オリンピックシーズンに突入!熾烈な戦いを制してまずは東京オリンピックの出場権を手に入れよう!
脇本雄太、深谷知広
ワールドカップ1戦、2戦を振り返って
ワールドカップのメダルは前哨戦!
常勝、確実に東京でメダルを狙える存在になりつつあるのが脇本雄太だ!
そして、存在感を示しつつあるのが深谷知広だ。
脇本雄太
ワールドカップ第1戦フランス大会男子ケイリンで金、第2戦カナダ大会で6位となった脇本雄太は確実に男子ケイリンで出場権を狙える位置に来ている。
競輪選手がオリンピックに出場できるようになった1996年のアトランタオリンピックから振り返っても、ここまで確実視できる選手は出現していなかった。常にぎりぎりのところで出場権を獲得してきた。
しかし東京2020では確実に出場し、さらにメダルを獲得できると断言できる選手の出現は脇本が初めてだ。
先シーズンのワールドカップでも脇本は男子ケイリンで金メダルを獲っているが、やはりオリンピックシーズン突入前とあって、メンバー的に手薄なところがあったのは否めない。
しかし、今シーズンはオリンピックシーズンとなり、ワールドカップ6戦(内ベスト3大会)、大陸選手権、世界選手権×2シーズンの総合ポイント上位でオリンピックの出場が決まるとなれば、各国の力の入れ具合が跳ね上がる。
タイム種目であれば、一気にトップタイムが縮まるし、ゲーム系ではスピード、持久系が一気に上がり、真に強い選手が勝ち上がることになる。
その中で、初戦とはいえ、金メダルを獲得し、第2戦では6位となっている。この実力は紛れもなく本物で、本人が言うように、東京オリンピックでメダル獲得に近づいたのは紛れもない。
羽田に到着した脇本
ベトゥコーチと
-第1戦の優勝の感想をお願いします。
「前回の優勝(2017年チリ大会)がまぐれじゃないと証明出来て、そこはすごく嬉しかったです。冷静に立ち回れて、実感のある優勝だったので、よかったと思います」
-一回戦、敗者復活戦をまじえて、二回戦、決勝戦となりましたが、いかがでしたか?
「一回戦を戦った時にまだ戦うモードではなかったなと自分の中では思っていて、敗者復活戦を戦った時に、自分の中で、ようやくワールドカップの戦いが始まったんだなっていう実感をもって戦うことが出来たので。いい意味でも悪い意味でも一回戦を負けて敗者復活戦にまわってよかったのかなと思っています。気持ちも入ったし、最後まで戦い切れてよかったです」
-第2戦について、最終的にはケイリン決勝進出し、6位でしたが?
「第1戦目のパリと比べても、メンバーが強烈になっていて、リオ五輪のメダリスト2人が出場していて、ハイレベルな戦いだったんですけど、僕としてはオリンピックにつながるすごくいい経験が出来たと思います。…満足をしているわけではないですけど、今後につながる戦いになったと思います」
-身体的にはいかがでしたか?
「身体的には疲れていても、精神面ですごく気合が入っていたし、メダルも獲れたことも大きいし、自分の中では成長出来る部分もあると思うし、戦えると思います」
-ジェイソン・ケニー選手やマティエス・ブフリ選手との差は感じましたか?
「差はあるにしても、覆せない距離ではないなと思っています。レースが終わってからもブフリと話をしたんですが、準決勝の戦いはお互いによくやったなというような感じで、感想を話しながら出来たので自分としてもよかったなと思います。ここから上積みしていきたいと思います」
-上積みしていきたい部分は脚力? それとも戦法的に?
「理想は両方なんですけど、やらないといけないのは脚力の方だと思います。そこはしっかり仕上げていきたいと思います」
-活躍されると、周りからの警戒も大きいのでは?
「カナダでは警戒されていたと思います。自分は挑戦者ではないということを自覚しながら走らなきゃいけないのかなと思います」
-今後の予定は?
「今のところは、3、4戦は出ずに、5、6戦を出るかどうかです。今回のワールドカップがよかったので、しっかり世界選に向けた調整が始まると思います」
-世界選へのポイントはもう取れているんですか?
「ほぼほぼ取れていると思います。あとはアジア選手権に僕が出て、日本の枠を取りにいくかもしれないですね」
-スプリントの予選のタイムも上がりそうですか?
「あげていかないといけないと思います!」
-ケイリンの次の日にスプリントがあったりと、そういう体力面は?
「体力はこれからだと思います。まずケイリンだったらケイリンを走り切ることが重要なので。そこを走り切った上で、次の課題も見えてくるのかなと思います」
-ケイリンに重点を置くんですか?
「僕としてはケイリンの経験の一部として走っているつもりなので、ブノワとも話しているんですけど、優勝するために走っているのではなく、ケイリンでメダルを獲るためにスプリントの競技なので。結果が出るにこしたことはないですけど、ケイリンを活かすように頑張りたいと思います」
-昨年の金メダルと今回の金メダルの違いはありましたか?
「今までのメダルは僕の中では偶然だと思っているんです。でも、今回のメダルに関しては、色んな人に頼って、メカニックだったり、新しい自転車のフレームだったり、すごい頼って生まれた結果だと思います」
-挑む上でも気持ちも違いましたか?
「僕の中で、今年一回はメダルを獲りたいなと思っていたので、高い目標をもって、実行しなきゃいけないと緊張感をもって戦えたと思います」
-好調をキープ出来る要因は?
「一番、ブノワがスケジュールをしっかり調整してくれるからだと思います」
-新しいブリジストンの自転車の乗り心地は?
「まだ完全には乗りこなせてないところはありますが、自分の身体にフィットしたフレームだと思っています。調整の部分ではまだまだ話をしていくと思うんですけど、調整しきればもっとよくなると思います」
-1戦、2戦での一番の収穫は?
「第2戦のカナダのケイリンのレースが一番収穫だったのかなと思います。リオ五輪の金メダリスト、銀メダリストがそろった中での戦いだったと思うので、今後につながる戦いだったと思います」
-もう名前負けはしていないぞ、と。
「いやー、名前を見て、前回の金メダリストだし、警戒はしていたんですけど、実際に走ってみて、絶対に勝てない相手ではないなと感じました。そこで気持ち負けしないことが重要だと思いますし、これからなので、しっかり頑張ります!」
-オリンピックにむけて、現状と、抱負をお願いします。
「本格的にオリンピックに対する戦いが始まっているんだなという実感を得て、1戦、2戦を経て、自分の中ではオリンピックのメダルに対して、いい位置にいるんじゃないかと思います」
第2戦カナダ大会男子ケイリン決勝を走る脇本
タイミングが合わず踏み遅れた。
決勝ゴールは6着
そして、深谷知広。
男子スプリントに出場しているのだが、第1戦で、世界に名前を轟かすと言ったように、第2戦では予選の200mタイムトライアルでは9秒761で自己新記録を更新。1/4決勝まで進出し6位となっている。
これは、素晴らしいことで、ブノワジャパンの一つの目標でもあった1/4決勝進出を2戦目で果たした。特にスプリントでは日本は劣勢といっても過言ではなかったのだが、ここにきて深谷の進化が目覚ましい。
この後の深谷のレースには注目したいし注目していただきたい。
自己新記録を更新した深谷の
スプリント予選200mタイムトライアル。
マシュー・グレーツァー と対戦した1/4決勝は完敗。