2014年5月にデビューしてから今年で6年目。ガールズケイリン最速で300勝を達成したのが奥井迪だ。
デビューから徹底先行を貫き、300勝を達成した。
その300勝までの道のりをインタビューした。
-まずは300勝達成おめでとうございます。今の感想はいかがですか?
「自分に期待してくれたお客さんに300回応えられているということは、自分としては(期待に)返せているかなと思います。でも、その300勝の中に1つもタイトルがないので(苦笑)、そこはちょっと300勝っていっても、ただの節目かなと思います」
「自力にこだわって、そういう成績を残せているっていうのは頑張れているのかなって思います」
-3連対率も90%超えですからね。
「自分ではそんなすごいなんて思ってないというか、予選は勝てても決勝は勝ててないので、なんかそういうところが自分の中にあるので。しかし数字で見ると頑張れているのかなって思います」
-ガールズ最速での300勝達成ですよ。
「それは嬉しいですね」
-デビューから振り返って、ここまでの道のりはいかがですか?
「自分が思っていたよりも順調というか、ここまで勝てる選手になれると思っていなかったし、そういう意味ではすごく充実しているというか、グランプリも走らせてもらえていますし、本当にいい経験をさせてもらっています」
-他の種目からガールズケイリンに飛び込んできてどうでしたか?
「スキーもそうでしたし、社会人も経験したけど、覚悟を持ってこの世界にきたので、そこまで勝負の世界の厳しさっていうのはそこまで感じなかったというか、たぶん覚悟ができていたからこそ、そんなに大変だったというのはあんまりないかもしれないですね。それよりも自分のやりたいことで稼げるというのはすごく魅力的な職業だなっていうことは今も感じているし、やりがいがありますよね」
-奥井選手にとってガールズケイリンの魅力は?
「自分の頑張った分が返ってきたりもしますし、まぁ、上手くいくことばかりじゃないし、報われないこともありますけど、それもまた人生というか。自分の脚で稼ぐというのは、自分のやったことが返ってくるし、やらなかった分も返ってきますからね」
-では、ガールズ選手になって悔いはない?
「全然ないですね。この世界にくるって決めた運命に感謝しています」
-今後の目標は?
「選手になった時から、先行でガールズグランプリを獲りたいってずっと強く思っています。レベルもあがってきていて、なかなか厳しくなっていって、気持ちも折れそうな時もありました。でも、昨年末のガールズグランプリに出られなくて、お客さんに『奥井のいないガールズグランプリなんて寂しかった』というふうに言っていただいて、今までやってきたことがそう思ってもらえるんだなって、ちょっと報われたというか嬉しかったですね。自分の貫いてきた先行をガールズグランプリでという想いは、一度折れかけていたけれども、そこを目指そうってお客さんの言葉で思いました。やっぱり支えてくれるファンの方らがいるからこそ300勝できたのかなと思います」
-選手である限り勝っていかなくてはいけないですからね。
「そうですね、そうなんですよ」
「そうなんですよ。こだわって先行をやりたいって思っているってことは、それだけの努力をしなきゃいけないと思うし、うん、難しいですね。ただ勝つだけがいいとは思ってないから」
-競輪選手ってただ勝てばいいというばかりでもないですからね。
「競輪って、なんというかその人生っていうか何か走りににじみ出ますからね。私は競輪で一番厳しいところの先行に魅力を感じているので、本当に難しいですね。ただの勝敗だけじゃないものが競輪にはあるからこそ、私も競輪が好きだし、 勝ち負けだけのドライな世界だったら私も魅力を感じなかっただろうし、こういう走りをしようと思ってなかったかもしれないです。でも、この走りを応援して、支えてくれるお客さんがいることはとても大きいですね。気持ちの伝わる走りがしたいっていうのは私の中の課題としてあるから、それがなくなったら奥井迪の走りじゃないんだろうなって思います。昨年は色んなことを考えさせられました。でも、お客さんの声を聴いて『やっぱりこれでいいんだな』って思いました」
-最近の練習は?
「ウエイトはすごくやるようになりました。ガールズグランプリに出られなくて、もう1回ちゃんと身体作りをやろうと思って、パワーをつけようと思って、練習は色んなことをやっています」
-今年はガールズグランプリを優勝するイメージで。
「今年のガールズグランプリは立川ですし、そこにかける想いは人一倍強いですし! そこで先行逃げ切りで勝てたら最高ですね!!」
-ファンにメッセージを。
「いつも応援ありがとうございます。こうして300勝できたことも、いつも支えてくださっているおかげなので、今年こそタイトルを獲って恩返しできるように頑張ります!」