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島川将貴(徳島・109期・S級1班)
島川将貴選手が本格化したと噂になっています。元々、練習での強さは評判だったが、それがレースでもいかんなく発揮されるようになってきました。オールスター(GI)の初日の逃げ、2日目の平原康多選手の逃げを捲って勝つなどの活躍を見せました。今後が楽しみ過ぎる逸材がまた四国から出てきそうです!
練習環境がいいので、いい練習ができているおかげです!
-近況の好調さについて、どうですか?
「とくに着とか競走得点とかは気にしていないんですけど、今までやってきてことが出てきているのかなと思います。でも、特別なこともしていないですし、自転車に乗って、今はウエイトトレーニングも流行っているんですけど、その頻度も一時期に比べたら減らしたりして、普通に自転車に乗っていて、それが成績につながっているのかなと思います」
-ウエイトトレーニングを減らしたのは何か理由があってですか?
「昨年、腰のケガなどが3回くらい続いてしまったので、それで方向をちょっと変えようと思ったんです」
-ウエイトトレーニングのやり過ぎですか?
「やり過ぎというか、徳島に阿竹(智史)さんと一緒にやっていたら、僕が先に壊れました(笑)」
-阿竹さんは大丈夫なんですか?
「阿竹さんは身体が丈夫なんで、大丈夫ですね」
-乗り込みが中心?
「そうですね、そっちが中心ですね」
-バンクや街道が中心ですか?
「7割がバンク練習ですね。あとは3割街道くらいで」
-ではスピード練習やバイクで引っ張ってもらったりしているんですか?
「そうですね。バイクを使わなくても徳島にはスピードある選手が多いので、一緒に練習するだけでスピード練習になりますね!」
-それがいい方向に出ているんですね。
「環境も今いいので、若手も多いしだからいい練習ができています!」
-バンクの練習仲間はどなたですか?
「基本的にはバンクに来た人と練習する感じで、この人とやるというのは決まってないですね」
-メニューは?
「その時に決めていますね。そこも徳島の良さだと思います」
-どんな練習を中心にしているんですか?
「もがき中心なんですけど、そんなに長い距離はもがかないですね。特にこれ中心というのはないですね」
-ギアをかけたりもするんですか?
「ギアもかけたりするんですけど、ナショナルチームみたいに5倍や6倍まではかけてはいないです。まだそこまでのレベルにいっていないので。徐々にあげていこうかなと思っています。あと何年か後に5倍とか踏み切れるようになればいいなと思っているんですけど」
-それまでは色んなことを試すんですね。
「そうですね、試行錯誤が大事だと思っているので。色んな人の練習のやり方があるので、そういうことを参考にしながら、考えながら試行錯誤していって、ゆくゆくは高いレベルのもがきというか、そういうことができればいいなと思っています」
-脚の回転系の練習もしているんですか?
「そうですね。練習の最初や最後、だいたい最初にやることが多いですね」
-では、競走について教えてください。
「はい」
-徳島の先頭で頑張って走ることが多いですけど、その中で小倉FIの決勝の番手戦はいかがでしたか?
「ヤンググランプリとか太田(竜馬)の後ろを走ったことがありますけど、普段はなかなか番手を走ることがなくて、変な緊張はありましたし、成績はダメでしたけど、楽しかったですね。僕は野球をしていたので、なんだか違うポジションを守るみたいな感じでした(笑)」
-ガチでの番手戦は初めてでしたか?
「初めてでした。それも経験ですね」
-最後までいい感じでしたね。
「もう少し脚があれば、並走もできるんですけどね。その辺は今後の課題ですね。四国も若い選手が多いので、そういう機会も増えてくると思うので」
-もう1つ気になったのが、オールスターの二次予選での見事な捲りですね。
「たまたまという感じの方が大きいですね、自分の中では」
-あまり捲りのイメージがなかったですけど。
「基本は先行でやっているので」
-捲りも得意なんじゃないかと思いました。
「いや、得意ではないですけど(笑)。捲りはやっぱりリスクが高いので、なので、最後の戦法が捲りっていう感じですね。先行態勢に入れなくて、それで後方にまわされた時に最終手段みたいな感じですね、自分の中で。最初から捲りというのはないですね。レースを走っていたら、毎回毎回は上手くいかないので、いける時に使うのが捲りだと思っているので」
-普段の先行と、いざという捲りがあると戦法に幅がでるのではないですか?
