ集団ゴールとかも多いし、まだまだ自分の脚力は足りないと思うので、頑張りたいです」
-今の目標は?
「一番の目標は3年後にガールズグランプリに出場することを校長先生と約束したんですけど、やっぱり3年後どうなっているか自分でもわからないので、今年たくさん満足のいくレースをして、さらに結果も114期の中で一番のまんま今年いっぱい走りたいなって思います。今年はコレクション等にはまだ出られないので、それが近い目標ですね。でも、来年に112期と114期の選抜のレースがあるので、そこで1位を取るというのが身近な目標です」
-同期へのライバル意識はありますよね、当然。
「そうですね、同期の自力選手と当たる機会がないんですよね。なので、当たる機会があったら、そこは力勝負で、自分らしく全力勝負で戦いたいですね」
-今の練習方法は?
「男子選手と一緒にもがかせてもらったり、あとはウエイトトレーニングをやったりとか、街道練習をしたりしています」
-それでパワーアップしたんですね。
「そうですね。でも、学校の時のT教場の、滝澤先生の1000本ノックといわれる練習を乗り越えたことが自分の中では精神的な支えになっています。本当にきつかったですね(笑)。もう死ぬんじゃないかな~って思いながら必死に練習していました」
-卒業した今振り返ると、やってよかったんですね。
「はい。むしろ、もう1回やりたいくらい。練習している時は何も考えられなくなるくらいきつくて、でも、それをもう一回やって、もう1段階、自分をレベルアップしたいなって思っていて、今の脚力アップの練習にプラスで根性をきたえたいなって思っています」
-応援してくれるファンの皆さんにメッセージをどうぞ。
「自分らしいレースをたくさんして、今までお世話になった方に恩返しをたくさんしていきたいと思います。そして、自分の車券を買っても後悔しないような選手に頑張ってなっていくので、応援よろしくお願いします!」
佐藤水菜(さとう・みな)
1998年12月7日生まれ。身長163cm 体重63.5kg
癒しの時間は?
「散歩ですかね。あとは星を見ることや1人でぼーっとすることです。けっこうアウトドア系も好きなんですけど、やっぱり競走や練習で疲れるとぼーっとするのがいいですね。なので、ルーティンじゃないですけど、発走機についたら星を見てリラックスしてレースに挑むっていうのが自分の中にあるんです。今度ゆっくり星を見たいですね。競輪学校の星がすごくきれいだったんですよね。星が好きです」