インタビュー

念願のメダル獲得!
世界選手権2日目、男子ケイリンで新田祐大選手が銀メダルを獲得しました!
昨年の河端朋之選手に続き、2大会連続、ケイリンでのメダル獲得になりますが、新田選手は昨年の河端選手を見て、自分もメダルを望む気持ちが強くなったそうです。
さらに熾烈さを増す世界との闘いに真摯に向き合う、新田選手を応援したいですね!
新田祐大
福島・90期・S級S班
銀メダルの喜びと悔しさが半々で…、この悔しさは金メダルが獲れた時に報われるんだと思います
-メダルを首にかけた感想はいかがですか?
「じわじわと嬉しさが溢れてきますね。思っていたよりも重厚感があっていいですね」
-2年くらい、なかなか噛み合わず、もやもやしていると言っていた時もありましたが、やっと吹っ切れましたね。
「メダル獲得に、たまたま今シーズンからきっかけがあったのかなと思います。そのきっかけも1レースじゃなくて、色んなタイミングで1年間通してずっとあったのかなと思います」
-予選から積極的でしたね。
「いえ、僕の中ではあれは積極性を欠いているかなと思っています。1月のワールドカップの方が積極的に動けていたので、それと比べると特に準決勝は勝ちたい気持ちだけで決勝に乗ったかなというのがあって、積極性は低いかなと感じました」
-新田選手は積極性を欠いたと言いましたが、落ちついたレースぶりだと感じましたが。
「いえ、それは結果的に勝っているからそう見えるだけで、まだまだ余裕をもって落ち着いたレースは完全にはできていないのかなと思います。そこら辺を落ち着いてできるようになれば、もっとパワーも出せますし、いいタイミングも作れると思うので、もちろん底力という意味でも力をつけていかないといけないんですけど、それ以外にも展開とかレースの内容を自分のものにするためには、もっと練習することが重要なのかなと思います」
-準決勝、決勝とブノワコーチがアドバイスされていましたが、どんなことを言われたんですか?
「自分が思っていることをそのまま言われた感じでした。『ここに来る時にオリンピックだとか世界選のチャンピオンジャージを着るためにこの1年間頑張ってきていて、今、獲れる位置にきたから、あとは気持ちをブレないように持ち続けること。あとは、自分の思い描いたようにレースをすること。おそらく今回の選手の中で1番、2番くらいの力はあるから自信をもっていけ』って言われました」
-決勝戦のレースを振り返ってどうでしたか?
「決勝戦は、マシュー・グレーツァーの動きによってレースが動いていくだろうと思っていたんです。マティエス・ブフリは自分の後ろにいるし、ブフリが動いてきたら合わせてタイミングをみて行けばと思っていたんですけど、思った以上に早い段階からスピードもあがって、ずっと並走になったので、そこが難しいところでしたね。ブフリも出るのに脚を使ったと思うし、その中で僕はベストポジションだったと思うけど、問題は、残り半周でブフリが先頭に立った時に様子をうかがわずに踏み込むべきでした。
昨年、河端さんがメダルを獲った時に側で見ていて、チームメイトがメダルを取って力を証明してくれて嬉しい反面、自分がその立場にあったら金メダルが獲れただろうかって考えたんです。そのためには日々の練習を欠かすことなく、集中して、そして何が大切なのか感じながら練習してきたことがここまでこれた要因かなと思います。
でも、銀メダルの喜びと悔しさが半々で、すごく苦しいくらい練習で追い込んでいるのに金が獲れない悔しさがあって、それは金メダルが獲れた時に報われるんだと思うので、来シーズンに向けての課題なのかなと思います」
-日本の競輪ファンにメッセージをどうぞ。
「2018年12月30日以降、日本の競輪の舞台に出ていませんが、今回の世界選に強い想いを持ち続けていて、どうしてもここでメダルを獲りたい、頂点に立ちたいという気持ちで2018年は1年間通して競輪の出走回数が少なかったんですけど、そこら辺も含めて、競輪のファンの方たちには申し訳ない気持ちはあります。こういう成績を残せたことでファンの皆さんが少しでも喜んでくれたらなと思っています。まだあまり実感はないんですけど、おそらく戻った時に、競輪という舞台に、ファンの皆さんの前に立った時に実感できるのかなと思うので、それを楽しみにしています」
-銀メダルを獲得したことで、なおさら金メダル獲得への気持ちが強くなったのでは?
「強くなりました!明確になりました。今までメダルを狙う位置にいなかったというか戦えなかったという印象が強かったので、それで手が届く場所にはないんだなって思っていたんですよ。それが昨年の世界選で河端さんが銀メダルを獲って、『不可能ではない』って思ったんです。今やっていることをやり続けて、しっかり実力を伸ばしていかないといけないなって実感しています」
新田祐大(にった・ゆうだい) 1986年1月25日生まれ。身長172㎝ 体重76kg
オフ中にしたいことは?
「オフの期間中には、一度、自転車から離れたいなと思います。ここの世界選に向けて、もう寝れないような日々があったりと、本当に精神的に追い込まれていたので、そこも含めて身体が限界にきていると思うので、一回、リセットして、また次のシーズンを戦える準備をしたいと思います」