「そうですね、戦法的には幅は広がると思います」
-先行だけでなく、捲りも警戒しなきゃいけないですからね。
「僕が対戦相手でもそう思いますからね。先行だけだったら先行させなきゃ勝てるって思うし、捲りもできるってなったら、色々と変わってきますからね」
-そのためには、あのオールスターで見せた強烈な捲りはいいですよね。
「いやいや、あの時は平原(康多)さんも落車あけでしたからね。平原さんが本調子だったら捲れていないかもしれないです(笑)。そういう不安もありますけどね。まぁ、捲りに味をしめないようにしていきたいです」
-今後の目標は?
「目標はあんまりないんですけど、GIとかじゃなしに対戦相手から警戒される選手になりたいですね」
-今なりつつあると思いますが?
「いやいや、まだまだ全然です(笑)」
-かなり注目されていますよ。
「いや、皆が面白く言っているだけです(笑)。今だったら脇本(雄太)さんとか松浦(悠士)さんとかほぼほぼ1着じゃないですか。ファンからも高い支持を受けていると思うし、ファンからも応援されるというか、ダメだった時は仕方ないと思ってくれるような選手になりたいと今は思っています」
-では、野球をしていたところから競輪選手を目指したきっかけは?
「少年野球をしていて、弟の同級生のお父さんが師匠の室井健一さんだったんですよ。それで小学校3年か4年生くらいの時に知り合って、それで、僕の父が競輪好きだったので、室井さんのレースを見に行って、カッコいいなと思って、それからですね」
-それで競輪選手を目指したんですね。
「小さい頃は'なりたい'だったんですけど、高校まで野球をして、けど選手になりたい気持ちは変わっていなくて、そこから'なる'って決めました」
-なっていかがですか?
「なってよかったとは思わないですけど、今は楽しいですね。自転車が好きだったというか、日々の練習も調子がいい悪いに限らず楽しいので、その辺はよかったと思います」
-自転車競技はやったり、見られたりするんですか?
「最近は、世界選手権をユーチューブで見たりとかしたくらいですね。競技はあんまり興味がなかったんですけど、地区プロとか全プロとかに出始めて、他のフレームや競技も面白いなって思ったくらいですね」
-最後にファンにメッセージをどうぞ。
「お金に余裕があれば、僕からも買ってみてください」
-いやいや、今からの島川選手は買いに決まっているじゃないですか(笑)。
「いやー、余裕があったらで(笑)。でも、レースは精一杯頑張るので! お客さんにとって『こいつ買うんじゃなかった』と悔いが残るようないわゆる凡走はできるだけゼロに近づけたいと思っています」
島川将貴 (しまかわ・まさき)
1994年10月1日生まれ。身長172.4cm 体重79kg
Q最近の趣味は?
「よく聞かれるんですけど、趣味がなくて本当に困っているんですよね(笑)」
Q休みの時は何をしているんですか?
「競輪場に行ってコーヒーを飲んでいます(笑)。コーヒー飲んで、話したり、あんまりザ・趣味っていうのはないんですよねー」
Q練習漬けの毎日ですか?
「そうですね、基本、自転車に乗らない日はないので。体調が悪いとかケガ以外は、ローダだけとかはあるけど、ほぼほぼ練習みたいな感じですね。どちらかというと不安症な方なんですよ。逆に言うとそれはダメだと思うので、休む時はしっかり休んで回復させてという方がいいと思うんですけど、ちょっとでも乗っていないと不安になってくるので、自分でもわかっているけど、なかなかできないですね」
Q趣味は難しいわけですね。
「そうですね。犬を飼っているけど、一日中遊ぶのはムリだし、僕が先に疲れちゃうので(笑)」
Q何犬を飼っているんですか?
「ゴールデンレトリバーですね。昼から練習がない時は散歩とか行ったりするんですけど、それも30分くらいで終わってしまうし、かといって暑いからずっと外にはいられないし、そうすると何もすることがないんですよね(笑)」
「自転車に乗っているのが一番楽しいかもしれません。練習って考えると重たくなるので、そこまで考えてないです」
Q趣味は自転車に乗ること?
「それにしておきましょうか(笑)」